中華製SF映画「流転の地球」がすごかった

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気にはなっていたが、見ていなかったSF映画『流転の地球』をNetflixで見た。
2019年公開だが、中国制作のSF映画だ。
いやはや、ビックリの映画だった。

流転の地球 : 作品情報 – 映画.com

「三体」が日本でも大きな話題を集めた作家リュウ・ジキンによる短編小説「さまよえる地球」を実写映画化し、中国で大ヒットを記録したSF大作。太陽に異変が起こり、300年後に太陽系そのものが消滅することが判明。この事態に備えて世界の国々は連合政府を設立し、地球ごと太陽系から脱出する壮大な計画を始動する。地上は急激な環境変化のため住むことができなくなり、人類は地下都市で暮らすことに。地表1万カ所に設置された“地球エンジン”によって順調に移動を続ける地球だったが、軌道のずれが生じ木星に衝突する危険性が高まる。衝突へのカウントダウンが始まる中、人類の命運を賭けた壮絶な戦いが幕を開ける。出演は「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」のウー・ジンほか。Netflixで2019年4月30日から配信。

……というあらすじの作品。
詳しいあらすじは、Wikipediaを参照

流転の地球

制作費が約5000万ドル(約57億7000万円)という超大作。
メジャーな邦画の平均制作費が3.5億円くらいらしいので、桁がひとつ違うレベル。
それでも、アメリカの大作映画の制作費の約300億円よりは安い。

原作が中国のSF小説で、映画制作も中国という完全中華製。
映像としてのクオリティは、かなり高い。
正直、日本映画はぶっちぎりで追い抜かれてしまった。
最近は、中華製アニメも質が高くなっていて、アニメでも日本が追い抜かれるのはそう遠くないと感じている。

SFの設定的には、トンデモ設定ではあるのだが、パニックものには切羽詰まった展開が必要ではある。
地球をまるごと移動させることが可能なのかどうかはさておき、壮大さは出ていた。
とはいえ、ドラマとしては等身大の登場人物の視点が求められる。
そのためある家族が物語を動かしていく。
地球規模の視点と家族の視点という、落差のありすぎる視点はいささか噛み合いが悪い。家族愛は世界共通のテーマではあるのだが、物語を矮小化してしまうことにもなる。
高校生の主人公がヒーローになるのは、日本のアニメっぽい展開。

中華製ゆえに、共産党臭さが漂っているのはしかたのないところか。中国の価値観として刷り込まれているから、意識していなくても出てしまうのだと思う。個人よりも組織(国)を優先するあたりに、そういうのを感じた。
アメリカ人が出てこない代わりに、ロシア人が出てくるのは、国情の反映なのだろう。

特撮(SFX)の部分は、あっぱれというか圧巻だ。
ハリウッド顔負け。
こういうSF映画は、日本の映画界には作れないだろうなー。

独自のロケットを打ち上げている中国と日本だが、有人ロケットは打ち上げていない日本。それは技術的・予算的な問題だけでなく、宇宙に対する意識の持ち方にも関係してくる。
日本では宇宙飛行士になりたいと思ったら、NASAかロシアに打ち上げてもらうしかない。他国頼りでは、他力本願になってしまう。その差は大きい。

ともあれ、スケールのデカイ、SF映画であることは間違いない。
中華SFとあなどるなかれ。
SF映画としては、シン・ゴジラをもってしても、日本は完敗だといっていい。
50億円かけて宇宙SF映画を作る度胸と技量があるか?……と問うたら、今の日本にはないだろうね。

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