白い犬とキノコの家族対決

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 架空の家族の戦いの舞台がある。
 「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」
 それはオワコンとも揶揄される、テレビの中の戦い。

【株主総会ライブ】NTTドコモ(2) 「お父さんに完全に負けている」とCM改善要求 – SankeiBiz(サンケイビズ)

 株主の質問 テレビCMをもっと面白くできないのか。ソフトバンクの白い犬「お父さん」に完全に負けている。「ドコモダケ」は引退させるべきだ

 坪内和人副社長「『白い犬』に食われている部分はあるが、精一杯頑張っている。当社は通信事業者として『人と人のつながり』をテーマに、特に家族とに的を絞ってCMをしてきた。ドコモダケもどんどん家族が増えている。その辺を理解して頂きたい」

ソフトバンクCM

 2つの家族は、「家族」というキーワードは共通しているものの、まったく異なった家族像だ。

 犬がお父さんの家族には、人種や生物として種を超えた兄弟や親戚がいる。彼らの家族の概念は、超未来的だ。
 つながりがあれば、家族みたいなもの。
 人類、動物、宇宙人、みな家族(のようになれる)。
 デヴィッド・ブリンもびっくりの、SF的家族だ。
 包容力は宇宙規模。
 ちょっとばかり、つながりにくいときもあるが、包容力はあるから許してちょうだい。ジョブズの魂をいち早く注入したのは、この家族なんだ。
 当初は、こんなにシリーズ化することは想定されていなかったと思うが、飽きさせることなく続いているのは、なにげにすごい。
 新しいキャラクターとして登場することが、このCMに出演するステータスにもなっているようだ。話題の人、多彩な顔ぶれが、お父さん家族に新たな価値を付け加えている。

「そもそも、なんで犬なんですかね?」
「日本では、猫より犬を飼ってる人が多いからな。主人に忠実というイメージもあるし」
「外国の犬種じゃなくて、日本の犬種なのも日本人的でいいですね」
「Appleが猫科だからな。ジョブズとも親交があった孫さんが、Appleが猫ならソフトバンクは犬と考えたのかもしれん。あくまで邪推だが」
「猫だと、自由奔放で気まぐれだから、通信会社としてはふさわしくないかもですね」
「まぁ、それも一理あるが、ソフトバンクは初期の頃はつながりにくいといわれていたからな。ある意味、気まぐれの猫的ではあった」
「たしか、猫バージョンのCMもありましたね」
「あったあった。猫好き以外には不評だったみたいだがな」
「猫だと、撮影で演技させにくい。いうこときかないし」
「おそらく、犬を起用したときは、ここまでヒットするとは予想しなかったと思う。今じゃ、ソフトバンクを象徴するキャラクターになったからな」
「瓢箪から駒ってやつですね」
「犬も歩けば棒にあたる」
「それって、災難に遭うという意味では?」
「そうでもないんだ。最近は、幸運に当たるという意味でも使われている」

 キノコの家族のドコモダケは、オヤジギャグから出発しているのが悲しい。
 当初は絵としてのキノコの擬人化キャラだったが、人間が演じる家族キャラ「ドコモ田家」に変わった。
 擬人化キャラは現在でも健在なのだが、人間が演じる「ドコモ田家」との連動性は乏しい。その連動性のなさ、古くささ、先見性のなさが、ドコモの体質を表しているようにも思える。
 キノコの帽子をかぶっただけのドコモ田家……。
 失笑というより、恥ずかしい。役者さんも、大変だね。
 見た目のインパクトがあるのは確かだが、それは最初だけで、二度目は見たくない。
 この家族の今後がどうなるかなんて、興味がわかない。
 看板が目について入ったラーメン屋で、量は多かったものの食べてみたら微妙な味で、食べたあとに後悔してしまった気分。
 ラーメンはラーメンなんだけど、あれはラーメンじゃねぇよ、みたいな。
 レビューサイトで、★1つをつけて、後悔の気持ちをつづる。

「ドコモダケは残念感がいっぱいに感じます」
「キノコじゃ、親近感がわきにくいからな」
「そもそも、なんでキノコなんでしょう?」
「本来は、ドコモだけのサービスや機能を訴求する、ポジティブなイメージだったんだ」
「なんだかんだいっても、日本のケータイ文化の下地を作ったことは間違いないですね」
「そうなんだが、だんだんとauとソフトバンクも対抗してきて、料金面やサービス面でもドコモだけとはいえなくなった。オヤジギャグから出発したが、だんだんとそのギャグが通じなくなった。時代に取り残されてしまったんだな」
「今では、iPhoneがないのはドコモだけになってますね」
「あはは、その自虐ネタはいいね」
「自虐ネタが、とうとう人間の役者さんをドコモダケにしてしまった」
「あれは、笑ってほしいんだろうけど、笑えない」
「スベリまくりですね」
「あのキノコのデザインは、椎茸とか松茸じゃなくて、毒キノコだろう」
「調べてみました。ベニテングタケというのに似てます。毒を持って毒を制す、ですかね?」
「きのこと名乗ったからにはかごに入れ」
「それ、なんですか?」
「ロシアのことわざで、やるなら徹底的にやれ、中途半端はやめろ、という意味だ」
「なるほど、ドコモダケはあとには引けないわけですね」
「しかし、株主から「引退させるべき」といわれるのも無理はない。これでは勝てないと思うからだ。会社側は継続させるという。路線を簡単には変えられない体質が、そのまま反映されている感じだ。だから、きのこと名乗ったからにはかごに入れ、なんだ」

「iPhoneが、まだ日本で発売されていなかった頃、ドコモからiPhoneが出るんじゃないかと噂がたくさんありましたね」
「あのとき、iPhoneを導入する英断をしていれば、日本のスマホ勢力図は大きく変わっていたはずだ」
「逆に、ソフトバンクの息の根を止められていたかもしれないですね」
「ドコモはずーっと転出超過になっているが、iPhoneを先に出していたら、ソフトバンクやauからどんどん転入していたはずだからな。独自路線に固執して、最大のチャンスを逃してしまった」
「ここまでiPhoneが売れるとは思わなかったんですね」
「それも無理はない。日本にはガラケー文化があって、iPhoneは異質だったから、日本では売れないと予想されたんだ」
「その象徴がドコモダケともいえますね」
「ドコモがiPhoneを出す……という噂は、たびたび出てくるが、いまだに噂の域を出ない。ドコモダケの引退が、iPhone登場の必須条件かもしれない」

「そういえば、auには家族キャラはいないですね」
「さすがに三番煎じは気が引けるのかもな。家族対象のサービスもあるが、どちらかというと独身男女がメインの顧客層みたいなイメージがある。今はそうでもないが、ガラケー時代はauを使うのは若者世代のイメージだった」
「剛力彩芽と巨人の星なんかでも、家族というより友だち同士や恋人同士みたいな感じですね」
「Oasisの名曲を使った気球の出てくるCMでも、主役は若者たちだからな。特定のキャラはいないが 、なかなかいいCMを作ってる」

▼au スマートバリュー 剛力彩芽 「求婚」篇

▼au 4G LTE 「PERFECT SYNC.」篇 90秒

「こうしてみると、CMって、その会社のイメージとか姿勢みたいなものが出てきますね」
「作ってるのは広告代理店と映像クリエイターなんだが、どういうアイデアでいくかのゴーサインを出すのは広告主の意思だからな」
「ドコモが変わるには、まずCMからってことですね」
「ドコモダケを、いつ引退させるかだな」

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