「非実在青少年」に関する法案の修正案が提出されたらしい。
曖昧な表現を修正したというのだが……
「非実在青少年」は「描写された青少年」に 自公、修正案を都議会に提出へ – ITmedia News
自公の修正案は、改正案の文言が曖昧との批判を受け、改正案で規制対象となる漫画などの18歳未満と想定されるキャラクター「非実在青少年」を「描写された青少年」に、また「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更するなどした。
う~む……(^_^;
これで曖昧さがなくなったのかな?
言い方をちょっと変えただけで、曖昧さは相変わらずだと思うが。
「描写された青少年」
……と、なぜ過去形なのか?
「描写する青少年」だったらいいのか?
また、「描写」と限定するのはなぜなのか?
描写とは……
物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉・絵画・音楽などによって写しあらわすこと。(大辞泉より)
つまり、人の手によって描かれた、マンガやアニメを想定していることがうかがえる。加えて、この表現では小説などの文章表現も範疇に入るようだ。
修正前の「青少年性的視覚描写物」では、絵や画像などの表現のみをターゲットとしていたから、拡大解釈できるようにしたわけだ。
言葉の解釈しだいでは、「これは描写ではなく、ありのままを撮った実写だ」という言い逃れもできるような気がするのだが?
「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」
……というのも、いろいろな解釈が成り立つ文言だね。
そもそも「みだりに」というのは、どこからが「みだり」なのかがわからない。
みだりとは……
・秩序を無視するさま。自分勝手であるさま。
・軽率に、また、度を過ごして物事をするさま。むやみやたら。
・道理に反するさま。筋道が通らぬさま。(大辞泉より)
……とある。
この意味からして、判断の基準は曖昧だ。
誰かが「道理に反する」といえば、それで「みだりに」該当してしまう。
どうして「みだりに」を入れなくてはならないのか?
「青少年を 性欲の対象として扱う図書類」
と、しないのはなぜか?
こうすれば、判断はもっと明確だろう。
裸はもちろんダメ、水着もダメ、たぶんミニスカートもダメ、どうかすると肌の露出もダメ。
性欲がなければ恋愛は成立しないから、恋愛を描いた作品もダメ、キスシーンもダメ、ましてやベッドシーンはもっとダメ。
……と、「みだりに」を省略すれば、規制したい人たちの目的がすべて達成できるだろうに。
こういう規制をしたい人たちは、「性欲=悪」という価値観があるようだ。
本来は児童ポルノを規制する目的だったはずなのだが、だんだん目的が変わってきた……というより本性を現したようだ。