21世紀は感染症の世紀になるのかもしれない。
新型コロナの終息はまだだが、次なる脅威が迫っているという記事。
なんと、致死率は30%を超えるらしい。
致死率30%超、スーパー耐性菌がコロナの陰で流行拡大の恐れ | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に猛威を振るうなか、あらゆる薬剤に耐性を持つこともあるスーパー(超多剤)耐性菌カンジダ・アウリス(Candida auris、カンジダ・オーリスとも)の感染が一部で拡大していると、医師たちが警鐘を鳴らしている。カンジダ・アウリスは特に院内感染で広がりやすく、今年はコロナ患者であふれる医療現場に大きな負担がかかっているためだ。
(中略)
2019年、世界保健機関(WHO)は薬剤耐性菌を人類の健康に影響を与える10大脅威のひとつに挙げ、今や簡単に治療できるようになった結核や淋病すらも制御できない世界へ逆戻りしてしまうのではとの懸念を示した。
世界的に家畜や人間の医療現場で抗菌薬を乱用したことが、スーパー耐性菌を誕生させたといわれている。だが、ワシントンD.C.にある疾病動態経済政策センター(CDDEP)の設立者で代表者のラマナン・ラクスミナラヤン氏は、気候変動によって真菌感染症が将来さらに拡大するだろうと予測している。
耐性菌については前にも触れたが、新型コロナよりもこっちの方がやっかいな相手だ。
ウイルスは細胞内に侵入しないと増殖できないが、細菌および真菌は適度な環境さえあれば自己増殖できる。生物として、より柔軟で強敵だ。
また、真菌は新型コロナのように呼吸器疾患ではないので、飛沫感染および空気感染はしないものの、今や三種の神器(マスク、消毒液、飛沫防止アクリル板)となったもののうち、マスクと飛沫防止アクリル板はまったく役に立たない。
アルコール消毒は有効だとされているが、これについても諸説あり、短時間の手指洗浄で有効とする説と、真菌の一種である白癬菌の場合は「0.1%次亜塩素酸ナトリウム液の場合は30分間の浸漬消毒,アルコールでは10分以上の浸漬消毒が推奨されています」という説がある。
現状のアルコール消毒は、チャチャッと手指にアルコールをかける程度で、それで本当に有効なのかどうか疑問ではあるのだが、10分アルコールに浸けるとなったら大変だね。
耐性菌対策として、マスクのような「目に見える対策」がないのが不安をあおるかもしれない。
私はマスクの有効性には疑問の立場なのだが、見た目の「やってます感」を出す意味では、マスクはパフォーマンスにはなっている。安心できるのなら心理的な意味はあるとはいえる。それが感染予防にはならないにしても。
耐性菌がやっかいなのは、すでにある治療薬が効かないこと。
効果のある薬を作り出さないと、対抗できない。しかし、その新しい治療薬が出てきても、さらに耐性を獲得してしまう可能性があり、いたちごっこが延々と続くことになる。
耐性菌がスーパー耐性菌になり、さらにウルトラ耐性菌になり、さらにグレート耐性菌になっていく。人間が課したハードルをクリアして、レベルアップしていく耐性菌だ。人間は自ら強力な敵を作っているともいえる。
細菌や真菌が薬剤に対する耐性だけでなく、アルコールに対しても耐性をつける可能性もある。
セラチア菌の一種は、消毒液の中でも生存できることが発見され、これがもとで院内感染がおきた事例があったという。
人々がせっせとアルコール消毒をしていると、皮膚に存在する常在菌がアルコールに対して耐性を身につける可能性がある。セラチア菌も本来は腸の中にいる常在菌なのだが、変異して耐性をつけ病因となったものだ。
消毒もできない、薬剤も効かない……となると、なすすべがなくなる。
予防策として、ひとつあるとすれば「使い捨て手袋」かな。
耐性菌は接触感染が主体なので、手で触れるのを防御する。しかし、手袋していても、それ以外の皮膚が耐性菌に接触すれば意味はないが。
▼使い捨てニトリルグローブ
来年以降、もしスーパー耐性菌の大流行が発生するとしたら、みんながこの白手袋(青いのもある)をするようになるのかもしれない。
みんながマスクをしているのも異様な光景だが、みんなが白手袋をしているのも異様だ。
異様が日常になっていくのかもね。
致死率30%は、恐ろしく脅威になる。
インフルエンザなみに1000万人が感染すると、300万人が死に至る。
しかも治療薬はない。
そんな未来は来て欲しくない。