前にも似たようなことは書いたような気がするが……
マスメディアが操る社会の風潮についての記事。
Business Media 誠:窪田順生の時事日想:「消費税をあげたら自殺率もあがる」ってホント? メディアの罪に迫る (1/3)
今回の増税に対してさまざまな意見をチェックしていたら、「消費税を上げたら自殺者が増える。野田首相は人殺しだ」みたいな主旨を訴えている方が意外と多いことが分かった。
(中略)
消費税増税議論があがってから、メディアは繰り返し繰り返し何度もこのような人々の声を報じている。意識していないが、これは「アナウンス効果」という立派な情報操作のテクニックのひとつだ。つまり、「増税」が人を殺すわけではなく、正確に言えば「増税したら死ぬしかない」という報道が人を死に誘っているわけだ。
(中略)
町工場の「死にそうだ」という悲鳴を取り上げては、これぞ社会正義だと流しているメディアは、そろそろ自分たちが操っているものの「本当の力」をちょっとは意識した方がいい。
まったく同感。
この論法でいけば、
「原発を止めたら自殺者が増える」
「タバコを値上げしたら自殺者が増える」
「TPPに参加したら自殺者が増える」
「健康保険料を値上げしたら自殺者が増える」
「生活保護の基準を厳しくすると自殺者が増える。某芸人のせいだ」
……という理屈でも成り立ちそうだ。
記事中にも書かれているが、因果関係を明確に特定することができないから、「風が吹けば桶屋が儲かる」のようにバタフライ効果になってしまう。
無関係ではないにしても、主因にはならない。
ある衝撃的な犯罪事件が起きると、それについて繰り返し報道される。すると、似たような事件が連続する。そうした模倣犯も、メディアの報道によって誘発されているといえる。
先日、NHKだったと思うが、問題になっている脱法ハーブについて特集していた。
その番組の中では、ご丁寧に脱法ハーブの製造方法から、元となる薬剤の入手方法まで解説していた。あれを見た犯罪者予備軍は、そんなに簡単に作れるのなら、自分も作ってみようと思うだろう。
はっきりいって、報道する側は「バカ」だ。
犯罪を助長してどうするんだ?
メディアは報道の自由などと大儀をかざすが、メディアは情報操作を可能にする権力者でもある。
民主党が政権交代を実現したことの背景には、当時のメディアが民主党が次の政権を担うと煽ったからでもある。投票した人たちは、その報道の流れに乗せられたともいえる。
現在の政治の混乱の種をまいたのは、メディアが民主党を推したからだといえないか?
「消費税をあげたら自殺率もあがる」という論理からいえば、「メディアが民主党を支持したから、日本は政治的・経済的な窮地に落ち込んだ」と関連づけることも可能だろう。
人気のニュースキャスターは、世論や社会を煽動している張本人のような気がする。