「“食”の安全保障」【風をよむ】サンデーモーニング|TBS

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 昨日の「サンデーモーニング」で取り上げられた、食料安全保障の問題。
 当ブログでも度々書いてきたことだが、この問題に対して政府も国民も危機感が薄いので、遠からず深刻な危険領域に突入すると予想される。

「“食”の安全保障」世界各国が奔走する食料確保 食料自給率38%の日本は?【風をよむ】サンデーモーニング | TBS NEWS DIG (1ページ)

「“食”の安全保障」サンデーモーニング

習近平主席「食料安全保障の基盤を全方位で固め、中国人の食料を自らの手でしっかりと確保する」

習主席が訴えたのは、「食料を巡る安全保障の強化」。その発言の背景にあったのは、中国の食料自給率の低下です。

14億という巨大な人口を抱え、食料需要が増え続ける中国。かつて100%近かった食料自給率は近年急激に下落し、最新データで65.8%。中間層拡大による輸入量の増加が大きな要因です。

食料が海外頼みとなることへの懸念。そうした危機感からか、2022年4月に、習主席自ら足を運び訪れたのは、中国南部・海南島にある「タネの研究所」でした。

習近平主席「我々の手でタネをしっかりと握ってこそ、中国人の茶碗、中国の食料を確保することができる」

国産のタネを品種改良し、野菜などの収穫量をより一層上げる必要があると力説。

(中略)

世界各国が懸命に食料確保に追われる「食料安全保障」。

日本の場合、食料自給率はG7の中でも突出して低く、今年の発表では38%。

この数字は、20年ほど、おおむね横ばい状態が続いており、一向に改善される気配が見えません。専門家は…

資源・食糧問題研究 柴田明夫代表
「政府の危機感の欠如があった。経済合理性だけを考えれば、安い食料を海外からどんどん輸入した方がいい、いくらでもお金を出せば買えるという発想になる。そこにコロナパンデミック、戦争、異常気象の問題で、もはや海外から必要なものをいくらでも持ってくる時代ではなくなった」

 中国の独裁体制が批判されるが、こうした危機感を持っているところは見習うべきだね。わが国の首相が、「我々の手でタネをしっかりと握ってこそ、日本人の茶碗、日本の食料を確保することができる」なんてことは、今まで言われたことがないと思う。

 コメンテーターも言っていたが、今からすぐに自給率を上げることはできないので、じりじりと首を絞められるように危険領域に沈んでいく。
 食品ロス問題もいわれるようになってはいるが、まだ食べられるものを大量に捨てているのも、危機感がないことの表れだ。「もったいない」というだけでなく、その捨てる食品もほとんどが輸入品なのだ。われわれは自分で自分の首を絞めている。
 食糧の輸入が止まれば、日本は飢える国になる。そんな状況は想像しにくいが、自給率38%では、1億人を食わせることはできない。日本は食糧難で滅ぶかもしれない。

 今日はハロウィンだが、そんなバカ騒ぎにうつつをぬかしている場合ではない。
 食糧危機は、目の前に来ている。価格が高騰するだけならまだいいが、食品そのものが店頭から消える日が来るかもしれない。

 とはいうものの、実際に店頭から食べものがなくならないと、危機感は感じないんだろうね。
 日本は欧米のような民衆による暴動は起きにくい国民性だが、食料不足になると暴動は起きる可能性は高い。食うものがないのは死活問題であり、従順な国民性でも食料の争奪戦になるのは必至。

 食料不足は社会の崩壊に直結する。
 なんかの未来SFに出てきそうな、荒廃したディストピアな未来がやってくる……かもしれない。

 たとえば、こんな映画。

2022年、爆発的な人口増加と環境汚染に見舞われたニューヨーク。合成食品ソイレント・グリーンの製造会社社長が殺された事件を捜査する警官は、背後に食糧危機打開のための政府の陰謀がある事を知る……。
公開日: 1973年6月9日 (日本)

 古典的SF映画。なんと、映画の中の設定は2022年……つまり、今年だ。まだこの作品のようにはなっていないが、その入口には立っているように思う。

核戦争終了15年後のパリ郊外に、ポツンと残る精肉店兼アパートデリカテッセン。そこには、いつも不気味な笑いを浮かべる親父を始め、肉食主義の曲者たちが住んでいた。草も木も生えず、食べ物のないはずの近未来の精肉店で売られている肉。やがてその意外な正体が明らかになる。
公開日: 1991年4月17日 (フランス)

 こちらはもう少し新しい作品だが、それでも1991年公開の作品。作られた当時はブラックジョークだったかもしれないが、いま見るとジョークに見えない(^^;)。

 こんな世界にならないことを願う。
 そのためにも、もっと危機感を持って対処しないと!

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