私の趣味のひとつが、「鉱物標本コレクション」だ。
小学生の頃から、石ころや化石に興味があり、その手の図鑑を見入ったり、山や川で石ころ探しをしたりもした。実家の近所には、かつての古墳跡(史跡には指定されていない、名もなき遺物)があり、土器ややじりを掘ったりもした。
その後、中学~高校の頃になると、興味が別の方向に向いてしまったため、コレクションすることはやめてしまったのだが、5~6年前から鉱物標本コレクションへの興味が再燃した。
以来、コツコツとコレクションが増え続けている(^_^)。
現在、鉱物標本コレクションの数は、438個、420種ほどだ。(注:2016年12月現在で、1000種を超えた)
鉱物は英語では「Mineral」だ。ミネラルと聞くと栄養素のミネラルを連想すると思うが、意味は「無機物、鉱物」である。栄養素のミネラルは基本的な化合物をさしているが、鉱物のミネラルは様々な化合物がひとつの形態を成すものを指す。ちなみに、鉱物の中には有機鉱物もあり、辞書に書かれている無機物だけではない。
同じ鉱物種でも、形成過程の違いから、結晶形態が異なったり色が違ったりするので、「438個、420種」という数になっている。
鉱物には名前があり、その化学的な組成により分類されている。国際鉱物学連合(International Mineralogical Association、IMA)によって分類された世界の鉱物は、約4700種。私はその約1割を手にしているに過ぎない。
新しい鉱物が発見されると、その化学的組成が既知のものと同じものがなければ、IMAによって「新鉱物」として登録される。生物でいうところの、新種発見と似たようなものだ。近年では新鉱物の発見は少なくなっているが、それでもときどき新しいものが発見されている。
鉱物の入手方法は、鉱物標本専門ショップで買うか、自分で山に行って探すかだ。鉱物採集は簡単ではないので、私はもっぱらショップで購入する。
ショップといっても、リアル店舗のショップと通販で購入するショップがある。リアル店舗の良さは、現物を見て、手にとって買えることだが、そうそう頻繁に行くわけではないので、通販の方が買いやすい。
石を扱うショップは、大別すると2つに分かれる。
(1)宝石系のカットしたり磨いたりした石を扱うショップ。パワーストーンと称して石を扱っているショップが、これに該当する。
(2)種々の鉱物の原石を扱うショップ。マニア向けのショップだ。
私が利用するのは(2)の方。
ただ、パワーストーン系ショップでも、希に珍しい原石を扱っている場合もあり、存外に無視できなかったりする。
ちなみに、パワーストーンでいうところの、石の持つ効果・効能というのはナンセンスだ(^_^)。そんな効果があるのなら、私は400あまりの効果の恩恵を受けているはずだが、そんなことはない。石は地球が生み出した、自然界の化学実験の産物なのだ。そこに科学的な神秘性や造形美は感じるが、石を持つことで金運が上がるとか人間的な欲望効果など、石ころは関知しない。
私がよく利用する、鉱物標本ショップをリストアップすると……
●株式会社エヌズミネラル 鉱物標本 隕石標本の専門店
●mineralstreet
●母岩 BOGAN
●オンライン ミネラルショップ ホリミネラロジー 「鉱物・隕石専門店」
●タケダ鉱物標本
●ラピス – 通販 – Yahoo!ショッピング
ほかにもいくつかあるが、利用頻度は少ない。
この6店をチェックしていれば、国内で入手可能なものは、だいたいカバーできると思う。
値段はピンキリ。数百円から数百万まで、幅は広い。
石の価格は、需要と供給の関係で、人気のあるものほど高い。宝石系の原石が高いのは当然だが、その石の品質によっても価格はピンキリになる。
多くの鉱物は「結晶」を形成する。その結晶がどれだけ綺麗か、端正で欠損がないか、大きさはどのくらいか……などで、価格は桁違いになる。鉱物を見る審美眼が必要であり、良いものは高い。また、極めて希産の鉱物は、希少性から高くなる。
良いものを手に入れるには、それなりにコストがかかる。
国内では入手が難しい、あるいは流通していない鉱物標本もある。
そんなときは、海外の鉱物標本ショップを探す。
海外ショップはたくさんあるが、主要なショップを横断的に網羅してくれているのが……
●minfind.com – Mineral Specimens for Sale, Mineral search engine
……という、ポータルサイトだ。
このサイトでは、新着の鉱物標本を提携しているショップから引用する形で紹介している。購入するときには、それぞれのショップにリンクが張られているので、ショップのサイトで購入する。
海外サイトなので、もちろん英語表記だし、価格表示もドルやユーロだ。昨今の円安で、円換算すると割高になってしまうが、それはしょうがない。円高だったときはお得だったんだけどね。
鉱物名も英語表記なので、英語名を知らないと検索もできない。
そんなときに重宝するのが、「– 鉱物図鑑 – Weblio」だ。この鉱物図鑑の著者は相当なコレクターで、掲載数はかなりの数だ。ここに出てこないものがあったら、レアな鉱物だと思ってもいい。英語の鉱物名を「鉱物図鑑 」の検索窓にコピペすれば、該当する日本語名の鉱物が出てくる。
「鉱物図鑑 」に出てこないような鉱物だと、希産鉱物か比較的新しい新鉱物である場合が多い。
そういうときは、それがどういう鉱物なのかは、「Mineralogy Database – Mineral Collecting, Localities, Mineral Photos and Data」、通称「mindat」で検索するとわかる。英語サイトだが、ほとんどの鉱物データベースは網羅しているので、どんな鉱物なのかは見当がつく。
日本語の鉱物情報サイトとしては、「鉱物データベース」がある。英語の読みがわからないときには重宝する。ただ、サイト内の検索機能がないので、手動で探さないといけないのが難点。
そこで、グーグル検索で「鉱物データベース」内を検索する窓を用意してみた。
これをサイトに設置してくれるといいんだけどね。
たとえば、前出の「minfind」に、今日出ていたもので、「Mohrite」というのがあった。
調べてみると、これは「 鉱物図鑑」には出てこない。
「mindat」で調べると……
Mohrite: Mohrite mineral information and data.
……というように、化学組成や発見者の名前、典型的な鉱物標本の写真が出てくる。
「Member of: Picromerite Group」ということで、Picromerite(硫酸苦土カリ石)の仲間というのがわかる。それだけでは、まだわかりにくいので、「鉱物データベース」で調べてみると……
……と、日本語名が「ブサンゴー石」の仲間で、「分類: アンモニウム – 硫酸塩 – 水和物」、「常温常圧下でエフレモフ石の加水分解により生成する。」ことがわかる。「Mohrite」は鉄分が多くなった場合のようだ。余談だが、ページ背景の緑色は見にくいので、白地にして欲しいところ。
こういうことを調べていくのも、鉱物の面白さだ。
ちなみに、この「Mohrite(モーライト)」または「ブサンゴー石」は、国内の標本市場には、まず出てこないと思う。つまり、レアなミネラルということだ。
私はレアな鉱物標本の大部分は、海外サイトで購入している。
そのへんの利用方法などは、次の機会に書く予定。
→鉱物標本コレクションの楽しみ方(2)に続く。