鉱物標本コレクションの楽しみ方(2)

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鉱物標本コレクションの楽しみ方(1)の続き。

海外の鉱物標本ショップでの購入方法

海外の鉱物標本ショップで、鉱物を購入する方法を簡単に説明しよう。英語が読めない、書けないと尻込みしてしまいそうだが、中学生で習う英語レベルでなんとかなる。英会話をするわけではないので、わからない単語は辞書で調べればいいんだ。

前回紹介した「minfind」の利用方法から。(※画像はクリックで拡大表示。以下同様)

minfindトップページ

minfindトップページ

画面は、今日現在の「minfind」のトップページだ。毎日、随時更新されているので、見る日によって内容は変わる。

右上に、通貨単位の選択肢があるので、Japanese Yenを選択すれば、その日の為替レートに応じて円単位で表示することができる。ただし、実際に支払いをするときの為替レートは、リアルタイムのレートとは違うので、多少の誤差はある。

minfindのトップページにビックアップされる標本は、リロード(再読み込み)するとランダムに変更されるので、直近の新着にどんなものがあるのかをざっと見たいときは、リロードを繰り返すといい。

トップページに出ていた「Metamunirite」をクリックすると、個別の標本ページが表示される。

minfindの個別ページ

minfindの個別ページ

左側に、鉱物名、産地、簡単な解説、価格、ショップへのリンクがある。商品画像はクリックすると拡大表示できるようになっているが、ショップのサイトの方が大きな画像を掲載している場合もある。

ちなみに、「Metamunirite」とは、日本名を「メタムニライト」といい、英語読みのカタカナ表記だ。「鉱物図鑑」を見るとわかるが、これは希産鉱物である。

日本円で¥7124は、妥当な価格だろう。このショップ「Minservice.com」は、品揃えが豊富で価格も良心的なので、私は度々利用している。海外ショップの中には、価格設定の高いところもあり、「なんだその値段は!」と思うことも少なくない(^_^)。鉱物標本は1点ものなので、その標本が気に入って、どうしても欲しいときは、ショップの提示する価格を飲むしかない。

では、リンクをクリックして、「Minservice.com」に行ってみる。

Minserviceのページ

Minserviceのページ

青字で「Reserve」となっているのは、すでに誰かが購入過程に入っていることを示している。支払いが完了すると、「Sold」の赤表示になる。
購入が可能なのは、緑文字の「Available」(入手可能)の場合のみ。
希産鉱物なので、めざといマニアに購入されてしまったようだ。

購入可能な別の鉱物ページを見てみよう。

MinserviceのPascoite

MinserviceのPascoite

Pascoite」は日本名「パスコイト」で、ショップページにも書いているようにレアミネラルだ。この鉱物は、国内の鉱物標本ショップでは見たことがない。希少性が高いといえる。
解説文中に「St. Marie aux Mines 2012 SPECIAL」とあるのは、2012年のSt. Marieのミネラルショーで出品されたものであることを示している。つまり、比較的新しい産出のものだということ。

パスコイトがどんな鉱物なのか、mindatで調べてみると……

Pascoite: Pascoite mineral information and data.

mindatのPascoite

mindatのPascoite

……というように、写真から結晶形がわかる。
売られているものは、明瞭な結晶状態ではなく、皮膜状であることがうかがえる。こういう場合は、顕微鏡レベルでしか結晶は観察できない。
化学式を見ると、

Pascoiteの化学式

Pascoiteの化学式

となっていて、V(バナジウム)を含む鉱物であることがわかる。

日本円で¥6,879は、レアミネラルとしては安い方。国内のショップだったら、たぶん1万円は超える。ただし、海外から購入する場合には、国際郵便等の送料がかかる。

Minserviceはイタリアのショップなので通貨単位はユーロだが、商品の重さが1kg以下の場合は、18ユーロ(約2382円)の送料がかかる。送料には梱包料なども含まれているから、ショップによって差がある。ドル計算で、7~15ドルくらいが相場だ。
買う側としては、商品価格+送料が価格になるので、重量オーバーにならない範囲で複数点をまとめて買った方が送料が無駄にならなくていい。

Minserviceでは、ショッピングカートのシステムになっているので「Add」のボタンをクリックすれば、カートに商品が入る。
購入するときには、メンバー登録をする必要があるので、必要事項を英語で記入する。英語表記の住所は、日本とは逆なので、番地→町名→市区→都道府県→国名というように、「, 」カンマで区切って書く。一度登録しておけば、二度目からは記入の必要はないので、メンバー登録は先に済ませておくことだ。
サイトによってはショッピングカートになっていなくて、メールフォームに商品番号や商品名を記入する面倒な場合もある。そういう場合は、最低限書かなくてはいけない項目に注意する。しかし、それらは個条書きでいいので、英文を書くスキルは特に必要ない。

注文が完了すると、ショップから受注メールが届く。もちろん英文だ(^_^)。
価格と送料が記され、支払い方法をどうするかを聞かれる。
支払い方法の定番は「PayPal」だ。PayPalも事前に登録しておこう。

PayPalに登録するときに、使用するクレジットカード情報などを申告しておけば、支払い時に有効となる。PayPalは現在、日本語ページが用意されているが、私が使い始めた当時は英語サイトしかなく、使い勝手はあまりよくなかったものだ。

PayPalの1回の利用限度額は、初期設定で10万円になっている。それ以上の買い物をする場合には、本人確認書類の提出が必要になる。鉱物標本のグレードの高いものは、10万円を超える場合もあるので、限度額を解除する手続きはしておく方がいいだろう。

注文と支払いが完了すると、商品が届くのを待つだけ。
とはいえ、海外から送られてくるので、日数はかかる。船便だと約1週間~2週間くらい。やっと届いたときの、レアな鉱物を手にした喜びは、マニアにしかわからないものだ(^_^)。

鉱物標本コレクションの楽しみ方(3)に続く。

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