労働意欲を大きく左右するのが、賃金。
 給料が上がれば、仕事に対するモチベーションは上がるだろうし、仕事の質の向上も期待できる。
 逆に、給料が下がれば、モチベーションは下がり、仕事に対する責任感も薄れる。
 賃下げは、経営が悪化した企業として最後の手段だけど、自らの首を絞めることにもなる。
 あのマクドナルドが賃下げするらしい。

業績悪化のマクドナルドがついに賃下げ トップとの格差に現場から不満の声|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 日本マクドナルドが4月から一部社員の基本給を引き下げ、新しい給与体系に移行させることが、週刊ダイヤモンドの取材で分かった。

 日本マクドナルドが、基本給に手を付けるのは初めて。関係者によると、4月以降、評価に応じて分けられた4つの等級のうち、上から3、4番目の社員を対象に、昨年の基本給から1~4%カットする。現在、会社側が社員への説明を始めている。

 これまで、業績いかんに関わらず基本給を引き下げることはなかったが、業績の悪化は底なしの様相を呈しており、手を付けざるを得なくなった。好業績を背景に、今春は多くの企業がベースアップを打ち出しているが、こうした流れに逆行した動きだ。

(写真キャプション)
3億円余りの退職慰労金などを受け取って退任した原田泳幸前会長。賃下げされる現場からは不満の声が上がる

 いよいよ末期症状なのかな?……と思う。
 「4つの等級のうち、上から3、4番目の社員を対象」というところが、ますます現場の士気は下がりそう。客離れだけでなく、従業員離れも誘発するのではないか。この差別は、会社にとって重要度が低い社員ということをつきつけたわけで、辞めてもいいよ、と肩たたきしているようにも受け取れる。遠回しのリストラなのかもしれない。

 製造業の大企業が賃上げに向かったのに対して、外食産業大手のマクドナルドが賃下げに向かうとしてら、少なからず他社にも影響しそう。中小企業が苦しいのは相変わらずだが、多少なりとも景気回復の気分が出てきているだけに、マクドナルドの賃下げは、その空気に水を差すかもしれない。

 関連して、昔のマクドナルドと最近のマクドナルドを比較した記事。

マック、失われた清潔感 なぜピカピカだった店舗がボロボロに? | ビジネスジャーナル

 絶不調の原因となったのは、周知のように中国工場期限切れ鶏肉使用問題や、次々と発覚した異物混入問題だが、今回は特に異物混入問題について触れたい。なぜなら、筆者が記憶しているマクドナルドのQSC(Quality:品質、Service:、Cleanliness:清潔)では起こりえないことだからだ。

 かつてのマクドナルドは営業が終了すると、清掃専用のキャスト(アルバイト)が店中をピカピカにして、徹底的に清掃を行っていた。客席やガラス窓、植栽など、あらゆるところまで手を抜くことなく清掃していたのである。厨房も同様。営業時間中は厨房のキャストが作業の合間にグリドル(ハンバーガーやバンズを焼く鉄板)をスクレーパーでこすっては焦げ付きを取り除いていたし、閉店後はマックシェイクの機械を分解して水洗いしていた。分解したまま乾燥させるので、朝イチのシェイクマシンの組み立ては、キャストが覚えるべき大切な仕事のひとつだった。

 だから、混入問題など起きなかったと断言するつもりはない。人間のやることだから、どこかでミスは起きていたはずだ。しかし、機械を分解・組み立てまでして清掃するというようなCleanlinessの意識をキャストに至るまで徹底させていれば、自然とミスは少なくなっていく。現在のように多発して大問題となるようなことはなかったはずだ。

●24時間営業の弊害

 では、そのようなセルフチェックの仕組みがなくなってしまったのはなぜか。理由はいくつか考えられるが、いちばん大きいのは24時間営業のスタートだろう。

(中略)

 その後、既存店のリニューアルが進み、また24時間営業における店舗管理技術などが構築されたこともあって、外見上はきちんとCleanlinessが保たれているように思える。しかし、以前のような「ここまでやるのか」と唸ってしまうほど徹底したCleanlinessの哲学は失われてしまったのであろう。仕組みも変わってしまったし、原田体制の下で、かつてのマクドナルドの良さを保ってきた社員や社員出身のFCオーナーも去ってしまった。だから、異物混入などが続出してしまう企業体質になってしまったのだろう。

 私はマクドナルドにいかなくなって久しいが、理由のひとつが店の雰囲気の変化だった。以前、よく行っていた頃の近所のマクドナルドは、従業員の対応はテキパキとしていて、活気に満ちていた。それがだんだんと緊張感のない雰囲気に変わっていった。彼らは彼らなりに真面目に仕事はしているのだろうが、モチベーションが低いことは見てとれた。
 行列ができる時間帯は、並ぶ人たちに対して並び方の整理をしたり、割り込みをしないように指示していたが、いつの頃からか行列を放置するようになった。列がぐちゃぐちゃになり、次が誰なのかわからないし、割り込んでも注意しなくなった。従業員は目の前の客に対応するのに精一杯で、行列のことまで目が向いていない。広い店舗であれば、ロープを張ったりできるが、狭い店舗では整然と行列を作るのが難しい。カウンターの前に団子状になってしまうのだ。
 そういう場面に出くわすと、もういいや……と、並ぶことをあきらめる。

 セットメニューの価格は、けっして安いわけでもなく、ビッグマックのセットで669円は、量と満足感からいえば同程度の価格の弁当より劣る。ビッグマックだけでは足りないから、もう1品追加していたので、1000円くらい。
 安月給なので、1日1食、1000円の節約生活をしているのだが、私の感覚からすれば、マクドナルドはちょっとした贅沢だった(^_^)b
 健康にはよくないといわれるジャンクフードだが、ときにはあのジャンクな味を味わいたいと思うこともあった。だが、長らく食べていないと、もうあの味はいらないかな……と思うようになった。最近は、質素に野菜中心の和風料理と味噌汁だ。料理は自分で作る。

 デフレ経済下での勝ち組ともいわれたマクドナルドだが、それは現場の疲弊をもたらしたともいえる。賃下げで、ますます現場は疲弊しそうだ。
 これが第二、第三の鶏肉問題や異物混入問題の遠因にならなければよいがと危惧する。
 賃下げされる社員の方は、ご愁傷様です。

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