【サッカー】親善試合のブラジル戦、ベルギー戦の評価は…

LINEで送る
Pocket

10日のブラジル戦、15日のベルギー戦、ともに日本は負け。
結果は想定の範囲内だったが、日本のメディア、サッカー評論家たちの多くが、ボロクソの評価をしている。
だが、そうだろうか?
私は、そこそこ収穫のある試合だったと思っている。

FIFAランク2位のブラジル、5位のベルギーは、W杯ではポッド1に入る強豪だ。
その2チームとは、10回戦って1回勝てるかどうかの相手。過去、ベルギーには負けていなかったという記録はあったものの、それは昔のことで現在のチームではない。

負けて当然の試合なのは、戦う前からわかっていた。
問題は、どういう負け方をするかだ。
何点取られて、何点取り返すか。
そういう意味では、ブラジルには3点しか取られず、1点は取り返したのだから、ボロ負けではなかった。

ベルギーはW杯予選では、最多得点を取ったチームだったが、この試合では1点しか取れなかった。テストマッチでモチベーションが低かったにしても、最少失点に抑えたのは日本チームを褒めてもいいように思う。

「ブラジルの1.5軍に負けた」という言い方もされているが、それをいうなら、日本も本田、香川、岡崎のいない1.5軍だったのだ。ベルギー戦では、長谷部も抜けていたから、さらに1.6軍くらいにはなっていた。

ベテラン、主力抜きで戦って、勝てはしなかったが善戦はした。
テストマッチとしては、ビッグ3抜きでも、そこそこやれるという手応えにはなったように思う。

代表経験の乏しい選手には、経験を積ませる必要がある。
そのためには実戦の試合に出さないと、経験は積めない。
ハリル監督は勝ちにこだわる監督ではあるが、目標はW杯本戦で勝つことだ。テストマッチでは、負けを覚悟して経験の乏しい選手を起用し、経験を積ませる意図もあったのではないか。

ブラジル戦について、数少ない良い記事があった。

日本に完勝のブラジルからハリルジャパンへ提言 「強国と対等に戦おうとするな」 | VICTORY

11月10日、日本代表はフランスのリールでブラジル代表と対戦して1-3で敗れた。ハリルジャパンと対戦したブラジルの選手や関係者は、どのような印象を持ったのか。選手たち、チッチ監督、ブラジル人記者、そしてJリーグにも在籍した元セレソンのジョルジーニョ氏に話を聞いた。

10日にフランスのリールで開催された、親善試合日本対ブラジル戦。結果は3-1でブラジルの勝利に終わったが、試合後、ブラジル代表の選手達に日本の印象を聞くと、第一声は、厳しい試合だったというものが多い。

センターバックのチアゴ・シウバが「今日はいつもより、僕らのクオリティを発揮するのが難しかった。」と言えば、攻撃的MFのジウリアーノも「日本代表は良くオーガナイズされていて、試合を通して、良い守備で僕らにプレッシャーをかけてきた」と語り、日本のディフェンスに苦しめられたことを振り返る。

(中略)

「監督ごとに考え方があるけど、僕は鹿島アントラーズで4年間プレーし、1年間監督も務めたことで、日本サッカーをよく知っている。そして、僕自身も監督だから、意見を言うとすれば、日本が理解しないといけないのは、ブラジルや幾つかのサッカー伝統国に対し、オープンに攻撃を仕掛ける試合はできない、ということだ。
というのも、日本はこれほどクオリティが高い。技術力が高い選手達が多いから、対等に戦おうとする。それをやってはいけないんだ。日本の選手達は、自分達のポテンシャルをもっと信じるべきだし、勇気を持たないといけない。だけど、対戦相手によっては、完璧に守ることが必要になる。ピッチのスペースをしっかり埋めること。そして、ここぞというチャンスを活かし、攻撃に出ていくんだ。
一番大事なのは、選手がそれを理解し、きっちりやることだ」

(中略)

日本が目指すべき方向性については、チアゴ・シウバの言葉を借りて、締めくくりたい。

「苦労させられた僕らから見れば、日本は良いプレーができていたと言える。ハリルホジッチ監督の考えが的確なんだろう。それを、選手達がピッチで実践することによって、W杯を戦うための良い準備が出来つつあることを感じさせられたよ。あとは、これを磨き上げることで、僕らだけでなく、どの伝統国にとっても、怖い相手になるに違いない」

2017年11月10日、ブラジルとのテストマッチ

2017年11月10日、ブラジルとのテストマッチ

多少のリップサービスはあるだろうが、対戦相手のチアゴ・シウバの言葉は、謙虚に受けとめたい。
私も、ハリル監督の目指す方向性は、最適解ではないにしても間違ってはいないと思う。
これについての明確な正解はない。
試行錯誤して、なんらかの手応えをつかみとっていくしかない。

答えは、W杯でどういう結果を出すかだ。

個人的には、キーマンは「乾」ではないかと思っている。
代表ではあまり出番を与えられていないが、乾の特異さは、南アフリカ大会での本田と松井を彷彿とさせる。つまり、型にはまらない異端児としてだ。
乾が本大会で覚醒すれば……

もうひとり、いやふたり、キーマンを挙げるなら、森岡と柴崎かな。
森岡は地味だけど、いい仕事していたと思うし、もっとチームに溶け込めば大化けするのではと思った。
柴崎は代表では、なかなか本領を発揮できずにきたが、スペインでもまれて成長しているように思う。

チームを活性化するのは、異端児なんだ。
かつての本田がそうであったように。

最終的に、W杯に行ける選手が決まってからでないと、どういうチームになるのかはわからない。
乾、森岡、柴崎がメンバーに入っていれば、サプライズの結果が期待できるかもしれない。

(Visited 25 times, 1 visits today)