世界保健機関(WHO)は、菜食主義を推奨しているのだろうか?……と思えるような記事。
「加工肉の発がん性」WHO組織が正式に認定 ≪ WIRED.jp
世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)はこのほど、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉を、「人に対して発がん性がある」とする「グループ1」として正式に指定した。
IARCは、牛や豚、羊などの赤肉も、「人に対しておそらく発がん性がある」とする「グループ2A」に分類した。
記事の見出しが「加工肉」となっているが、「牛や豚、羊などの赤肉」もレベルは低いが発がん性の分類に入っている。
ま、早い話、ガンになりたくなかったら、「肉を食うな」ってことだよね。
肉食がメインの欧米では、酷な話。
かといって、肉の需要が極端に減るとも思えないけど。
グループ1の発がん性リスクのリストを、wikipediaで参照すると……
種別 名称 備考 化学物質 アフラトキシン (Aflatoxins) 通常は混合物 4-アミノビフェニル (4-Aminobiphenyl) ヒ素およびヒ素化合物 (Arsenic and arsenic compounds) 個々の物質ではなくグループとして評価 アスベスト (Asbestos) アザチオプリン (Azathioprine) ベンゼン (Benzene) ベンジジン (Benzidine) ベリリウムおよびベリリウム化合物 (Beryllium and beryllium compounds) グループとして評価 クロロナファジン (N,N-Bis(2-chloroethyl)-2-naphthylamine; Chlornaphazine) ビス(クロロメチル)エーテルとクロロメチルメチルエーテル (Bis(chloromethyl)ether and chloromethyl methyl ether) 工業用試薬 ブスルファン (1,4-Butanediol dimethanesulfonate, Busulphan, Myleran) カドミウムおよびカドミウム化合物 (Cadmium and cadmium compounds) グループとして評価 クロラムブシル (Chlorambucil) メチル-CCNU(セムスチン) (1-(2-Chloroethyl)-3-(4-methylcyclohexyl)-1-nitrosourea, Methyl-CCNU; Semustine) 抗癌剤 六価クロム化合物 (Chromium[VI] compounds) グループとして評価 シクロスポリン (Ciclosporin) 免疫抑制剤 シクロホスファミド (Cyclophosphamide) 抗腫瘍剤 1,2-ジクロロプロパン (1,2-Dichloropropane) Type3からType1へ昇格 ジエチルスチルベストロール (Diethylstilboestrol) エプスタイン・バール・ウイルス (Epstein-Barr virus) エリオナイト (Erionite) 酸化エチレン (Ethylene oxide) Type2AからType1へ昇格 エトポシド (Etoposide) – シスプラチン (Cisplatin) – ブレオマイシン (Bleomycins) 併用時 抗腫瘍剤 ホルムアルデヒド (Formaldehyde) γ線照射 ヒ化ガリウム (Gallium arsenide) 半導体 ヘリコバクター・ピロリ感染
(Helicobacter pylori, infection with)B型肝炎ウイルスの慢性感染 (Hepatitis B virus, chronic infection with) C型肝炎ウイルスの慢性感染 (Hepatitis C virus chronic, infection with) ウマノスズクサ属の植物を含有する薬草療法 (Herbal remedies containing plant species of the genus Aristolochia) HIV-1ウイルスの感染 (Human immunodeficiency virus type 1, infection with) ヒト-パピローマウイルス16型の感染 (Human papillomavirus type 16, infection with) ヒト-パピローマウイルス18型の感染 (Human papillomavirus type 18, infection with) ヒトT細胞白血病ウイルス1型の感染 (Human T-cell lymphotropic virus type I, infection with) メルファラン (Melphalan) 抗腫瘍剤 メトキサレンと紫外線-A照射 (8-Methoxypsoralen, Methoxsalen) 尋常性白斑治療剤 MOPPと他のアルキル化抗腫瘍剤の併用療法 抗腫瘍剤 マスタード・ガス (Mustard gas, Sulfur mustard) 2-ナフチルアミン (2-Naphthylamine) β-ナフチルアミン とも 中性子線 (Neutrons) Type2BからType1へ昇格 ニッケル化合物 (Nickel compounds) グループとして評価 更年期以降のエストロゲン療法 (Oestrogen therapy, postmenopausal) 非ステロイド性エストロゲン様物質 (Oestrogens, nonsteroidal) 個々の物質ではなくグループとして評価 ステロイド性エストロゲン様物質 (Oestrogens, steroidal) 個々の物質ではなくグループとして評価 タイ肝吸虫の慢性感染 (Opisthorchis viverrini, infection with) 経口避妊薬の組合せ (Oral contraceptives, combined) 個々の物質ではなくグループとして評価 経口避妊薬の常用 (Oral contraceptives, sequential) リン-32標識リン酸 (Phosphorus-32, as phosphate) プルトニウム239と放射壊変物のエアロゾル (Plutonium-239 and its decay products, as aerosols) プルトニウム-240と同位体も含む ポリ塩化ビフェニル (Polychlorinated biphenyls) Type2AからType1へ昇格 放射性ヨウ素(131Iを含む)被曝 (Radioiodines, short-lived isotopes, including iodine-131, (exposure during childhood)) 原子炉事故あるいは核兵器爆発で発生 α線放射核種の内部被曝 (Radionuclides, a-particle-emitting, internally deposited) 個々の物質ではなくグループとして評価 β線放射核種の内部被曝 (Radionuclides, b-particle-emitting, internally deposited) 個々の物質ではなくグループとして評価 ラジウム224と放射壊変物 (Radium-224 and its decay products) ラジウム226と放射壊変物 (Radium-226 and its decay products) ラジウム228と放射壊変物 (Radium-228 and its decay products) ラドン222と放射壊変物 (Radon-222 and its decay products) ビルハルツ住血吸虫への感染 (Schistosoma haematobium, infection with) 石英結晶 (Silica, crystalline) cristobalite粉塵の吸引 太陽光曝露 (Solar radiation) 紫外線による アスベスト様繊維を含むタルク (Talc containing asbestiform fibres) タモキシフェン (Tamoxifen) 抗腫瘍剤 2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン (2,3,7,8-Tetrachlorodibenzo-para-dioxin) Tyype2AからType1へ昇格
ダイオキシン類の一つチオテパ (Thiotepa) トリウム232トレーサーの静脈投与と放射壊変物 (Thorium-232 and its decay products, administered intravenously as a colloidal dispersion of thorium-232 dioxide) トレーサーとしてのトリウム-232二酸化物コロイド トレオサルファン (Treosulfan) トリクロロエチレン (Trichloroethylene) Type2AからType1へ昇格 塩化ビニルモノマー (Vinyl chloride) X線照射 混合物 アルコール飲料 (Alcoholic beverages) 加工肉 (Processed meat, consumption of) ハム、ベーコン、ソーセージなど[1] フェナセチンを含む鎮痛剤 (Analgesic mixtures containing phenacetin) ビンロウジュの実 (Areca nut) タバコと併用のビンロウジュ噛み (Betel quid with tobacco) タバコなしのビンロウジュ噛み (Betel quid without tobacco) コールタール残渣 (Coal-tar pitches) コールタール (Coal-tars) 未処理あるいは粗処理の鉱油 (Mineral oils, untreated and mildly treated) 中国式塩蔵魚 (Salted fish, Chinese-style) シェール油 (Shale-oils) 煤煙 (Soots) 無煙のタバコ製品 (Tobacco products, smokeless) 木工粉塵 (Wood dust) 環境 アルミニウム精錬従事 (Aluminium production) 飲料水中のヒ素含有環境 (Arsenic in drinking-water) オーラミンの製造に従事 (Auramine, manufacture of) 靴製造あるいは修理に従事 (Boot and shoe manufacture and repair) 石炭ガス製造に従事 コークス製造に従事 (Coke production) 木工家具製造環境 (Furniture and cabinet making) 赤鉄鉱地下採掘でのラドン被曝環境 (Haematite mining (underground) with exposure to radon) 受動的喫煙環境 (Involuntary smoking) 鉄の鋳造環境 (Iron and steel founding) 強酸プロセスによるプロパノール製造に従事 (Isopropanol manufacture, strong-acid process) マゼンタ染料製造に従事 (Magenta, manufacture of) 塗装専従環境 (Painter, occupational exposure as a) ゴム産業に従事 (Rubber industry) 硫酸を含む強い無機酸ミストに常時さらされる環境 (Strong-inorganic-acid mists containing sulfuric acid, occupational exposure to) タバコの喫煙 (Tobacco smoking) 紫外線を発する日焼けマシーン (UV-emitting tanning devices) 2009年7月29日にグループ1に追加。[2]
なんとも物騒な化学物質がたくさん並んでいる。
ここに「加工肉」が加わるということらしい。放射性物質と同じカテゴリなんて、なんだか、スゲー話。カテゴリの分類方法に問題があるように思う。
別記事にリスクの度合いが例示されていた。
英国では100人に約6人が一度は大腸がんにかかる。全員が終生、1日50グラム分のベーコンを追加摂取し続けた場合、大腸がんにかかる確率は18%上昇し、つまり発症リスクが100人中7人に上がるという。
リスク研究を専門とする英ケンブリッジ大学のサー・デイビッド・スピールゲルハルターは「つまり一生ずっとベーコンを食べ続ける100人の中で、大腸がんにかかる人が1人増えるわけだ」と説明する。
毎日ベーコンを食べる習慣は、日本人にはないと思うが、それでも100人に1人の確率はかなり高く見える。ハムのサンドイッチやハンバーガーばかり食べている人は要注意かもね。
うちの食卓事情からいえば、加工肉および肉は週に3~4日くらいかな。その肉も鶏肉が多いから赤肉の割合は少ない。私は肉より魚が好きなので、半分は魚だ。
わりと粗食というか貧乏メニューなので、量は少ないしカロリーも少ない。基本、1日1食で、晩飯になにを食べるか。
今晩のメニューは……
●刺身1パック(マグロ、サケ、タイ、貝類3種を各3切ずつ)
●ご飯(1合)
●味噌汁(マイタケと油揚)
……これだけ(^_^)。
計算すると約1000kcalだが、これで十分。成人の1日の摂取カロリーは、私の場合、推奨値が1742~2091kcalという計算が出てくるのだが、そんなに食えないって(^_^)b
→1日の摂取カロリーを計算!平均は1,800~2,200kcal|メディチェ
2000kcalも食ったら、確実に食べ過ぎ。それだけ食えば、そりゃ太るよ。
加工肉も赤肉も食べる量は少ないので、ほとんど影響はないと思う。
しかし、「発がん性がある」という情報をインプットされると、なんだか食べにくくなってしまう。
「これ、発がん性があるんだよね」などといって食べても、美味しくはない。
子どもはウインナーが好きだよね。
お弁当にウインナーは定番だった。
発がん性のまったくない食品なんて、あるのだろうか?
そこが疑問だ。
重々ご存知かとは思いますが、このカテゴリー分けは、発がん性の「確からしさ」であって、発がん性の「高さ」ではありません。どんなに発がん性が弱くても、それがあることが過去の研究から確実であれば、カテゴリー1です。加工肉は歴史的に、研究が数多くされていた(その意図はともかく)のは確かで、疫学データも多いのです。
まあ、確実性が高いのと、発がん性が高いのとは相関しそうではありますが、今回の発表は必ずしも加工肉の発がん性の強さを意味する訳ではありません。