南アで新たなコロナ変異株…次なる強敵か?

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南アで新たなコロナ変異株…次なる強敵か?

コロナ(COVID-19)が手強いのは、生存に有利となる変異を次々と起こして進化し続けていることだ。
インフルエンザウイルスも変異はするが、ここまでしぶとくはなくて、冬の1シーズンだけで終息していた。
それに対して、COVID-19は変異することで生き残り続けている。

現在はデルタ株が勢力を拡大しているが、南米ではラムダ株が勢力を拡大している。
株の名前は、ギリシア文字から取られているので、デルタとラムダの間に、イプシロン、ジータ、イータ、シータ、イオタ、カッパとあるわけだが、それらはあまり話題になっていない。

ざっくりまとめた表があった。

新型コロナウイルス感染症(変異株)のまとめ

新型コロナウイルス感染症(変異株)

ウイルスも生物(生物の定義は諸説ある)なので、生存戦略として変異を繰り返す。
偶発的な変異だとしても、それが有利に働くのなら、その変異が生き残る。約2週間で変異を起こすというトライ&エラーで、最適解を探すAIと同じような方法だ。

そんな新たな変異株が南アフリカで検出されたという。

南アで新たなコロナ変異株、感染力など調査中 WHOに報告 | ロイター

[ヨハネスブルク 30日 ロイター] – 南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出され、科学者らが研究を進めている。感染力が強いかどうかやワクチン接種や過去の感染によって得た免疫が効かない可能性などは、まだ分かっていない。

(中略)

この変異株には、他の変異株に見られる感染力の高まりや、中和抗体に対する感受性の低下に関連する変異パターンが多く含まれている。だが、これらが変異ウイルスの動向にどう影響するかは、まだ分かっておらず、抗体によってどの程度中和されるかを調べるために研究室での実験が進められている。

感染症の専門家で、C.1.2型に関する研究の執筆者の1人であるリチャード・レッセルズ氏は、新たな変異株の出現は「パンデミック(世界的大流行)の終わりがまだ見えず、ウイルスが感染力を高める方法を依然として模索していることを示している」と述べた。

この株は、ミュー、ニュー、クシーあたりになるのかな?
こんな調子で変異が続くと、ギリシア文字では足りなくなりそう。来年の今ごろは、オメガ株とかいってそうだし。

ウイルスを単体として扱っている現在だが、それはちょっと違うのではないかと思っている。
微小生物は個体としては別々だが、群体としてひとつの生物のように振る舞うものがある。
粘菌の集合体などが、それにあたる。
粘菌は個体が勝手に活動しているようで、じつは相互に連携してある目的を達成するために動く。そこには個体間の情報交換が成立していると思われる。

ウイルスの立場から世界を見れば、感染可能な宿主……ここでは人間が、培地であり増殖のための媒体になる。牛にとっての牧場みたいなものだ。
ウイルスサイズから人間を見たら、人間にとっての地球くらいのサイズだ。宇宙から丸い地球を見ても、地上に暮らす人間は見えない微小なものだ。それと同じ。

粘菌はある一定量のコロニーを形成する。人間もまた、町や都市というコロニーを形成する。
人間は自由意志で行動していると思っているが、じつのところ集団としては粘菌と大差ない行動をしている。個々に人格を持つ人間でも、大きな集団は群れあるいは群体として連動してしまう。それを大衆や世論として、ひとつの塊のように捉える考えかたにもなっている。

ウイルスも同様に群体として行動しているのではないか?
首都圏が感染拡大の台風の目となっているのは、日本で最大の人口密集地であるからだ。ウイルスにとっては、餌が豊富な牧場なんだ。
東京のコロナウイルス群体を、「東京群体」と仮称する。
鉄道や道路などの交通網は、体でいえば血管だ。東京群体は、その血管を通って他の培地へとガン細胞のように転移していく。各都道府県の人口密集地へと転移すると、それぞれで群体を形成する。大阪群体、名古屋群体、福岡群体……というように。

ウイルスも生物なので、無限に増殖できるわけではない。
増殖限界は必ず訪れる。
ウイルスは人の細胞内で分裂によってクローンコピーしていくわけだが、変異を起こすと同時に劣化もしていくと思われる。遺伝子はデジタルコピーではないんだ。

デルタ株の東京群体は、勢力拡大のピークを迎えて、衰退期に入ったようだ。
これは私の予想通りの展開
ただし、転移した先の群体はまだ勢力拡大を続けている。それが全国への広がりだ。

そして、東京では水面下でラムダ株がデルタ株と置き換わる機会をうかがっている。
ワクチンは重症化を抑制することはできても、感染そのものは抑制できないとの報告があるので、感染者は出続けると予想される。つまり、ウイルスは変異を続けられるということだ。

変異をすることで弱毒化するとの楽観論もあったが、COVID-19は強毒化する方向を選んだようだ。その方が生存率が高くなると、トライ&エラーで導き出したのだろう。なにしろ、感染対象の人間の数は75億人あまりいるのだから、宿主には困らない。

抗生物質を使うことで耐性菌が出現したように、ワクチンを接種することで、より強力なウイルスの出現を招いてしまうかもしれない。
ワクチンが無効化されたら、対抗手段は極めて限られることになる。
SFだったら、ウイルスで人類絶滅……というシナリオだ。
そうならないことを祈ろう。

 

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