「黒子のバスケ」のアニメ第2期が始まって、毎週楽しみにしているのだが、かねてより問題になっていた脅迫事件も再燃している。

「黒子のバスケ」TSUTAYAから全商品撤去へ レンタル・販売中止に → 「事実です」 – ねとらぼ

 レンタルビデオ店・TSUTAYAから「黒子のバスケ」関連商品が順次撤去されることが決まった。一部のTwitterユーザーの発言から噂が広まっており、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブに問い合わせたところ「事実です」との回答を得た。

 コンビニやグッズを作っているバンダイが脅迫の対象になっていたものが、さらに拡大されてしまった。過剰反応ではないかと思うが、リスクは取りたくない気持ちもわかる。
 いったい、いつになったら収束するのやら……。

 ここ最近の、関連記事を列挙する。

▼月刊『創』編集長・篠田博之氏の記事
「黒子のバスケ」脅迫犯から私に届いた手紙
「黒子のバスケ」脅迫犯から届いた2通目の手紙
「黒子のバスケ」脅迫犯の手紙を公開します。
「黒子のバスケ」脅迫事件のその後の経緯
「黒子のバスケ」脅迫犯へのメッセージ

▼J-CASTニュースの記事
腐女子用語に精通し、ある程度年齢がいった人物? 黒子のバスケ脅迫犯「怪人801面相」とは何者
黒子のバスケ「声明文」から推理 犯人は中年の出版関係者説

 「黒子のバスケ脅迫事件」は、「遠隔操作ウイルス事件」と似たような印象のある事件だと思う。その巧妙さと陰湿さ、無関係な人たちを巻き込む展開、なかなか犯人が捕まらないという点において。
 ただし、大きな違いがひとつある。
 「遠隔操作ウイルス事件」がデジタル社会のネットと高度なテクニックを利用していたのに対して、「黒子のバスケ脅迫事件」は掲示板などへの書き込みはあるものの、ウイルスを仕込んだりサーバーを攻撃したりといった、高度なテクニックは駆使していない。
 脅迫状は郵便で送り、コンビニに毒入り商品を置くという、アナログな手法だ。これは手がかりを残しやすい方法であり、警察が相手にしやすい犯人でもある。
 にもかかわらず、いまだに犯人逮捕には至っていない。

 こんなとき、「CSI:科学捜査班」のグリッソム・チームがいれば、たちどころに犯人への手がかりをつかんでくれるだろうに。日本の科学捜査のレベルは、どのくらいなんだろうね。

 ネット上では、犯人像について、いろいろと推理がされているようだから、私も犯人像をプロファイリングしてみよう(笑)。

(1)年齢は50代。
 グリコ事件を持ち出したり、『創』の読者だったり、例として出される事例が昭和であること。大胆でありながらも慎重すぎるくらい慎重でもあるので、性格的なものというより経験からくるものだろう。マンガやコミケ事情にも詳しいようだから、その世代は50代とみた。
 ネット攻撃ではなく、手紙とブツを攻撃方法に選んでいるのも、世代観の表れ。

(2)性別は男性。
 掲示板への書き込みで、女性であるかのような書き込みをしていたり、「801=やおい」といった名前を使っているが、犯行声明で本性をさらすリスクは避けるはずで、自分とは真逆のキャラを演じているものと推測する。

(3)関西弁を使っているが、生粋の関西人ではない。
 これも自分とは違うキャラを演じるという意味で、関西弁を使っているのだろう。関西で生活したことはあっても、関西出身ではないのではないか。関西弁は真似しやすい方言でもあるので、文字にすると判別は難しい。会話であれば、イントネーションの違いで明確にわかるのだが。
 関西在住者が関西弁を使ったら、自分の居場所を教えるようなもの。

(4)複数犯ではなく、単独犯。
 あえて「一味」とか「わしら」と、複数犯を臭わせているが、犯行を実行する間隔が開きすぎだし、範囲も狭い。ほんとうに複数犯であれば、日本全国で同時多発的に、同日に実行することは可能なはずだが、それは行われていないようだ。
 篠田氏が公開した犯人からの声明文にそのヒントがある。
「黒子のバスケ」脅迫事件のその後の経緯(篠田博之) – 個人 – Yahoo!ニュース

実はわしは店の前で記念写真を撮っておるんや

 「わしら」で始まる声明文なのだが、途中から「わし」と一人称になっている。組織的な犯罪であれば、「わしら」あるいは「われわれ」と組織であることを常に強調するものだ。その方が、警察に対して牽制にもなる。

 脅迫のターゲットは、広範囲に及んでいるものの、実行したのは菓子に毒を入れるという、稚拙で非効率な方法だ。もちろん、社会的な影響は大きいのだが、組織的犯行としては効率が悪い。
 爆弾テロとかサーバー攻撃の方が、事件としてのインパクトは大きいし、被害も甚大になる。それを可能にするには、組織力や技術的な能力が高くなければならない。犯人には、そのようなスキルは乏しいとみる。

(5)独身、年収300万円前後、生活習慣病などの重い持病の可能性あり。
 犯行の動機は、「黒子のバスケ」の作者に対する怨恨のようだが、執拗な犯行はかなりの恨みなのだろう。逮捕覚悟で犯行声明を出していることから、守るべき家族はいないのではと思われる。よって、独身。
 作者個人に対する怨恨が、不特定多数の社会まで巻き込んでいるのは、自分の現在の境遇に大きな不満やストレスがあり、それが他者や社会に向けられているのだろう。
 ストレスを助長するのが、貧乏と病気だ。貧乏と病気は、ネガティブな思考を増幅させる。自分の境遇が腹立たしいときに、その責任を誰かのせいにしたくなる。病気でいつも体調が悪いと、自暴自棄にもなりやすい。

 強い怨恨を抱くときの要素は3つ。
 「」「」「地位」のいずれか、あるいは複数を奪われること。逆恨みだとしても、当人は恨む相手が原因だと思っている。
 出版事情に詳しいことから、出版関係者ではないかとの推測も出ているが、大手出版社でそこそこの地位にある人だと、年収1千万円くらいの人もいる。仮に、過去、そういう地位と年収を得ていた人が、なんらかの原因でリストラされて低所得に陥れば、恨み辛みは大きいだろうし、貧乏が続く限り怨恨も消えないのではないか。貧乏を屈辱的に感じるのは、かつて高収入を得ていたのが転落した場合だからだ。

(6)怨恨の相手を道連れにするつもり。
 犯人はアナログな方法で、いろいろと痕跡を残しているが、それはやがては逮捕されることを想定し、覚悟しているからだろう。
 つまり、自爆して怨念の相手の地位や名声を貶め、道連れにするつもりだと思われる。なんらかの弱みを握っているのかもしれない。
 それゆえ、あちこちのマスコミに声明文を送りつけ、騒ぎを大きくしようとしている。
 まぁ、私もこうして取り上げることで、犯人の思惑に乗せられているのだが……。しかしまぁ、私のブログなどたいした影響力はないので、微々たるものだと思う。

 ともあれ、ターゲットにされた企業や店には災難ではあるが、脅しに屈しない姿勢も必要な気がする。むしろ、コンビニやTSUTAYAには、「負けるな!」と声援を送りたい。
 コンビニなどがターゲットにされているということでは、私たちもターゲットになっているわけで、細心の注意が必要だ。
 警察には犯人を早く逮捕してもらいたいが、自分の身は自分で守る危機意識も持っておこう。
 脅迫に屈しないで、アニメの第2期が中止にならないことを願う。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア