コロナ禍で、多くの人を集めるイベントなどは存続の危機的状況にある。
自粛要請で人数制限されたり、感染対策として余計な出費も重なったり、資金難から開催そのものができなくなっている。たくさんの人を集めてなんぼのイベントでは、人数制限は採算が取れないことになってしまう。
同人誌のイベントである「コミケット」や「コミティア(COMITIA)」も、開催中止を余儀なくされている。
そんなコミティアが、生き残りをかけてクラウドファンディング(クラファン)で資金を集めるという。
コミティア実行委員会代表・中村公彦氏インタビュー | コミティア―マンガの未来のために今できること 第1回 – コミックナタリー
35年超の歴史を持つオリジナル作品オンリーの自主制作同人誌展示即売会・コミティアが今、新型コロナウイルスの影響下において、存続の危機にある。5月の「COMITIA132extra」、そして9月の「COMITIA133」は中止を余儀なくされ、コミティア実行委員会は現在、コミティア継続のためのクラウドファンディングを準備中だ。コミックナタリーでは、そんなコミティアが置かれている現状と抱えている問題、そしてコミティア存続のために何ができるのかをユーザーに伝えるべく本企画を始動。第1回では、コミティアの代表である中村公彦氏に話を聞いた。
詳細はリンク先を読んでもらうとして、なかなか厳しいようだ。
クラファンの目標額である3000万円は、来年上半期の開催を見越した金額だそうだ。昨年に比べると今年は6000万円の減収ということで、来年の下半期のことは未定のようだ。
来年後半には、状況は改善するという期待というか願望なのだと思う。それで、とりあえず来年上半期の資金を確保したい意向なのだろう。
ただね、1年後にイベントが以前のような規模で行えるようになっているかどうかは疑問だ。
ネックは効果的なワクチンが開発されることと、治療法の確立だ。それと、新型コロナを「指定感染症解除」にする必要がある。これをしないと、厳戒態勢を続けなくてはならなくなる。ようするに、風邪と同等の扱いにするということ。
この指定感染症解除をするには、WHOの終息宣言などのお墨付きが必要になるだろうから、1年後に終息宣言が出ることは望み薄。つまり、1年後にイベントを自由に開催できる見通しも立たないことになる。
いろいろと厳しい……。
じつは、私はCOMITIAの初期スタッフのひとりだった(^_^)
会場がビッグサイトになる前の、比較的小規模だった頃の話。2000年頃までだったかな。おもにチラシやティアズマガジンのデザイン&DTPを担当していた。格好つけていえばチーフデザイナーというやつ(^_^)b
2000年頃というのは、まだDTPがあまり普及していなかった時代なので、制約のある中でのDTPだった。出版界でもDTPは限定的だった頃に、いち早くデジタルで制作していたんだ。そういう意味では、COMITIAはデジタル出版の先駆的なことをしていた。
制作場所は、私が住んでいたマンションの一室。
当時、私はデザイナーとしてフリーランスだったため、自宅兼仕事場でもあった。
スタッフは数人いたものの、DTPの部分はほとんど私ひとりでやっていた。Macintoshを使っていたが、それは私個人のものだった。当時は、MACもDTPソフトのQuarkXPressも高価なものだったので、何台も使用することはできなかったのだ。
締め切り直前になると、中村氏を始めとしてスタッフは泊まり込みで作業していたね。
今となっては懐かしい思い出。
コミティアが30年続いたのはめでたいけども、30年で満足するなと。50年、100年を目指せと言われて。「そうか!」と思いました。これから100年後も続くイベントとして、次の世代へコミティアを渡していかなければという気持ちは強く持っています。
次世代にCOMITIAを継承していく……という心意気は素晴らしいと思う。
ただし、ただしである。
現在のCOMITIAがCOMITIAたりえているのは、中村氏が代表だからでもある。
COMITIAを立ち上げた初代代表は別の人だった。中村氏はあとを引き継いだ2代目なのだが、私は中村氏にスタッフとして誘われたようなもの。
COMITIAがCOMITIAとしてのスタイルを確立していって、成長できたのは、中村氏の尽力によるものだと思う。私はデザイン面で協力したが、中村氏がいなければCOMITIAは成り立たなかった。
現在のスタッフ事情は知らないのだが、中村氏を引き継ぐのはなにかと大変そうだ。
私がスタッフだった頃の古参メンバーの多くは、今も残っているようだが、もうみんな歳だ(^_^)b
若手に3代目候補はいるのだろうか?
それが気がかり。
ともあれ、クラファンが始まったら、微力ながら支援するよ。