2020年の東京オリンピックにむけて、4K・8K放送を活性化しようという目論見がある一方で、4K・8K放送は録画禁止にしようという動きもあるようだ。
テレビ番組は将来「録画禁止」になるのか 4K・8K放送の「コピー禁止」に疑念高まる – 日経トレンディネット
今年2016年には、BS衛星での4K・8Kの試験放送がNHK他2社により開始される。2016年以降はBS/CSの衛星4K・8K放送の実用放送開始を経て、2020年には東京五輪が4K・8K放送で放送され、パブリックビューイングなどでも視聴される未来像が描かれている。
そんな中、NexTV-Fが2015年12月25日に公開した技術資料の内容から「4K/8Kで放送された番組は録画禁止になるのではないか」という疑惑が浮上。ネット上で議論をよんでいる。
(中略)
熱心なテレビファンでなくても、例えば連続ドラマやスポーツ中継を見逃さないように録画予約をしたり、あるいはドラマやアニメを毎週録画して見ている人は多いだろう。だが、録画視聴が4K・8K放送でできなくなれば、番組の放送時間にテレビの前で待ち構えるリアルタイム視聴が必須となってしまう。不便どころか、多くの人はテレビ番組を見られなくなる可能性がある。
関連記事をもうひとつ。
「4K・8K放送は録画禁止にすべきではない」 MIAUと主婦連が申し入れ – ITmedia ニュース
4K・8K放送で番組の録画禁止が検討されていることを受け、インターネットユーザー協会(MIAU)は2月3日、主婦連合会と共同で、録画禁止にしないよう求める文書を、4K・8K放送について検討している次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)に提出した。
(中略)
報道によると、民放キー局5社が4K番組の録画禁止を強く申し入れており、レコーダーを販売する家電メーカーが反発している状況という。
MIAUと主婦連は、番組の録画禁止について、「不正利用を行うごく一部の悪質なユーザー対策としても有効でないばかりか、大多数の善良な一般視聴者が巻き添えとなって不便を強いられる」とし、「許されるものではありません」と強い調子で否定する。
テレビ離れがいわれながらも、まだまだテレビの影響力は小さくないのが現状。テレビ局は視聴率を気にし、リアルタイム視聴の視聴率だけでなく、録画視聴率を出す試みも行われている。視聴は無料で、CMで収益を上げようとするビジネスモデルそのものが限界に来ていると思うのだが、なかなか脱却できないでいる。
視聴率の10%越えがひとつの目安になっているが、5%だとしても、人口1億人あまり(15歳以上で1億1080万9000人:2015年8月現在)に対して、5%は554万450人だ。書籍の出版だったらミリオンセラーだ(^_^)。俗にいう視聴率は「世帯視聴率」のことではあるが、個人視聴率が一般には公表されていないので、1人にテレビ1台と仮定した場合。ちなみに、世帯数は5184万2000世帯(2010年)ほど。
視聴率5%の番組は、低迷だとして打ち切りの話が出てくる。逆にいうと、554万450人(259万2100世帯)の人が見ていても、CMを出すスポンサーとしては効果が薄いと感じるわけだ。収益を上げるのに、いかに効率が悪いかということでもある。
ネットの有料動画配信では、番組1本(1話)あたり、100~300円で購入できるが、仮に200円×500万人だと、10億円である(^_^)。視聴率5%は、けっして低い数字ではない。ただし、無料だから5%なのだが。
テレビ局は、そろそろ垂れ流しで稼ぐことはやめて、番組ごとに視聴者に買ってもらう方向に向かった方がいいのではと思う。視聴率ではなく購買率で稼げるようになれば、質の向上にもなる……かもしれない。
NHKも含めて、スクランブルをかけて有料でいいよ。見たい番組を、買う人だけが見ればいい。
ニュースやスポーツ以外は、リアルタイム視聴する必然性が乏しいのだから、4K・8K放送が録画禁止になればテレビ離れがますます進むことになりそう。
それはそれでいいんじゃないかな。
テレビのありようが変わるから。
いつまでも、リビングルームの主役の座に鎮座していることもなかろう。見たいのはテレビではなく、コンテンツなんだ。テレビ局を通さずに、ドラマやアニメなどのコンテンツを見るのが普通になれば、電波を垂れ流すテレビ局そのものがいらなくなる。とはいえ、現状ではアクセスが集中するとネット配信がフリーズしてしまうなどの技術的な課題がある。いずれ、そういう課題は解決されていくのだろう。
民放が、4K・8K放送の録画禁止を主張するのは、既得権益を守りたいからだろう。
いいよ、録画禁止でも(^_^)。
たぶん、それはテレビ局の終焉を早めるだけだから。
自分で自分の首を絞めたいのなら、お好きなように。
日本でテレビ放送が始まって63年目。
人間でいえば、もうすぐ高齢者。いろいろとガタはきてるし、融通もきかなくなっている。50年後には、従来のテレビ局は消滅しているかもね。