既存メディア vs WEBメディア……という図式は、なにかと論じられる。
 、リアルタイムの音声や映像の通信……等々。
 新しいメディアと思われがちだが、じつのところインターネットが一般化する以前から、その原型となるメディアは存在していた。

リアルタイムに回帰するwebメディア – CNET Japan

 更新頻度という面から既存メディアとwebメディアを比較してみれば、既存メディアがいかに不利か明確になる。たとえば、月刊誌はマンスリー、週刊誌ならウィークリー。ブログであれば、ほとんどがウィークリーと言っていい。mixiになればデイリーだろう。

 しかし、twitterはさらに早く、数秒、数十秒ごとに更新され、情報が飛び交う。朝のニュースは、夕方にはすでに古く感じてしまうほどで、夜のニュース番組を見ても「全部知ってるよ」ということになるわけだ。言い換えれば、テレビというのはすでに知っている情報を映像としてまとめてくれているメディアなのだ。少なくともネットネイティブの人間はそう感じているだろう。

 ネットに親しんでいない人にとっては、テレビはもっともよく接するメディアであり、それを見て育ったわけだから、テレビと一緒に老いていくのだろう。同じように、PCで育った人は最後までPCとつき合おうと思うだろうが、携帯やスマートフォンなどのモバイルで育った若い層は、PCでさえオヤジ臭いと思っている。

 それは世代の話であるから、何がいいとか悪いとは言えないが、今後新聞、テレビは確実に衰退していくのは間違いない。

 ここで対象となっているのは、ネットが一般化してからのメディアだ。
 技術的に新しく、サービスとしても新しく生み出されたものだ。
 インターネットが一般化したのはいつか?……というのは、どの時点で一般化したのかという線引きがいろいろあるだろうが、1995年がその境目ではないかと思う。
 1995年は、Microsoft社がモザイクのライセンスを受け、「インターネット・エクスプローラー」を開発して、Windows95と共に無料配布した年。それ以前には、Netscapeが存在していたが、IEほどの爆発的な普及には至らなかった。
 ちなみに、私は1996年からWEBサイトを独自ドメインで開設していた(^_^)。

 1995年以前は、ネットはマイナーな存在で、オープンなインターネットではなく、クローズドなパソコン通信が主流だった。主流といっても、マニアックな世界ではあったが。
 パソコン通信で一番のシェアを誇っていたのが、ニフティ・サーブだった。
 パソコン通信内では、メール、データの送信、フォーラム等の会議室システム、チャット、新聞記事のテキスト配信などが行われていた。
 基本的な機能は、現在のネット環境とそれほど違わない。
 大きな違いは、クローズドであったことと、通信速度遅い時代なので、大容量のデータは扱えないこと、それにともなって画像や映像は配信できないことだった。そもそも、この時代には、まだデジカメは普及していなかった。
 テキストのみの世界だが、フォーラムは現在の2チャンネルやSNSに近いものだったし、チャットは現在のTwitterに通じるものだった。
 現在のネットサービスの原型となるものは、パソコン通信時代にほぼ出尽くしていた。それが新しい技術とより快適な通信環境が実現して、より使いやすいサービスとなって生まれ変わっただけだ。
 パソコン通信世代は、現在では40~50代になっているだろうか。もともとマニアックな人たちの世界だったから、その時代を知っている人は少ないだろう。
 だが、その時代を知る私たちのにとっては、現在のネット環境は、目新しいものではない。古くからあったものを、新しい技術と環境で作り直したものだ。

 記事中で取り上げられている、

 ネットの利点として、これまではいつでもどこでも必要な情報にアクセスできるという面がクローズアップされてきたが、リアルタイムの映像メディアに注目が集まっていることも興味深い。なぜ、わざわざ今という時間を割いて中継を見たり、イベントに集まるのか?

 ……というライブメディアについても、過去に原型がある。
 それはアマチュア無線だ。
 現在では、アマチュア無線はほとんど話題になることはなくなったが、かつてはブームの時代があった。私もやっていた時期がある。
 無線よる音声が主流だったが、一部の人は映像を送る試みもやっていた。
 私は無線機を3台、3つの周波数帯で持っていたが、受信と送信の周波数を変えることで、仲間とリアルタイム通信をしていた。なにをしゃべるわけでもなく、送信をONにしたまま、「ダダ漏れ」状態だ(^_^)。
 制約は多いものの、基本的な状況というのは、ネット中継と通じるところがある。
 無線機を車に積んでいる人は、移動しながら通信することも可能で、今のケータイ電話と使い方は同等だった。会話に参加しなくても、聞いているだけのこともあった。ネットでは読むだけの人を「ROM」というが、無線で聞くだけのことを「ワッチ」といった。公共の電波なので、不特定多数の人が聞けるのが前提。
 無線で「今何してる?」的なことは、会話の糸口として、もっともポピュラーなことだった。
 Twitter的なことを、音声の会話として行っていた。無線は、基本的に同一周波数を使うので、相手がしゃべっているときは聞く側、自分がしゃべっているときは相手の電波は受信できない。一方通行の通信なのだ。若干のタイムラグがあるということでは、チャットやTwitterと同じことだ。

 余談だが、先の震災で、通信網がズタズタになったが、電話回線とケータイ電話による通信網だけに頼っていたことが大きな原因だ。
 もし、アマチュア無線がかつてのように盛んだったら、無線による通信がもっと活用されただろうと思う。実際、昔は災害時にアマチュア無線が活躍したという事例は多かった。バッテリーによる制約はあるが、車載無線機ならエンジンを回せる間は通信可能だ。
 災害時に、電話線しか通信手段がないのは問題だ。バックアップとして無線も用意しておくべきだろう。無線も周波数によっては、遠くまで届く。また、アマチュア無線のユーザーが多ければ、メッセージをリレーすることもできる。過去にそういう事例もあったのだ。今一度、アマチュア無線に注目してもいいかもしれない。

 WEBメディアがいろいろと登場しているが、過去に類似の前例がなかった、まったく新しい手法・手段というのはほとんどない。
 近未来のWEBメディアがどうなるか?……ということを考えるとき。
 過去に試されてきた手法や技術を、今一度見直すと、新しい技術で進化させられるヒントがあるように思う。

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