日本マクドナルドはマクドナルドUKを見習えば?

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業績が苦戦している日本マクドナルド。
株主総会でも、株主からいろいろと苦言があったようだ。

株主総会で改善策も出せないマクドナルドのふがいなさ|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 60代の男性は、「今日の説明を聞いて駄目だと思った。カサノバ社長は、株主からの質問にも終始総論でしか答えない。各論は何もなかった。マクドナルドの株は売ることにしたよ」と言い残して、会場を後にした。

(中略)

どん底まで落ちてしまったマクドナルドの売上高。昨年7月の中国産鶏肉事件から、株主総会までは8カ月あり、改善策を練る時間は十分にあったはずだ。株主からは見放され、組合にも役員の退任要求を出される始末。経営陣がこのままの体制と姿勢では、消費者からの信頼を取り戻すのは至難の業。本格的にそっぽを向かれてしまうことになりかねない。

……と、この記事は書いているが、平穏だったという記事もある。

日本マクドナルド株主総会ほぼ平穏、今期業績予想は4月中旬に  – ロイターニュース – 経済:朝日新聞デジタル

同じ株主総会を取材して、この違いはなんだろうね。どこに焦点を当てるか、全体を見るか部分を見るかの違いでもある。
いずれにしても、改善策の特効薬は出ていないようではある。

一方で、英国のマクドナルドは好調だという。

【ルポ 世界のマック】安心・健康で英国は復活していた:日経ビジネスオンライン

健康・安全を切り口に英国のマックは復活した

今ではポテトの塩分は2003年比で4分の1となり、「塩なしポテト」まで選べる。全メニューからトランス脂肪酸を排除し、シェークの脂肪分も34%減らした。食材の産地は牛肉やポテトなどを中心に英国にこだわり、英国産比率は55%。卵は全て放し飼いの鶏から採っている。2013年、英国や欧州の外食やスーパーを揺るがした牛ひき肉への馬肉混入事件でも、マクドナルドUKは無傷だった。

こういう取り組みは、日本のケンタッキーフライドチキンと同じだね。

国産だから「安全」というお墨付きがつくわけではないし、国内でも食材偽装などの問題は起きている。であるにしても、国産食材であることは、ある程度の信用にはなるし、国内の農業や畜産業にとってもプラスになる。マクドナルド単体での業績回復だけでなく、日本の農業の活性化にも寄与できるという、副次的な効果もあるのではないか。

そういうアピールをすることは、マクドナルドにとってもイメージアップになると思う。

英国のマクドナルドの「味」はどうなんだろうね?
味付けはローカライズしているのだろうが、英国在住の人で、日本の味との比較をしてみてほしいものだ。

国産食材を使うことに関して、株主総会では以下のように語られたそうだ。

マクドナルド株主総会で何が語られたのか | 外食 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

――国産の農畜産物を使わないのか。

原田泳幸会長:日本は中国に食の依存をせずに生きていけない国だ。調達は国で判別するものではない。半分以上は国産の食材を使っている。中国=質が悪いということにならないような、客とのコミュニケーションが重要。国産と訴えることが食の安全というメッセージにすり替わる企業活動は慎むべき。われわれには一流の品質管理で調達していくサプライチェーンがある。

そうはいっても、鶏肉問題は国産だったら起こらなかったであろう事件だったと思う。「一流の品質管理で調達していくサプライチェーン」があると豪語するのなら、そもそも問題は起こらなかったはずだ。それが一流ではなかったことの認識が乏しいのでは?

現状でも、国産食材が半分以上あるとのことだが、どこにそれが使われているのか消費者にはわからない。
いちおう情報公開はしているのだが……

マクドナルドの最終加工・原産国情報 ※クリックで拡大表示

マクドナルドの最終加工・原産国情報

マクドナルドの最終加工・原産国情報


これを見ると、卵、レタスなどの野菜、乳製品の原産国が「日本」となっている。これらは日持ちしないので海外から輸入するのが困難な食材だ。ハンバーガーの主役である、肉やバンズなどは海外からの調達で、これでどうして半分以上が国産だと言い切れるのだろうか?
もとより、食糧自給率が低い日本だから、小麦粉などは輸入に頼るしかないが、メインである肉類は国産にこだわればマクドナルドのイメージはずいぶん変わると思う。

あとは価格の問題だが、全部国産肉ではないにしても、「国産牛ハンバーガー」として差別化すれば、少々高くてもそれなりに人気商品になるような気もする。松阪牛ハンバーガーとか、高級志向もありだろう。

モスバーガーでは、各店舗で使用する食材の生産者を紹介していたりするが、あれは安心感につながる。生産者が見えるというのは、よい方法だ。

英国マクドナルドでできることが、日本マクドナルドでできないということはないのではないか?
やる気があるかどうかの問題だと思う。

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