「人生100年時代」のウソ


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誰が言い出したのか……「人生100年時代」というフレーズ。
経済学者か保険会社のコピーだと思うが、これは現時点では「ウソ」
2017年の日本人の平均寿命(平均余命)は、女性が87.26歳、男性が81.09歳となっている。
まだ100歳には届いていない。

であるにも関わらず……

人生100年時代…「お金」の長期運用の大切さを“古典落語”から学ぶ! – TOKYO FM+

村田:いま日本には100歳以上の人が約6万人もいるそうです。2016年に発行された「LIFE SHIFT ――100年時代の人生戦略」という本によると、2007年生まれの日本の子どもの50%が107歳まで生きると予想が出ています。

談笑:え~っ! 107歳!? これは(人生)プランを練り直さないと(笑)。

……などという話になっている。

「100歳以上の人が約6万人」というと、いかにも多いように錯覚するが、日本の人口、1.268億人の中の、0.047%にすぎない。大部分の人は100歳には達せず、平均寿命にすら届かず、生涯を終えるのだ。

【補足】
現在、100歳の人口は、32,241人。
100年前の1918年の出生数は、男が780,605人、女が764,984人、合計1,545,589人。
よって、生存率は、約2.1%。

「2007年生まれの日本の子どもの50%が107歳まで生きる」という予測も、根拠が明確ではない。
この言葉のソースは、英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏とのことだが、氏へのインタビューでは以下のように発言している。

107歳まで生きる確率が50%。ベストセラー『ライフ・シフト』著者が語る日本の将来 | ホウドウキョク

日本の方がこの本に興味を持って楽しんで読んでもらえた理由の一つに、日本は他の国よりも長寿の方が多いから、ということがあると思います。
だからこの話題について日本人はとても関心を持っているんでしょう。
日本は世界の中で一番早く人生100年時代を迎えます

下線部のように「迎えます」と、将来的なことをいっているのであって、今、人生100年時代になった、といっているわけではない。
この違いは大きい。

寿命が、常に右肩上がりに伸びると考えるのは、ちょっと違うんじゃないかと思う。なにごとにも限界があり、変化は直線的ではないのだ。

たとえば、身長の伸び。

伸びが止まった!?日本人の身長|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本

「このグラフ、なんのグラフかわかるでしょうか?戦後から伸びていくんですけれども、20年ほど前からは、ほぼ横ばいになっています。」

答えは、17歳男子の平均身長。
20年前をピークに横ばいが続いています。
女子も同じ傾向です。

(中略)

身長の伸びは遺伝に加えて、『栄養・睡眠・』の3つの要素が関わっていると言われています。
このうち、かつては不足していた栄養については状態が十分に改善されたことで、日本人の身長はピークを迎えたのではないか、という専門家もいます。
一方で、睡眠や運動、それに外遊びの機会は減る傾向にありますから、子どもの身長には好ましくない状況にあると警鐘を鳴らす専門家もいるんです。

私の世代は、身長が伸び盛りの世代だったので、子供が親の身長を超えるというのが普通だった。私の父親は、けっして身長は低くはなかったのだが、私が中学生の時に追い越して、180センチまで伸びた。

私より若い世代は、私より背が高くなっても不思議ではないのだが……、そうはなっていない。それが20年前から停滞しているという実態につながる。

じつは、身長が伸びなくなった原因というのは、将来的な健康にも関わる問題であり、寿命が短くなる一因にもなるように思う。
ダイエットに執着する女性は、骨がもろくなる骨粗鬆症になりやすいし、それに加齢が加われば、若くして歩けない生活を強いられる。そんな状態で100歳までは生きられないだろう。

様々なアレルギーや難病の子供も増えているので、若い世代の老後は、けっして明るくない。そう遠くない将来に、平均寿命は上昇から下降に転じるのではと思う。日本の人口が減少に転じたように、寿命とて右肩上がりは続かないものだ。

人生100年時代」というには、平均寿命が100歳になってからが適切だね。

2107年になったとき。
平均寿命が100歳になっているかどうか?
私は生きてないが、2007年生まれの諸君に、確かめてほしいものだ。

 

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