【レビュー】レディ・プレイヤー1

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レディ・プレイヤー1』を、21日、土曜日の夜、観てきた。

序盤のレースシーンのスピード感は快感!
中盤はやや中だるみ。
終盤はスリリングだけど、ちょっと説教臭い(笑)


▼レースシーン

レディ・プレイヤー1

レディ・プレイヤー1

まぁ、基本、ローラーコースター・ムービーなので、先入観なしに楽しめればいいんだけどね。

リアルなゲーム世界を舞台にしているということでは、日本アニメの「ソードアート・オンライン」を彷彿とさせる。意識したのかどうかはわからないが、日本のポップカルチャーに詳しいスピルバーグが、知らなかったということはなかろう。

「レディ・プレイヤー1」には、さまざまな作品のキャラクターが出てくるが、日本アニメでお馴染みのキャラクターも出てくる。ガンダムや「AKIRA」のバイクなどは、公開前から話題になっていた。ちらっとしか出てこないキャラもいるようで、Blu-ray等が発売されて、ポーズしないと見られない仕掛けにもなっている。

ゲーム世界はすべてCGで作れているわけだが、そのリアルさには圧倒される。主人公たちのアバターは、映画「アバター」のようにモーションキャプチャーで作られている。リアル世界の役者がモーションキャプチャーも演じているから、リアルとアバターとの違和感がない。人の動きには、その人特有の癖があるので、モーションキャプチャーで忠実に再現するほど、役者の癖も反映される。

日本のアニメでも、モーションキャプチャーを使った作品はあるが、動きを演じている役者が数人で、複数のキャラを演じているから、同じ癖のキャラクターが量産される。キャラは別人なのに、癖は同じという違和感を生む。どうせなら、声優に動きも演じさせればいいのだが、時間と予算の関係で難しいのだろう。

序盤のレースシーンは圧巻!
このスピード感はたまらない。映画『トランスフォーマー』で「速すぎてついていけない」といっていた、どこぞの映画評論家は、また同じことをいいそうだが、もっと速くてもいいぞ! この動きについていけないようでは、この映画は楽しめないね。

3つの鍵を手に入れるためのゲームが展開されるのだが、2つ目の鍵を手に入れる中盤になると、各キャラクターの生い立ちなどが説明されるため、スピード感はなくなり、ちょっと中だるみ。物語上、必要な説明ではあるのだが、かといって、それほど印象的でもない。

そして、終盤はスピード感が盛り返す。しかし、序盤のレースシーンのようなワクワク感は乏しい。それはいろいろな有名キャラクターがたくさん登場しすぎて、焦点が定まらないからだろう。欲張りすぎなんだ。それは意図したことだと思うが、1点に収束するのではなく、広角に広がっているため、主人公の存在感が薄れることにもなっている。

拡散した物語の方向性を、ラストシーンに向けて強引に引き寄せることになるが、ここでスピルバーグの説教が始まる(笑)。
スピルバーグ作品には、娯楽映画と社会派映画があるが、どちらにも共通しているのは、大なり小なり監督の考えのメッセージ性が出ていることだ。
レディ・プレイヤー1」には、監督の説教が色濃く出ている。

まぁ、細かいことはヌキにして、楽しむ映画ではある。
ちなみに、カタカナで「レディ・プレイヤー1」と書くと、レディを「Lady」と勘違いして、女性のプレイヤーをイメージしてしまうが、「Ready」の方だ。
詳しくは……

「レディ・プレイヤー1」の意味と由来 | この英語の意味なに?

原作小説の “Ready Player One” という題名は、1980年代のアーケード・ゲーム(ゲーム・センターや駄菓子屋などに置かれていたゲーム機)やテレビゲームにおいてプレイ開始時に画面に表示されるメッセージ(日本でも同じ)に由来しています。

1980年代のゲームで、プレイ開始時に “Ready Player One” あるいは “Player One Ready” というメッセージが表示されたのを覚えていた原作者が、そのメッセージを懐かしんで小説の題名として採用し、それがそのまま映画のタイトルになったという わけです。

1980年代のゲームのうち原作者が特にお気に入りだったのが日本のカプコン社が出した “Black Tiger” というゲームで、このゲームのプレイ開始のメッセージが “Ready Player One” だったので、”Ready Player One” が小説のタイトルとして採用されました。

“Ready Player One” の意味

テレビゲームのプレイ開始の合図であるということから、”Ready Player One” は「1人目のプレイヤー、プレイの準備を!」という意味だということになります。 したがって「レディ・プレイヤー1」は「レディ・プレイヤーという映画シリーズの1作目」という意味ではありません。

“Ready Player One” は “Ready Player” と “One” で区切るのではなく “Ready” と “Player One” で区切られます。 この “Ready” は “Get ready(準備しなさい)” の “ready” と同じ意味です。 “Get ready” の “ready” は形容詞で、「準備が整って」とか「用意ができて」という意味です。

……とのこと。

とりあえず、見て損はない映画だと思う。

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