昨晩、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」を観てきた。
映画は公開初日に行くことが多いが、さすがにこれほど満席に近いのは珍しい。それだけ注目されていたということだろう。
 
映画館は、豊島園のユナイテッドシネマ。この映画館は全席指定なのだが、私たちは1週間前に予約していたので、いつものスクリーン正面の、一番いい席だった(^^)。
さて、感想はというと……

そうくるか?
どういう結末にする気だよ?(^^;)

……である。
ファンの人たちには今さら……ではあるが、とりあえず物語の大筋は以下。

映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 – シネマトゥデイ

チェック:大人気テレビアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」を映画化した、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全4部作のうちの第2部。前作で汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンで戦うという決断を自ら下した少年が、謎の生命体“使徒”とさらに激しい戦いを繰り広げる様子に肉迫する。本作でもテレビシリーズを手掛けた庵野秀明が原作と脚本、総監督を担当。今回、初登場となる新キャラクターや、新型エヴァンゲリオンの勇姿に大興奮!

ストーリー:汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。また、綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。そして、謎の生命体“使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。

最初のテレビ放映時から観ている者にとっては、いくつものバージョンを観てきたことになる「エヴァ」の世界。
作者が自らの作品をリメイクしているわけで、節操がないというか、「またかよ」という冷めた目があるのも事実だ。
営業的な戦略からいえば、これほどヒットした作品で、さらに儲けようという思惑も見え隠れする。実際、それは成功している。

TVシリーズでは、制作スケジュールの関係や監督の精神的な問題(?)もあったりして、不完全なまま終わっていた。
それに決着をつけるために制作したのが、最初の映画版となった、
 
『シト新生』
『Air/まごころを、君に』
『DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』
 
であったはずだった。
 
映画としていちおうの決着はしているものの、結局、あっちの世界に行ってしまったことに、不満を感じるところもあった。あっちの世界とは、神かがり的なものや観念的な世界のことだが、精神的な世界に落とし込むことは、解釈を曖昧にしたまま崇高さを感じさせる……が、反面、落としどころを「逃避」にしてしまうことでもある。
そういう決着の付け方なら、TV版での演劇風の自問自答の方が、キャラクターの身の丈の範囲内で終わっていて、よかったとも思う。

エヴァのファンにとっては、TV版で物語は終わっている。
その後に制作されたバージョン(DVD版なども含む)は、いわばオマケのようなもので、番外編であり、別解釈にすぎない。
 
エヴァに熱狂したひとりとしては、その熱狂はTV放映時にすでに燃えつきている。あの新鮮な驚きと感動は、最初に観たときがピークなのだ。
映画版は、その思い出をもう一度……という理由で観ている。

言いかえるなら……

初恋の人との楽しい時間がすぎて、今は別れてしまった。
でも、その切ない思いは、今も心の中に残っている。
できることなら、もう一度、あの頃に戻りたい……。
彼女(彼氏)と出会って、告白、初めてのキス、初めてのエッチを体験したい。

エヴァに対する思いは、そんな恋の記憶に似ている。
画面が洗練され、CG技術の向上もあって、迫力のある映像になってはいる。
 
しかし、物語は多少の変更はあっても、根本的に変わっているわけではない。目新しさはあっても、初体験のときのような緊張感や感動は乏しい。
それでも見入ってしまうのは、初恋の再現だからだ。

エヴァの世界背景には、宗教的なタームやメタファーが多く出てくるが、男と女の性的なメタファーも多く登場する。
宗教的な部分は精神的・観念的なイメージを醸成するが、性的な部分は人間的・肉体的で猥雑なイメージだ。両極に位置するようなイメージが、絡みあい、入り乱れて、ドロドロとした世界を作り上げている。
そのドロドロ感……きれいな自分と醜い自分が混在する……は、誰しも心の中に持っていて、それゆえに共感できるのだと思う。

エヴァはエポックメイキングな作品となったが、問題は庵野監督をはじめとして、エヴァを作った中心的な人たちが、エヴァを超える作品を作れなくなったことかもしれない。
エヴァ以降、類似した作品も多く作られたが、超える作品は出ていない。
エヴァは自らを、拡大再生産することしかできない。ガンダムのように、時代を変え、登場人物を変え、物語を変えて新たな世界を作れない。
シンジ、レイ、アスカは、何度も同じ敵と戦うことになる。
 
今回の4部作(?)が最後なのか、それとも再び振り出しに戻り、戦いを再開するのか……?
彼らは少しずつシナリオの違う閉じた世界の中で、永遠に戦いを繰り返すことになるのだろう。
彼らに未来はない。
彼らはループの中で生きるしかないのだから。

それでも、彼らが再び戦いの中に戻るのなら、それを見届けてあげたい。
なぜなら、彼らは初恋の思い出だからだ。

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