いつの時代も、言葉はその時代で変化する。
なにが正しいかは、どれだけ一般化し、使われ続けるか、による。
廃れてしまえば、一過性のもので終わる。
で、こんな記事。
小文字:10代女子に流行、難解・新表記 ネット時代の自己表現!?-家庭:MSN毎日インタラクティブ
「ゎたしゎ、きょぅゎ部活がなぃの」「ぁたしゎ、中一です」--。女子児童や女子中高生同士がやりとりする携帯メールやインターネットの掲示板で、一部の文字だけを小さく記す文章が目に付くようになった。「小文字」と言われ、どの文字を小さくするのか、独自のルールもあるらしい。子どもたちがキーボードを操るようになって登場したユニークなスタイルだが、「間違った書き方じゃないか」と眉(まゆ)をひそめる大人もいるようだ。
なにが間違っているかは、なにを基準にするかによる。
基準は「広辞苑」なのか?……というと、必ずしもそうでもない。
ある漢字で、意味は似ているがどちらを使うか、迷うことがある。
たとえば「言う・云う」「聞く・訊く」
小説では頻繁に登場する単語だが、広辞苑では併記してあって曖昧だ。どちらを使っても厳密な間違いとはいえない。
そういう場合には、類語辞典を参照するわけだが、類語辞典でも辞典によって使い分けは統一されていない。
若い世代の日本語がおかしいと指摘されることが多いが、大人の文章でもおかしなことは少なくない。
たとえば、ある業界特有の表現。
保険業界のパンフレットを作っていると、送りがなのおかしな単語がいくつも出てくる。
申し込み→「申込」
繰り入れ→「繰入」
払い込み→「払込」
……等々。これらは頻繁に出てくるものだが、送りがなを省略するケースは多い。
また、「お金」「お申込」といった、尊敬語となる接頭語が、事務的な文章の中に交じっていて、違和感があったりする。
さらには、「です。ます。」調の語尾と「である。」調の混在なども珍しくない。
基本は無視され、業界特有のルールで書かれているのだ。
これが正しい日本語なのだろうか?
変な日本語と言えば、政治家の答弁も、あからさまにおかしい。
安倍首相は教育問題を大きな政治課題に挙げていたが、当の本人の演説は、主旨がわかりにくく、曖昧で質問に明確に答えていない。その不誠実さ、不正確さは、教育問題の抱える本質に通じる。
態度や主張をはっきりさせるというのは、教育の基本だと思うのだが。