かつて、映像の特撮はプロの領域であり、多くの資金と高価な機材と何人もの職人や技術者を必要とした。
特撮にCGが使われるようになった頃は、当時としてはハイスペックのワークステーションが必要であり、制作費や制作時間は膨大だった。
現在、パソコンの性能が上がり、ソフトウエアも進歩して、個人レベルでも手の届くものになった。
個人や少人数のチームで、自主制作の映像が作られるようになり、プロに匹敵するクオリティの作品も登場している。
とはいえ、作品を作るには、それなりの機材とスキルがなければできない。敷居は下がっているとはいっても、そうそう簡単なものではない。
中学3年生が作った作品が、驚きのクオリティになっている。
これを独学で!? 中学3年生が自主制作した映像作品がハイクオリティすぎて将来性の塊 – ねとらぼ
YouTubeに投稿された「2045」という自主制作映像がすごいと話題となっています。映像そのもののクオリティの高さはもちろん、作者の「38912 DIGITAL」さんは、なんと2000年生まれ。まだ中学3年生だというから驚きです。
いやはや、末恐ろしい中学3年生だ。
ストーリー的な未熟さはあるものの、短い時間で世界観を表現できているのには感心する。
ぶっちゃけ、プロが作っている日本のSFテイストのテレビドラマよりも魅了される。しかも、ひとりで作っているわけで、時間はかかったにしても、ここまでできてしまうのは時代だなーと思う。
こういう才能を、埋もれさせずに、つぶさずに、大輪の花を咲かせて欲しい。
そのためには、周囲のサポートが欠かせない。
プロの業界というのは、往々にしてしがらみや制約があったり、若手は下積みをしないといけないとか、才能を発揮する前に情熱が失せてしまうこともある。
経験も必要ではあるのだが、才能のある人には「旬」というのがあり、その旬の時期に才能を開花させられるかどうかが鍵になる。それを見極めて、世に送り出すプロデューサー的な人が、サポートしてあげられるといい。
これは映像作家に限ったことではなく、小説、マンガ、音楽などにおいても同様だ。
個人の才能や努力は必然としても、それが趣味のままで終わるのか、世間に広く認められる……つまり、プロとして成功するかどうかは、周囲の環境に左右される。
38912 DIGITAL君は、この作品で注目を浴びることになった。
ビギナーズラックの一面があるのは否めないものの、2作目、3作目とさらにクオリティの高い作品を作り続けられれば、大化けする可能性は秘めている。
いっそのこと、日本を飛び出して、ハリウッドのILMに行くというのも手だけどね。
この才能を埋もれさせるのはもったいない。