子ども型アンドロイド「イブキ」が不気味

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人型ロボットをアンドロイドというが、リアルに人間に似せようとすると不気味になってしまう。
ロボットと人間の関係を考えたとき、ロボットはロボットらしくの姿の方が、受け入れやすいと思うのだが……。その好例が、Star Warsに出てくるC-3POだ。

自立移動できる、子ども型アンドロイド「イブキ」の記事なのだが、これ、不気味だなー(笑)。

自在に移動、子ども型アンドロイド「イブキ」 : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 下半身の車輪で自在に移動することができる子ども型アンドロイド(人間型ロボット)「ibuki(イブキ)」が7月31日、東京都江東区の日本科学未来館で報道陣に初公開された。将来的には人に付き添って道案内をするなど、人間と親密な関係を持つ存在を目指すという。

アンドロイド研究の第一人者である大阪大の石黒浩教授らのチームが開発した。イブキは身長120センチ、体重37キロ。10歳の子どもをイメージし、威圧感を減らした。骨格はカーボンやプラスチックで作られ、顔と手の部分にシリコーン製の皮膚をかぶせた。

子ども型アンドロイド「イブキ」

子ども型アンドロイド「イブキ」

石黒教授のつくるアンドロイドは、みんな不気味なんだが(笑)。
動画も公開されていたが、「自然な動きと多彩な表情が特徴」というキャプションがついていた。
どこが?
記者の観察力は、大丈夫か?

不自然だし、多彩でもなんでもなくて、不気味なだけ。
これを見て「かわいい」っていう人が、どれだけいるのかは疑問だ。
言っちゃ悪いが、石黒教授は美的センスは欠如していると思う。

ロボットを作る取り組みには敬服するのだが、この方向性は違うように思う。ロボット、アンドロイドに対する嫌悪感を醸成してしまうことを危惧する。

方向性としては、Pepperの方が王道だと思う。
あえてデフォルメして、人間に似せない、無機質なロボットらしいフォルムの方が、受け入れやすいんだ。
それは、犬が犬らしく、猫が猫らしいから、種が違っても愛情を注ぐ対象として受け入れやすいのと同じ。

嫌悪感を感じてしまうのは、中途半端にリアルなことで、人の心の奥にある差別や偏見の悪しき感情を呼び覚ますからではないかと思う。
近いけれどもちょっと違う……という違和感が、差別や偏見の元になる。人は異質なものに敏感だ。自分の価値観や美意識に合わないものに接すると、拒絶反応を起こす。それが「嫌い」という認識になる。嫌いなものは排除しようとする。ピーマンが嫌いな人が、ピーマンを食べ残すように。

ロボットにとって外見は重要だ。
性能以前の問題として、愛される姿か、嫌われる姿かで、評価が決定的になる。
どんなにやさしい言葉をしゃべったとしても、不気味なクソガキにいわれたら、悪意があるかのように受け取られることもある。

ロボットは人間に似せない方が良い。
それが人間とロボットの関係を、健全に保つ方法でもある。
人間に似すぎるアンドロイドは、社会に軋轢を生む。
それは過去のSF作品にも描かれた、未来への警鐘でもある。

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