新型コロナウイルスの「新型」と、手の乳酸がバリアに。

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新型コロナウイルスの「新型」と、手の乳酸がバリアに。

新型コロナウイルスは、これまでにもいくつかの変異が確認され「型」として分類されているが、新たな変異がイギリスで発見されたという。

新型ウイルスの「新種」、英イングランドで発見 保健相が報告 – BBCニュース

英イングランドの一部で新型コロナウイルスの新種が急速に広がっているのが確認されたと、マット・ハンコック保健相が14日、議会下院に報告した。

(中略)

英ノッティンガム大学のジョナサン・ボール教授(分子ウイルス学)は、「多くのウイルスで遺伝情報は素早く変化する。そうした変化がウイルスに有利に働いて、効率的に伝染できるようになったり、ワクチンや治療の影響を受けなくなったりすることもあるが、多くの変化は何の影響ももたらさない」と説明。
「新型ウイルスの遺伝的な新種が出てきてイギリス各地や世界中に広がったとしても、純粋に偶然に起こることだ」、「そのため、遺伝的変化を研究して影響を見定めることが大事で、それまでは影響について語るのは早過ぎる」と述べた。

「新種」というのは、語弊がある。
種としてはコロナウイルスであり、その中の亜種がCOVID-19のウイルスなのだから、「新型」というのが適切だろう。

となると、新型コロナウイルスの新型……という言葉としてはややこしいことになる。
そろそろ新型コロナとの呼び方はやめて、COVID-19とかコロナ19とかにした方がいいかもね。ウイルスは数ヶ月おきくらいに変異し続けているので、新型は次々と出てくる。

日本での第三波も、変異した新型である可能性がある。それについては、研究している専門家がいると思うので、そのうち報告が出てくるかもしれない。

問題は、変異した新型に開発されたワクチンがどれだけ有効かだ。

RNAワクチンやDNAワクチンは、変異したウイルスにも有効とされている。ワクチンは、ウイルスに対する抗原(タンパク質)を生成し、免疫機能を高める。ウイルスが変異するといっても、基本的なRNAやDNAが大きく変わるわけではないので、抗原は有効に作用すると考えられている。

とはいえ、生物としてのウイルスは、どうにかして生き残る術を探す。それがDNAに刻まれた、もっとも基本的な生存本能でもある。ワクチンのために生存が脅かされ続ければ、それに対抗する変異を起こすこともありえる。

細菌では抗生物質に耐性を持つ耐性菌が出現し、インフルエンザでは治療薬の「ゾフルーザ」に耐性を得たウイルスが出現している。COVID-19のウイルスでも、治療薬に耐性を得たウイルスが出現するのは予想できる。
ワクチンに対してはどうか?……というのは未知数。

もうひとつ、新しい知見。

花王、人の手指にウイルスを減らす「バリア機能」発見。乳酸が寄与 / Impress Watch

花王 パーソナルヘルスケア研究所、生物科学研究所、解析科学研究所は、ヒトの手指に、ウイルスを減少させるバリア機能が生まれつき備わっており、風邪やインフルエンザのかかりやすさに関連していることを世界で初めて明らかにした。バリア機能には個人差があり、手汗から分泌される乳酸が機能に寄与しているという。

(中略)

次に、6名のヒトの手指表面の成分を採取して、抗菌・抗ウイルス活性(菌やウイルスを減少させる効果)を評価したところ、手指表面の成分には、大腸菌だけでなく、黄色ブドウ球菌やインフルエンザウイルス(H3N2)を減少させる効果があることを確認した。また、この効果には個人差があり、いずれの菌・ウイルスに対しても高い効果を持つヒトや、その逆のヒトがいることもわかった。

(中略)

なお、感染症にかかりやすいヒトとは、過去3年間にインフルエンザに2回以上かかり、過去1年間に風邪の発症が3回以上のヒト。かかりにくいヒトは、いずれも0回のヒトのこと。

ちなみに、私は成人してからこっちインフルエンザにかかったことはないので、かかりにくいヒトの方だ(^_^)

手の消毒は逆効果、というのは前にも書いたが、それを裏付ける発見。
せっせとアルコール消毒している人は多いと思うが、じつは自身のバリアを壊していたということになる。

マスクをすることで免疫力が低下するという説もあり、アルコール消毒も逆効果ということになると、ここ最近の感染者の増加は、過剰な感染対策が裏目に出ている可能性もありえる。
これは、専門家といわれる人たちに、ちゃんと検証して欲しい問題。

後年、「2020年の感染症対策は、あまりに無意味でお粗末だった」といわれるのかもね。

 

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