防衛相の抗議は筋違い

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大規模接種予約システムのセキュリティはザルだったことが判明したが、それをテストした朝日新聞出版と毎日新聞に対する防衛相の言い分が筋違いだね。

大規模接種予約システム改修へ 朝日新聞出版と毎日新聞に抗議 | 共同通信

 岸信夫防衛相は18日の記者会見で、自衛隊が運営する高齢者向け新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターに関し、架空情報を使って予約しないようにするため、システムの一部を改修すると明らかにした。取材目的で架空情報を使い予約した朝日新聞出版と毎日新聞に対して「悪質な行為であり、極めて遺憾だ。厳重に抗議する」と述べた。

予約システムは実在しない市区町村コードを使っても可能になっている。岸氏は「真正な情報であることが確認できるように改修する予定だ」と語った。「虚偽予約をしないよう、重ねてお願いする」とも強調した。

なんだか、自分の責任を棚に上げて、「オレは悪くない。悪いのはおまえだ」みたいな言い方だが、架空情報で予約できるシステムを作った方に問題がある。
むしろ、問題があることをテストしてくれた新聞社に感謝すべきだ。
これが実際に悪用される前に発覚したことが幸いだったのだから。
自分たちの仕事がいい加減だったことを反省しないと。

また、東京で予定の5万人分が埋まらなかったのは、自治体の接種券の発送が間に合わなかったためだが、そのお陰でアクセスがパンクしなかったともいえる。

虚偽情報ではなく、入力間違いでも予約が完了していると思われるので、実際の接種時に接種券の番号との照合が合わなかった場合はどうするのだろう?
接種券を持っていなければ接種できないことになっているが、予約なしでも接種券を持っていけば接種はできることになるのでは?

▼接種券の見本例
接種券の見本

Yahoo!ニュースのオーサーコメントによれば……

高野龍昭
東洋大学ライフデザイン学部・准教授

この問題の核心は、府省の間の縦割り、政府と自治体の間の縦割りです。とりわけワクチン接種を含む医療・介護等のデータ行政の縦割りの問題と言えるでしょう。
ワクチン接種に関する接種券番号等のデータや住民の生年月日等の基礎データを把握しているのは自治体(市町村)だけであり、政府(府省)は把握していないはずです。また、それは厚労省を中心とした命令系統で自治体が動いていますが、大規模接種会場の運営を担う防衛省は当然にそれらのデータは持ち得ていません。このことから、大規模接種会場では架空情報で予約ができてしまうことに至ったものと考えられます。(もちろん予約システムの技術的な問題もあります。)
こうした問題は今に始まったことではなく、医療・介護分野を中心に15-20年ほど前から顕在化していました。そのツケが今回のワクチン接種で露呈した形と言えます。

ということは、そもそも予約時に接種券番号や生年月日を入力する意味がなかったということになる。だから、虚偽情報でも予約可能にしていたのかも。

自治体の行う接種との二重予約も発生しているようなので、当日の接種では一定数のキャンセルが出てくると予想される。
ちゃんと事前にキャンセルできればいいが、当日行かないことで一方的キャンセルする人もいるだろう。そうなると、無駄になるワクチンが出てくる。
それを見越して、予約なしの人が、会場でキャンセル待ちをすることも可能なのでは?
それに対応するのかどうか。

付け焼き刃で仕事するから、いろいろとグダグダになっている。
現場は混乱しそうだね。
いっそのこと、年齢制限は取っ払って、誰でも接種できるようにしてしまえばいいんじゃない?
打てる人からどんどん打っていく。

高齢者よりは通勤・通学で行動範囲の広い世代の方が、感染リスクは高いのだから、優先すべきは若者〜中年だろう。
高齢者を優先しているのは、選挙対策の思惑があるのかもしれない。
中途半端な緊急事態宣言も形式的になっている。
感染を早く終息させようという意図が感じられない。

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