「あるある」のねつ造問題は、ほかにも広がりを見せている。
ZAKZAK「TBS「人間! これでいいのだ」捏造…ずさんな取材」

 2万ヘルツ以上の高周波の音「ハイパーソニック」を聞くと頭がよくなる-。受験シーズン真っ盛りの今月3日、TBS系情報バラエティー番組「人間! これでいいのだ」(土、午後7時~)で、受験生が泣いて喜びそうなタイトルが取り上げられた。ところが、番組の内容が捏造(ねつぞう)された疑いのあることが7日浮上した。

 「捏造報道」と断じた8日発売の「週刊新潮」によると、番組ではハイパーソニックを聞くとα波が出て、集中力や記憶力が高まると紹介。その根拠として、(1)千葉工大情報科学部の論文「可聴域を超えた高周波が脳に与える影響」(2)風鈴をつるして学習効果を高める学習塾(3)京大の大島清名誉教授の証言-の3点を挙げている。

 だが、取材は実にずさんだった。

 「あるある」の一件以来も、相変わらず健康番組や情報番組では、同じことが繰り返されている。
 それは、

『○○○は△△△に良い』

 という単純明快な図式である。
 それほど単純ならば、誰もがダイエットできるし、病気にならず、頭も良くなってしまう。
 昨日、ちらっとチャンネルを回していて目に入った、NHKの「ためしてガッテン」でも、同じ図式の展開をやっていた。
 どのテレビ局も、ぜんぜん懲りていないようだ。

 余談だが、NHKの科学番組は、情緒演出過剰で、引用する科学的根拠が偏る傾向にある。かつて、NHKスペシャルでいろいろと物議をかもした。それは、ねつ造ではないにしても、意図的な拡大解釈や歪曲だった。
 「プロジェクトX」でも、過剰演出、歪曲した作り方が問題になったのは、記憶に新しい。

 そもそも、なぜそうまでして、早急な結論に飛びつくのだろう?
 番組は30分~1時間。その時間内に、長年の問題が解決できるなら、世の中はもっと違ったものになっているだろう。
 番組を作る側も、見る側も、なにかの答え……「犯人捜し」をしているのだ。
 それが関心の高い健康問題だと、悪玉はなにで、善玉はなにかという、結果を欲する。それはまるで勧善懲悪の時代劇ではないか。

 そうか。
 健康番組の本質は、水戸黄門や大岡越前のような、善悪・白黒をはっきりつける、時代劇の爽快感なのだ。
 それゆえ、あっぱれな結論が出ると、皆が納豆に飛びつき、売り切れになってしまったのだ。
 たとえ、それでダイエットできなくても、長続きしなかった自分が悪いと思いこみ、次なる大岡裁きが出ると、別のものに飛びついてしまうことで、再び熱中する。

 そして、毎週毎週、少しずつ違うシチュエーションで、同じことを繰り返していく、ワンパターンの快感にはまってしまうのだろう。

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