「金(GOLD)」は、経済にとっても工業にとっても重要な資源だが、金の鉱脈を探すのに新たな指標が見つかったという記事。
ユーカリの葉に微量の金、鉱脈探査の指標に 豪研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
【10月23日 AFP】地中深く埋蔵されている金を探すための、驚くべき目印を発見したと、オーストラリアの研究チームが22日、発表した。金鉱脈の上に生えているユーカリの木の葉に、微量の金が含まれていることが分かったという。
なかなか面白い。
ただ、問題はユーカリの木がどこにでも生えているわけではないこと。範囲としては限定的だね。
また、
業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council、WGC)によると、文明の始まり以来、地球から抽出された金の量は17万4000トン以上に及ぶ。米地質調査所(US Geological Survey、USGS)の2011年の推計では、世界の金の埋蔵量は5万1000トンとされている。
ということで、底をつくのはそう遠くなさそうだ。
推定埋蔵量は、採掘が可能な地下を想定しているのだろうが、地球のサイズからいえば、ほんの表層のみだ。リンゴにたとえれば皮の部分。重い金は、地球が誕生したときに、内部深くに沈んでいるはずで、採掘が可能かどうかを別にすればもっと多いと考えられる。
また、海水中にも金イオンの形で含まれており、一説には800万~1500万トン、楽観的な想定では50億トンほどあると想定されている。ただし、それを効率的に抽出する技術がない。
過去の錬金術は、他の金属、たとえば鉛を金に変えようとする試みだったが、理論的には可能でも核融合するには莫大なエネルギーが必要だったため、混ぜたりこねたりの手法では金は作り出せなかった。
現在の錬金術は、海水からいかにして大量の金を取り出すか、なのかもしれない。初歩的な化学実験で、海水から微量の金を抽出する方法はあるが、採算ベースになる手法がない。
ちなみに、金はどうしてできたかというと、重い恒星が最後の爆発する、超新星爆発によって生み出された。最近の研究では、中性子星の合体により生成されるともいわれる。
つまり、金は星の残骸なのだ。
かつて、太陽系が誕生する以前。この宙域で超新星が爆発し、膨大なエネルギーが放出され、核融合が連鎖して、鉄よりも重い元素を生成し、金元素も生成した。それらは塵となって宇宙を漂い、最初は静電気で塵が埃として集まり、埃がたまりにたまって質量を大きくしていって、やがて重力で引き合うようになる。そうして塵から埃、埃から砂粒、砂粒から岩塊、岩塊から小惑星、小惑星から惑星……と、大きくなって、その中に金を始めとした重元素も含まれていた。
鉱物標本としての金を持っているが、金を含む金鉱石の中に結晶化している様子は、なかなかに美しい。ただし、顕微鏡サイズだ(笑)。
金というと、板状のものを想像するが、自然界の中では金は結晶化していることが多い。
欲望の対象ともなる「金」は、壮大な宇宙の歴史を物語ってもいる。