ダークマターに関する記事

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 宇宙の構造や進化の過程は、まだまだ謎が多い。
 それだけいろいろと想像できるわけだし、SFとしてネタにするときに、どの理論をベースにするかで、違った宇宙ができあがる。
 そんなヒントになる記事。
アストロ・アーツ:闇から浮かび上がった大規模構造:ダークマターの広域分布を初めて測定

注目すべきは、今回明らかになったダークマターの分布が、目に見える銀河の分布とほぼ同じである点だ。銀河は、まさにダークマターの密度が大きくなっている領域に集中して存在している。銀河や大規模構造は物質が重力で集まることで形成されるが、「目に見える物質」だけを想定すると、現実よりも時間がかかってしまう。そのため、まずダークマターのかたまりが存在して、そこに「見える物質」が引き寄せられたとするモデルが有力視されていた。今回の観測結果は、このモデルを強く裏付けるものといえる。

ダークマターの3次元マップ

今回明らかにされたダークマターの3次元マップ。左手前が近傍の宇宙であり、右奥ほど遠い。一番右奥は約80億光年の距離に相当し、そこでは2.7億光年(84Mpc)四方の領域を見ていることになる。クリックで拡大(提供:Joshua Bloom & Daniel Perley/UC Berkeley)

 関連した記事の中では、アストロ・アーツのニュースがもっとも専門的な書き方になっている。
 専門サイトならではの利点だが、他の記事にも注目する点がある。

 それが、産経新聞の記事。
Yahoo!ニュース – 産経新聞 – 銀河育てた暗黒物質 分布ほぼ一致、仮説裏付け

 初期の宇宙では、重い暗黒物質同士が重力で引き合って密度にムラができ、その後、密度の高い場所に普通の物質が引き込まれ、銀河が形成されたと考えられている。研究チームは、1980年代に提唱されたこの仮説を具体的に検証した。

 宇宙の全エネルギーのうち、人間の目に見える普通の物質は約4%に過ぎない。残りは約23%が暗黒物質、約73%が「ダークエネルギー」と呼ばれるもので、いずれも正体は不明。暗黒物質は「超対称性粒子」という未知の素粒子の可能性が指摘されており、その実体が分かれば宇宙論に画期的な進展をもたらす。

 記事として書くには、どこまで情報を整理して、どういう視点で書くかが問われる。
 全文は、大元になっている研究発表を見ればいいわけだが、それではニュースにならない。

 そういう意味では、産経の記事が、短い中にも興味をそそられる書き方がされていた。
 引用した部分は、アストロ・アーツ・ニュースにはない部分で、「超対称性粒子」という単語が目を引く。
 「超対称性粒子」とはなんだろう?……と、次の好奇心がわく。
 それを調べてみるのも面白いものだ。

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