変異株にどう対応するか?

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新型コロナの変異株が、予想通りに勢力を伸ばしてきた。
こうなることは予想できたのに、政府も行政もより効果が期待できる対策はしてこなかった。
国民に曖昧なお願いや自粛要請をするだけの他力本願だ。

【新型コロナウイルス】変異株46都道府県に拡大…日本の医療崩壊はアッという間|日刊ゲンダイDIGITAL

 8日の大阪の新型コロナウイルスの新規感染者数は905人。大半を変異株が占める現地の病床は深刻な事態だ。府の最新データからは、変異株の重症化リスクの高さがうかがい知れる。この先、全国に広がれば、あちこちで医療崩壊が起こるのは必至だ。

(中略)

日本政府は昨年12月にアストラゼネカとの間で6000万人分の供給を契約済み。うち4500万人分は熊本や埼玉で国内生産し、安定供給の切り札と期待されてきた。5月中にも承認の見通しだが、戦力になるかは怪しい。

アストラゼネカ製ワクチン

(中略)

8日18時32分に更新されたグーグルの感染予測(4月1~28日)によると、1日あたりの新規感染数は、4月15日に1万人を超え、28日には5万2843人と見込んでいる。この間の死者は8423人と、昨年からの累計9338人に匹敵する。

一体、どんな地獄が待っているのか。

別にGoogleの感染予測を当てにしなくても、予想できたことだけどね。
ただし、2021年1月時点でのグーグル感染予測では、

新型コロナ1月末まで陽性者数14万5152人 GoogleのAI予測

2021年1月13日現在、「COVID-19感染予測(日本版)」では、2021年1月10日から2021年2月6日の4週間にかけて、日本全国での陽性者数は23万4024人、死亡者数は4118人におよぶと予想されている。

実際はどうだったかというと、2021年1月10日〜2月6日までの新規感染者数は106,029人死者は2,197人だった。(資料はNHKのエクセルデータから
結果的に予想の約半分となった。AI予想は、かなり数値を多めに見積もっているようだ。

参照→ 新型コロナで社会の地殻変動は起こるか?(2021年1月13日)
この記事の中で、私は……
「第三波は、2月末くらいになれば沈静化するだろう」
「第四波が4月頃から盛り返してくるように思う」
「次の山は4〜5月、その次が8〜9月……と、続くように思う。」
……と予想した。
まぁ、ほぼ予想通り。AIを使わなくても、私でも予想できることなのに、専門家の先生方や政治家たちは予想できなかったのか?……と、そっちの方が問題。

新型コロナ、4か月サイクル説」で書いたように、変異株は4か月くらいのサイクルで入れ替わっていると思われる。この傾向は、アメリカでも同様になっている。

マンボウでは対策にはならない。
緊急事態宣言でもたいした効果は見られなかった。
じゃあ、どうするんだ?って話。
三度目の緊急事態宣言を出しても、感染拡大の抑制はできないだろう。そのことは、いいかげん学習した方がいい。二度やってダメだったものが、同じ方法の三度目でうまくいく根拠がどこにあるんだ?

しかし、それでも馬鹿の一つ覚えで、三度目の緊急事態宣言を出すつもりらしい。
ほかの記事でも書いたが、この状況は戦時中の日本によく似ている。本土を空襲されるたびに、防空壕に避難して、街は焦土と化す。対抗手段はなく、竹槍で敵を迎え撃つと根性論で国民を鼓舞した。

今は新型コロナで連日空爆されているようなもの。武器となるワクチンは乏しく、効果が限定的なマスクに頼るしかない。
そこに登場してきた感染力と重症化リスクが強い変異株は、大型爆弾のようなもの。
これまでの対抗策では、ますます防げない。
もっと強力な対抗手段が必要なのは明白。

前々から何度も提案しているが、いよいよ「電車を止める」「外出自粛の強い要請」を実行しないといけないのではないか?
移動の自粛をお願いしても、強制力がないのだから、止めることは無理。
また、会社が動いている限り出勤しなくてはいけないのが、サラリーマンの宿命だ。

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」には、以下のようにある。

(3)まん延防止
1)外出の自粛(後述する「4)職場への出勤等」を除く)
特定都道府県は、法第 45 条第 1 項に基づき、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛について協力の要請を行うものとする。特に、20 時以降の不要不急の外出自粛について、住民に徹底する。なお、その際、不要不急の都道府県間の移動や、感染が拡大している地域への不要不急の移動は、極力控えるように促す。

(中略)

4)職場への出勤等
① 政府及び特定都道府県は、事業者に対して、以下の取組を行うよう働きかけを行うものとする。

  • 職場への出勤は、外出自粛等の要請の対象から除かれるものであるが、「出勤者数の 7 割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を更に徹底すること。
  • 20 時以降の不要不急の外出自粛を徹底することを踏まえ、事業の継続に必要な場合を除き、20 時以降の勤務を抑制すること。

文章としては曖昧だが、外出自粛を要請することは可能になっている。命令はできないが、命令に近い強い要請はできるはず。

現状は、飲食店だけに時短が要請されているが、一般の会社に対しても20時以降の勤務の抑制を要請できるようになっている。しかし、それは実行されていない。

そうしたことを一挙に解決する有効な手段が、「電車を止める」ことなんだ。
お願いするだけでは不十分。移動手段を止めてしまえば、人の移動は激減する。
それをやる覚悟と決断ができるかどうか。

とはいえ、批判と不満が殺到するのだろうから、政治家はやりたくないだろうね。
つまり、感染拡大は止められず、新型コロナで死ぬ人が、これからも出てくる。
人々にできるのは、自分が感染の当たりくじを引かないように祈るだけだ。

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