ダークマター地図が示唆する宇宙論の謎?


ダークマターと聞いて「ワクワク」する人は、天文ファンかSFファンだろう。
見えないけれども、宇宙の大半を占めている謎の存在であるダークマター。
直接観測はできないものの、間接的に捉えることでその分布の様子が示された……という記事。

観測成果 – かつてない広さと解像度のダークマター地図 – すばる望遠鏡

国立天文台、東京大学などの研究チームは、すばる望遠鏡搭載の超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam を用いた大規模探査観測データから、重力レンズ効果の解析に基づく史上最高の広さと解像度を持つダークマターの「地図」を作成しました (図1、)。この「地図」からダークマターの塊の数を調べたところ、最も単純な加速膨張宇宙モデルでは説明できない可能性があることがわかりました。加速膨張宇宙の謎を解き明かす上で新たな知見をもたらす成果です。

(中略)

ダークマターの3Dマップ

図4: 背景銀河の奥行き情報 (赤方偏移) と組み合わせ、弱重力レンズ効果を利用して推定したダークマターの3次元分布図。(クレジット:東京大学/国立天文台)

この食い違いは何を意味するのでしょうか?宇宙マイクロ波放射ではほぼ宇宙が誕生した直後を観測しています。この時の温度揺らぎの大きさが物質 の密度ゆらぎの種になり、これが膨張宇宙の中で成長してダークマターの塊が形成されていきます。宇宙マイクロ波放射の温度揺らぎの大きさと宇宙モデルを決 めるとダークマターの塊の個数を予測できますが、これが観測と違うということは仮定している宇宙モデルである LCDM に「ほころび」があるということを示唆します (注1)。

今回の結果は観測計画全体の 16% のデータに基づくものなので、まだピークのサンプル数が少なく誤差がやや大きいことに注意しなければなりません。銀河形状の2点相関関数を用いた、より詳 しい解析を現在行っています。またプランク衛星の観測結果も今後更新される可能性があります。これまでに LCDM が高い精度で棄却されたことはありませんが、この問題は大きな関心を集めていますので、データの食い違いをより高い優位度で検証するためにさらなる観測の 進捗が必要です。

わりとかみ砕いた表現で書いてくれているものの、宇宙についての基本的な知識がないと、ちんぷんかんぷんかもしれない(笑)。

これって、ワクワク、ゾクゾクしない?
遙かな宇宙に、ポーーンと意識が飛んでいくような錯覚を起こしてしまう。
ちょっとした目眩すら覚える。

ダークマターの正体はわかっていないが、それは私たちの周りにもあるはずなんだ。
、そして太陽系は、ダークマターのスープの中に浮かんでいるクルトンみたいもの。クルトンの視点から見れば、まわりはスープで満たされているのだが、それが見えない物質でできているというわけ。

中間発表的な観測結果なので、この結果をもって、宇宙のLCDMモデルが崩れるわけではないが、「ん? ちょっと待てよ」ということにはなりそうだ。
LCDMモデル:宇宙の大規模構造形成は、宇宙初期に Cold Dark Mater(冷たい暗黒物質)に植え付けられた微小な密度揺らぎが、重力によって成長してできあがったとされる。Lはラムダの頭文字で、Λ-CDMモデルと表記されることもある。

ダークマターを直接的に観測しているのではないこと。
重力レンズ効果が観測できる範囲での、間接的観測であること。
それらのことから、おそらく観測されていないダークマターがあるだろうこと。
たとえるなら、解像度の粗い画像を見て、写っているものが何であるかを特定できない感じ。

ダークマターが見えないのは、ダークマターが通常物質と相互作用しないため、相互作用の結果として放出する「光」を発しないためだ。ここでいう光とは、可視光だけでなく、あらゆる波長の電磁波。
ダークマターの正体が不明なので、どういう性質を持っているかは、提唱する理論によって異なる。質量はあるので重力としての作用はするが、それ以外の相互作用をまったくしないのかどうかも確定的ではない。

理論上のダークマター候補とされる、ニュートラリーノ、アクシオン、ダークフォトンなどは、粒子として考えられている。粒子であるなら、通常物質と衝突すれば、なんらかの反応はするだろうと仮定して、スーパーカミオカンデでのXMASS(エックスマス)実験が行われている。しかしながら、いまだ発見には至っていない。

ダークマターが粒子ではないとしたら?……などと、SFファンの私は思ってしまうわけだ(笑)。
たとえば、「質量を持つ空間」とか。
あるいは、「質量を持つ静的なエネルギー」とか。

いつかそれらの謎の解明はできるのだろうが、私が生きているうちにその答を知ることはないのだろう。
知りたい!
知りたいなー(笑)

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