久しぶりの代表戦。
楽しみにはしていたが、期待はそれほどしていなかった。
森保監督は保守的な戦い方をする人だから、大きな変化はしないだろうと思うからだ。
いくつかの記事を読んだが、よい分析なのは以下の記事。
森保采配における変化の兆候。レアケース発生で3バック化は加速するか|サッカー代表|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
再開第1戦となった9日のカメルーン戦、そして13日のコートジボワール戦は、森保監督がいかにしてチームを再建するつもりなのかが、最大の焦点だ。
(中略)
しかも今回の相手は、身体能力も含めた個の能力が高いカメルーンである。無理して出したパスが相手の伸ばした足に引っかかるシーン、あるいはデュエルに負けてボールを失うシーンなどが重なると、日本がペースをつかむのはさらに困難になった。
放送の実況でも、カメルーン選手に対して「リーチ(足)が長い」というのを連発していた。
日本の選手が間合いを詰められ、パスをカットされるシーンが多かったためだ。
確かに、足は長い。
しかし、パスをカットされてしまうのは、足が長いからではないんだ。
そこを勘違いしている。
図解して説明しよう。
ボールを蹴るシーンの模式図だ。
後ろに引いた足を、足の付け根と膝を支点として、弧を描いてつま先を蹴り出す。
つま先はAの軌道、膝はBの軌道だ。
足の長い選手だと、このAとBの軌道が長くなる。
それはわかるよね?
軌道が長くなるということは、足を振るスピードが同じであれば、かかる時間は若干長くなる。
つまり、足が短い方が振り抜く時間が短く、早くボールを蹴ることができる。
逆にいえば、足が長いとボールを蹴るのがわずかに遅くなり、不利なのだ。
足が長い方が不利なのに、なぜ日本の選手はカメルーン選手に先にボールを取られてしまうのか?
理由はひとつ。
カメルーン選手の方が動き出しが早く、足を振るスピードが速いからだ。
そのスピードに加えて、足が長いことで、先にボールに触れる。
足が長くて取られているのではなく、動きが速いことで取られているのが真相だ。
「リーチが長い」ことをハンデと考えていると、根本的な解決ができない。
「パススピードや動作が遅くてボールを取られる」と自覚しないと、この問題は克服できない。
日本のパスは低速パスが多いので、動きの速いカメルーン選手にとっては、狙い目だったのだ。
高速パスを出せば、少々動きの速い選手でも、奪取することはできなくなる。
監督や選手が、このことを自覚しているかどうか。
自覚できないと、同じことを繰り返してしまう。
13日のコートジボワール戦を注目して見よう。