男たちはこわがっていないのか?

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根拠のない憶測は、ときに危険だ。
発信力のある人が、そういう憶測を流すと、それがあたかも真実のように受け取られてしまう。
以下も、そんなツイートだ。

日本の男の半数以上はCOVID-19をこわがっていない」という根拠はどこから出てきているのか?
そのデータソースが示されていない。
それは小田嶋氏の憶測であり、思い込みにすぎない。
断定できる調査等があるのだろうか?

こういう根拠のない論法は、デマと同じだ。
始末に負えないのは、氏は自分の主張が正しいと思っていることだろう。
自分こそが正義だといわんばかりに感じる。

さらに、「彼らがコロナをこわがっていない自分を「豪胆」で「冷静」で「男らしい」人物だと思いこんでいることだよ。」と結論づけている。
どういう因果関係でそうなるのか、まったく不明。
これでは「風が吹けば桶屋が儲かる」の論法になってしまう。

そもそも、なぜ対象が男限定なのか?
ここで「女は……」という書き方をすると、女性差別といわれるだろうが、男を侮辱しても性差別とはいわれないという、性差別ギャップが背景にあるようにも思う。
だからって、男は侮辱してもいいという理屈にはならないのだが。

小田嶋氏のコラムはよく読んでいるのだが、氏は男に対して辛辣というか、かなり攻撃的(^_^)b
氏はそれを「マッチョな人たち」と揶揄していたりするが、強い男、あるいは男らしいといわれるマッチョに対してコンプレックスがあるのか、憎しみを込めているように感じられる。
私から見ると、氏自身もけっこうマッチョな発言をしていると思うけどね。
氏の捨て台詞が「うっせー、バカ」だったりする。

「こわがっていない男たち」というが、ほぼ全員マスクはしている。マスク着用率は99%以上だからだ。
こわがっていないのなら、マスクなんかしなくてもよさそうのものだ。
男の半数以上がマスクをしていないのなら、氏の論法は成立するが、そうはなっていない。
マスク着用の理由が同調圧力だとしても、豪胆でも同調圧力は恐れているわけだ。

余談だが、ちょっとした実態調査をしてみた。
西武池袋線の池袋駅の改札前で、妻と待ち合わせしているときに、参考までに通行人を撮影していた。

iPhone XRで4Kビデオでの撮影だ。
2分09秒の撮影で、改札を通過する人たちのマスク着用状況をカウントした。こういうとき、4Kの解像度は役に立つ。

  不織布マスク ウレタンマスク 布マスク ノーマスク
 
  170 101 65 21 13 5 0 1
271 86 18 1

通過した総人数は、376人。
効果がほぼゼロの、ウレタンマスクと布マスクの合計が、104人。
ウレタン・布マスク着用率は、約27.7%……となった。
マスクなしは1人だったので、全体のマスク着用率は99.7%となる。

効果のないマスク着用率が約27.7%、3割近くいるので、マスクで予防するとしたら、この比率は多い。マンボウが発動されても、相変わらずマスクの種類については規制していないのだから、効果が出ないのは必然だろう。

このウレタン・布マスク着用者が、効果がないことを承知していて、見せかけだけのマスクをしていると仮定すると、この人たちが氏のいう「こわがっていない人たち」ともいえる。
その仮定に立つと、男の半数ではなく、男の33%、女の20%が豪胆な人たちということになる。
ようするに、男だけの問題ではないということ。

若者が悪者扱いされてきたが、「感染拡大の主犯は若者ではなかった」で触れたように、実態は若者が主因ではなく、高齢者が感染経路の多くを占めていた。
これも思い込みや先入観だ。若者を悪者にすることで、わかった気になっていたのだ。

小田嶋氏はトランプ元大統領を痛烈に批判していたが、右か左かの違いは別にして、思い込みで特定のカテゴリの人々を侮辱するのは、トランプがやっていたことと同じだ。
そこまで断ずるのであれば、その根拠となるデータなり調査なりを示すべきである。

 

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