新型コロナで社会の地殻変動は起こるか?

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中世の黒死病(ペスト)によって、社会が大きく変わったことを例に挙げ、新型コロナ後の社会で地殻変動が起きるかもしれないという、近未来予想の記事。

新型コロナでは説明できない社会の地殻変動が始まった | 河東哲夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

ただ有無を言わさぬ疫病と言えば、中世欧州のペストに勝るものはない。1347年から数波にわたって欧州を襲ったペストは、同地の人口の実に3分の1から3分の2を亡き者にした。こんなに人がいなくなったら、社会・経済はとても回らないと普通は思う。だが歴史は逆に動いたようだ。

人口激減で農民の取り分や職人の賃金が上がり、多額の遺産が少数の生存者に残された。そして地価下落などで新たなビジネスチャンスが生まれ、社会の流動性が増す。

そのなかで農村から都市に進出して流通・金融で財を成したフィレンツェのメディチ家などは、富と地位を誇示するために文化人士を重用、ルネサンスの華が咲く。そして何より、国王─領主─農民という支配構造の中で領主が弱体化したことは、ヨーロッパを中世の封建制から近世の集権制へと向かわせた。

(中略)

一方、人工知能(AI)の浸透は、ペスト後のヨーロッパで「領主」という中間者が消えたのと同様の効果、つまり個人と中央政府の直結関係を生む。例えばマイナンバーが普及すれば、国家は税の清算(確定)、給付金分配を効率よく実行できる。

これは中国やロシアでは統制強化に使われるが、欧米の企業や政府は余計なペーパーワークを減らし、社員や役人をもっとましな目的に使うだろう。

ペストによって死屍累々となった街を描いたヨーロッパの絵画(Wikipediaより)

ペストによって死屍累々となった街を描いたヨーロッパの絵画(Wikipediaより)

この話題の前提として、新型コロナの終息はいつになるか?……というのがある。
終息しないと、アフターコロナは語れない。

現在の日本の第三波は、2月末くらいになれば沈静化するだろうけど、その後もコロナ感染は継続すると予想する。
ここまでの経過を見ると、4〜5か月で変異型が新たな感染拡大をしてきているので、第四波が4月頃から盛り返してくるように思う。その頃にはワクチン接種が始まっているだろうが、今度はワクチンに対抗した変異種が出てくる可能性が高い。すでに、その変異が確認されてもいるので、ワクチン接種が、さらなる変異型の出現を促進してしまう。これは耐性菌と同様の展開だ。

次の山は4〜5月、その次が8〜9月……と、続くように思う。
もちろん、オリンピックどころではない。

ようするに、今後はコロナと年間を通して、常に向きあうことになるということだ。コロナが常態化する日常も考えないといけない。考えようによっては、以前から風邪は季節に関係なく発症する人がいたわけで、そこにCOVID-19が加わる。

中世のペストと比較すれば、新型コロナの死者数は少ない。それは医学の進歩のお陰でもあるが、劇的な人口減少という地殻変動には至らないことにもなる。
ここが重要なポイントで、大変だ、大変だといいながらも、死者数は低く抑えられていることで、既得権益を持つ人々のダメージは少なくなっている。
中世のような富の再配分は起きない。
結果的には、富裕層は富を上積みし、貧困層はさらに貧困になり、格差が広がっただけ。流動性は起きていないのだ。

中世のペストでは、身分や階級の区別なく感染が広がり、富裕層も貧困層も関係なく死んでいった。それもとんでもなく大量に。ある意味、リセットボタンを押して初期状態に戻したようなものだ。
社会基盤が破壊され、クラッシュ・アンド・ビルドで、社会システムを作り直すことができた。

似たようなことは、太平洋戦争で敗戦し、焼け野原になった日本でも起こった。人口は激減し、街は消滅し、インフラも政治もズタズタ。ゼロではないにしろ、1から国を作り直すことになった。それがその後の高度成長時代への布石になった。
社会が変革するには、今あるものをぶっ壊す過程が必要なんだろう。

そうした過去の教訓から見れば、新型コロナはたしかに世界を混沌とさせているが、絶望的なまでに社会環境を破壊してはいない。つまり、社会の地殻変動が起きるほどのダメージではないともいえる。

新型コロナで露呈したのは、民主主義の限界、自由主義経済あるいはグローバル経済の限界だ。
感染拡大を抑制するために、人々の自由を奪うロックダウンをしたり、経済を止めたりした。皮肉にも民主主義を尊重しない中国が、もっとも強制力の強いロックダウンをすることで、一定の成果を上げている。

今後は、国や地域の中に引きこもる社会になっていくように思う。テレワークが普及すれば、個人は家に引きこもることにもなるのだろう。
閉鎖社会の到来だ。

また、AIに関しては、楽観的すぎ。
むしろ、AIは監視や管理を強める役割を担うような気がする。AIは自分で考えるわけではなく、使う者の意図を反映するだけだ。AIがバラ色の未来を約束するわけではない。

新型コロナは社会の再構築を促すのではなく、為政者や大企業の思惑で社会を歪めていくように思う。
けっして明るくない未来が来るかもしれない。