【サッカー】中国戦で見えた日本代表の限界

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【サッカー】中国戦で見えた日本代表の限界

9月7日(日本時間8日)の中国戦は、かろうじて0-1で勝った。
中国戦は負けた方がいい薬になるかも」と思っていたのだが、勝ってしまったので現状維持が延命されることになった。
これがよかったのかどうか……。

この試合についての論評がある程度出るまで待って、この記事を書いている。

DAZNの解説で岡田さんもいっていたが、中国がここまでドン引きしてくるとは意外だった。オーストラリア戦では、そこそこいいサッカーをしていたからだ。
日本は攻めあぐねてはいたが、逆に中国が攻めてこなかったから助かった部分もあった。
中国は引き分け狙いの、後半勝負を狙っていたようだが、結果的には自滅したようなもの。普通に攻めていた方が、勝機はあったように思う。

日本はオマーン戦よりも改善はされていたが、それは先発メンバーとして入れ替わったメンツによるプラス要素だけだった。
今の日本だったら、オーストラリアよりは弱いと思う。中国は必要以上に警戒しすぎた。
その証拠が、16本のシュート数のうち、1本しか決まっていない。決定機を外した大迫だが、唯一の得点を決めたのも大迫だった。
決定機を決められない日本なので、中国はそんなに恐れる必要もなかった。

前にも書いたが、森保監督の戦術は「大迫頼り」
大迫が攻撃の要なので、彼が得点するか得点チャンスを演出することが戦い方になっている。
それが機能しないと、オマーン戦のようになる。

そのことは監督自身がインタビューで答えていた。

帰化選手に頼らず「専守防衛」を徹底した中国指揮官の思惑とは? 日本は最終予選初白星も大迫を軸とする現体制では… | サッカーダイジェストWeb

試合後の森保一監督は、久保建英と古橋亨梧のスタメン起用について、「大迫を軸として考えた時に良い連携が出来る」と答えている。つまり森保体制が続く限り、大迫のコンディションが浮沈のカギを握り続け、同じ構図は他のいくつかのポジションにも該当する。そう考えれば残念ながらすでに現体制での日本代表は、伸びしろと戦い方の幅を限定されているのかもしれない。

つまりは、大迫がダメならほかに方法がない、ということでもある。
追加招集でオナイウ阿道を呼んでおきながら、出番はなし。呼ばれたオナイウが気の毒になってくる。
堂安も使わなかったし、宝の持ち腐れだ。
ロシア大会に出場したベテランへの依存というか信頼というか、なんとなく年功序列みたいな選手起用なんだよね。長友はいい選手だった(過去形)けど、かつてのようなアグレッシブさはなくなってるし、無所属の選手を使わなければいけないほど、人材が不足しているわけではない。

「石橋を叩いて渡る」という保守的な考えかたなんだろうけど、叩きすぎて石橋が壊れてしまいそうだ。

目先の予選を勝つことも重要だが、目標として掲げているベスト8以上を狙うのに、現状のままでいいのか?……という問題。
「戦術は大迫」では、遠からず行き詰まる。
大迫もピークが過ぎているから、W杯本番で頼りになるかどうかは不透明だ。

五輪がそうだったように、先発メンバーを固定してしまうと、グループリーグの3戦はなんとか持ちこたえても、トーナメントに入ったら疲労でボロボロになることは見えている。
そもそも、グループの組み合わせしだいでは、グループ敗退もありえる。

たとえば、ブラジルとメキシコと同組になったら、2位以内にはまず入れないだろうから、グループ敗退だ。あと1年くらいで、劇的に強くなったりはしないので、メキシコよりも強くなることはない。ロシア大会のような幸運がなければ、ベスト16に上がることも難しい。

森保監督の戦い方は、五輪で示された。スタメンはほぼ固定で、ワントップに誰かを起用する。五輪では林だったが、W杯では大迫だ。
W杯でも、この戦い方は踏襲されるだろう。というか、それ以外の戦い方はできないと思う。それが成功体験にもなっているから、それに固執する。
だが、戦術が固定されていれば、対戦相手は対策が簡単だ。

森保監督の限界が見えているのだが……

日本サッカー協会・田嶋会長 森保監督を「信頼している」 監督交代論を一蹴/サッカー/デイリースポーツ online

日本サッカー協会の田嶋幸三会長(63)が8日、オンライン取材に応じ、日本代表を率いる森保監督の手腕について「全く揺るぎない。信頼している」と断言した。

W杯アジア最終予選初戦のオマーン戦に敗れたことでネットを中心に指揮官への批判が噴出したが、田嶋会長は「采配にいろいろ言うのは簡単なこと。(森保監督を)引きずり下ろそうとする人がいるかもしれないが、誰に代わったら確実に勝てる人がいるのか。そんな簡単なことではない」と監督交代の論調を一蹴した。

まぁ、任命責任もあるから、簡単には変えられない事情もわかる。
信頼しているというのと、必ず勝てるというのは違うと思うけどね。
「確実に勝てる人」なんて、いるわけないじゃん(^_^)b
どんな名監督でも、無敗というわけではない。

このままズルズルと森保体制でいくと、どこかで破綻するような予感。
次の10月シリーズは、サウジアラビアとオーストラリアだが、どちらも難敵。
サウジとは良くて引き分け、オーストラリアには勝てない気がする。
W杯に行ける2位以内通過ができるかどうかは微妙。
3位で大陸間プレーオフなんていう、地獄のロードが待っているかもしれない。

中国に勝って安心したことが、逆に悲劇を先送りしたことにならなければよいのだが……。

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