出勤前に見ているNHKの朝イチ。
番組スタッフから新型コロナの感染者が出たとのことで、その検証をしていた。
感染予防をテーマとして度々取り上げていたことから、キャスターたちは神妙な面持ちだったのだが……。

新型コロナウイルス いま伝えたいこと|NHKあさイチ

番組スタッフ3名の新型コロナウイルス感染。番組では、改めて感染対策に問題はなかったのか専門家監修のもと検証しました。その結果、家庭でも役立つ感染対策のポイントが浮かび上がってきました。

別に犯罪を犯したわけでもなく、意図的に悪いことをしたわけでもなく、罪悪感を感じる必要はない。
そうした空気があることが問題。意図せず感染してしまうことは「悪」ではない。
市中感染率は少なくとも1〜5%にはなっているはずなので、社員が500人いれば、5〜25人は感染者がいても不思議はない。むしろ、ゼロという方が不自然。

社内感染が起きたと思われるが、感染したスタッフの行動を追って、専門家に検証してもらっていた。
Aさんの感染が最初に確認され、打ち合わせで同席していたBさんの感染が後日確認されたという。で、Bさんは打ち合わせのときに、Aさんから感染したのではないか……と推測されていた。

打ち合わせに使われた会議室は、パーティションで区切られ、席のテーブルにはアクリル板が設置されていた。そして、Aさん、Bさんともにマスクを着用していたという。ただし、室内の換気が不十分で、空気が滞留していたことが疑われていた。

ここで重要なのは、
(1)飛沫を防ぐ目的のアクリル板の効果が限定的であることと、
(2)パーティションが換気の邪魔をしてしまったこと。そして、
(3)マスクをしていたのに効果がなかったことだ。

アクリル板は大きな飛沫の直撃を防ぐことは期待できるが、マイクロ飛沫には無効だ。それは前にも書いた。そもそも大きな飛沫はマスクで防いでいるので、アクリル板はあってもなくても関係ない。それは見た目の気休めにしかなっていない。むしろ、アクリル板は空気の循環を邪魔して、マイクロ飛沫が滞留することを手助けしている可能性がある。つまり、逆効果だということ。

通常の飛沫は、5㎛(マイクロメートル)以上の粒子を指す。マイクロ飛沫はそれよりも小さい、3㎛以下の粒子とされている。マイクロ飛沫は、無風の部屋であれば数時間は空気中に漂うことが可能。ある実験では、1㎛の飛沫から感染可能なウイルスを検出している。

マスク性能として、BFE(約3㎛)、VFE(約1.7㎛)、PFE(約0.1㎛)と3つの基準があり、話題になったシャープ製マスクの場合、「微粒子ろ過効率99%:PFE試験」をクリアしていると謳っている。余談だが、シャープ製マスクは当選して、実物が手元にある。
しかし、お安い不織布マスクでは、BFE試験しかクリアしていないものが多い。これではマイクロ飛沫は素通りだ。布マスクやウレタンマスクは、不織布マスク以下の性能しかない。

検証するのではあれば、マスク性能はどうだったのかも明確にして欲しかった。
接触感染の可能性も排除できないが、BさんはAさんからマイクロ飛沫で感染したと考えられる。ようするに、マスクは予防としては役に立たなかったということ。
そこを指摘することはなかった。

さらに、もっと肝心なのは、Aさんはどこでウイルスをもらったかだ。
じつは、ここが一番重要なのだが、そこを追跡できていない。
保健所の見解としては、感染経路不明、という扱いらしい。

スタッフの人たちは電車通勤だと思うのだが、感染源として電車が疑われることがないのはどうしてなのか、いまだに謎だ。Aさんは電車で感染したかもしれないのに。

接触確認アプリのCOCOAは、1メートル以内15分以上接触すると、濃厚接触として扱うようになっている。たとえば、池袋から渋谷まで、埼京線であれば約12分、山手線では約16分かかるので、ウイルスキャリアの隣に座っていれば、ほぼ濃厚接触したことになる。
しかし、COCOAは位置情報を記録しない仕様なので、どこで接触したかまではわからない。これでは感染経路を追跡できない。

どういうわけか、感染経路として電車は除外されている。
以前ほどではないにしても、ラッシュ時の満員電車は、どこよりも3密なのにだ。
電車は感染源から除外するのが、暗黙の了解なのか?
触れたくない不都合な真実というやつかな。

ともあれ、感染したからと罪悪感を感じる必要はない。
そういう意識自体が間違っている。
感染した人を責めるのではなく、お見舞いの言葉をかけるのが正しい対処だ。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア