純中国製スパコンが世界1位に?

LINEで送る
Pocket

スパコンの計算速度ランキングで、純中国製スパコンが1位になったという。

スパコン、純中国製が初の世界1位 速さ「京」の10倍  :日本経済新聞

 米国の専門家らからなる国際チームは20日、世界のスーパーコンピューターの計算速度ランキング「TOP500」を発表した。中国が国産技術で独自に開発した新型機が初の1位で、日本の「京」より約10倍速かった。2位にも中国が入った。3位と4位は米、京は5位となり、日米欧が上位を占めてきたスパコンの勢力図は大きく変わった。

中国の新型機「神威太湖之光」は1秒間に9.3京(京は1兆の1万倍)回の計算速度を達成、2位の「天河2号」より約3倍速かった。

トップの新型機は、心臓部となるCPU(中央演算処理装置)は中国製だった。中国は2000年以降にCPUの独自開発に着手し、米国留学組などの貢献もあり技術力を磨いてきた。世界最速スパコンの開発は国威発揚の手段でもあり、研究投資も大きいとみられる。

CPUを独自開発?
ほんとかな~?
にわかには信じがたいと思ってしまうのが、中国なんだよね。
その計算速度の検証は、自己申告じゃなくて、国際機関が立ち会って確認しているのだろうか?
基本的にベンダーの申告に基づいているようなので、中国が正直なデータを出していれば……という話ではある。

国家プロジェクトとしてスパコンを開発するのはわかるのだが、中国製のプロセッサは市場には出てこないのが不思議。1から設計しているとは思えないので、既存のIntelなどの設計をコピーするかベースにしているのではと推測する。
中国の技術力が上がっているのは事実だが、いきなり3倍も速くなるのは、急激過ぎる気がする。現在のスパコンは、1つのCPUの性能というよりは、物量でいかにたくさんのCPUを並列処理できるかでもあるので、コア数を100万個以上にすれば3倍は可能かもしれない。

開発しているのは「国防科学技術大学(NUDT)」だろうが、軍の直轄機関でもあるため、スパコンの使い道は軍事優先だと思われる。
「神威太湖之光」の写真はないかと探してみたところ、中国でこのニュースを報じているサイトにあった。

“神威太湖之光”取代“天河二号”成为全球最快超算_新华网

神威太湖之光”取代“天河二号

神威太湖之光”取代“天河二号

ほんの一部だろうが、巨大さの片鱗はうかがえる。
世界1位のスパコンで、中国はなにをしたいのか?
なにができているのか?
その成果が表に出てこないのが不思議ではある。

Intelベースの中国製スパコンは、中国以外の国にも導入されているそうだが、安価であることが売りのようだ。組み立ては中国でも、CPUはIntelだし、OSはLinuxなので、それほど問題はないのだろう。
スパコンを売るということ以外で、スパコンの使い道はなんなのかというのは疑問だ。
世界一のスパコンで、日本の「京」の10倍の処理速度があれば、いまだ解明されていない物理法則を解くとか、宇宙論をシミュレーションするとか、ノーベル賞級の研究もできると思うのだが……?
なぜ、そういう話題が出てこないのか?
国家機密扱いで、極秘の研究をしているのかもしれないが、世界に対してオープンにすれば、「神威太湖之光を使わせてくれ」という研究者は多いはずだ。

「神威太湖之光」の、真の実力が明らかになることはあるのだろうか?
今の政治体制が続く限りは、無理かもしれないね。

(Visited 29 times, 1 visits today)