地球温暖化問題は既定路線になっているが、その対策は中途半端。
IPCCは強い口調で危機感をあおっているようだが、対策として打ち出しているのは「温室効果ガス排出量を半減」の一点張り。
温暖化は人間が原因=IPCC報告 「人類への赤信号」と国連事務総長 – BBCニュース
IPCCは、地球温暖化の科学的根拠をまとめた作業部会の最新報告書(第6次評価報告書)を公表。「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている」と強い調子で、従来より踏み込んで断定した。
(中略)
この報告書は今までになく、温暖化のもたらす壊滅的な打撃を明確に断定している。しかし科学者の間には、2030年までに温室効果ガス排出量を半減できれば、事態は改善できるという期待も出ている。報告の執筆者たちも、悲観して諦めてはならないとしている。
「温暖化は人間が原因」というのであれば、人口問題に触れないのはおかしい。
なぜこれほど膨大な二酸化炭素が排出されているかといえば、人口が爆発的に増えたからにほかならない。そのことに目をつぶっているのは、本質を見ていないことになる。
気温の比較対象として出される「産業革命以前」、つまり1700年頃の世界人口は約6億人だったとされる。
2021年の世界人口は78億7500万人と推計されている。
約13倍に増えているんだ。
世界人口が6億人であれば、石油・石炭を燃やしても、排出量は現在の13分の1で済むという話。
「温室効果ガス排出量を半減」しても、人口が1.5倍になればエネルギー消費量は倍になるので、元の木阿弥。
それ以前に、増えすぎた人口で食糧難が加速するから、食糧や水の奪い合いになる。
大量のゴミによる環境破壊も進むだろう。
二酸化炭素を減らすだけでは不十分で、人口を減らすことを考えないと、遠からず人類は自滅する。
温暖化による赤信号よりも、人口増大による赤信号の方が深刻だと思う。
人口が増えることで環境破壊は加速するわけで、二酸化炭素だけの問題ではない。
また、欧米で移民に対する軋轢が生じているのも、ある地域で許容できる人間の数に限界があるからで、人口増大は社会システムの維持も困難にしてしまう。
国際連合の「世界人口予測2019(World Population Prospects 2019)」では、 2030年に85億人、2050年には97億人、2100年には109億人に達すると予想されている。
特にアジアとアフリカの増加が著しいと予想されていて、その増加にともなって二酸化炭素の排出量も増加するだろう。
現在は発展途上国と呼ばれる国々が、先進国並みの生活水準になれば、二酸化炭素の排出量はさらに増大する。
1990年(世界人口は約50億人)との比較から、30年で人口は1.5倍、エネルギー消費量は2倍になったという。
約80年後の2100年には現在の1.4倍の人口になり、途上国の発展を加味すれば、エネルギー消費量は2〜4倍になっていると予想される。
もっとも危惧すべきは二酸化炭素ではなく人口だ。
人口増大は食糧危機を招き、裕福な国と貧しい国との対立が激化する。
これは戦争の火種にすらなる。
温暖化で人類の危機になるか、人口増大で人類の危機になるか。
どっちが先か?……という話でもある。
両者はシンクロしているので、人口を産業革命以前のレベルまで減らせば温暖化問題も解決する。
他の星に移民するという奥の手が使えない以上、地球の適正人口にどうやって戻すか?…が未来の課題だと思う。
現在ですら、貧困や飢餓で苦しむ人々が多くいるのに、100億人を超える人口を養うことはかなり困難だと思われる。
IPCC報告が人口問題にまったく触れていないのは、本質から目を背けているといわざるをえない。