サッカー日本代表の監督は、明日にも発表される見通しだが……
森保氏が有力というのが、もっぱらの事前情報。

それに異議を唱えるのが、毎度の杉山氏(笑)

杉山氏が森保ジャパンに異議。日本サッカーのガラパゴス化が進む|サッカー代表|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

 7月26日の日本サッカー協会理事会で承認されれば、日本代表の新監督に森保一U-21日本代表監督の就任が決まるのだという。喜ばしいニュースか、憂うべきニュースかといえば後者。日本サッカーのガラパゴス化が進みそうで心配になる。

(中略)

監督候補は無数に存在するなかで、あえて森保氏が選ばれようとしているのだ。

(中略)

世の中には候補者はごまんといる。

(中略)

経験値の低い人間で固めざるを得ない日本代表の今後は、ただでさえ明るくない。一歩間違えば、暗黒時代に突入する危険さえある。「森保監督」に、そうした苦難を乗り越える力があるのかと、正面から問い正したい気持ちでいっぱいだ。

論理が破綻した記事で、苦笑してしまう。
杉山氏は観察力や分析力の能力が乏しいライターなのは、過去の記事を読めば一目瞭然なのだが、当人にはその自覚がないようだ。氏の予想がことごとく外れることは、よく知られている。

日本サッカーのガラパゴス化」を心配しているのだが、それは杞憂だろう。

ガラパゴス化……という言葉は、

ガラパゴス化(ガラパゴスか、Galapagosization)とは日本で生まれたビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句である。ガラパゴス現象(Galápagos Syndrome)とも言う。……Wikipediaより

……ということなのだが、進化論で登場するガラパゴス諸島の事例は、「独自進化」という側面もあり、島固有の種を誕生させた。それはけっしてネガティブなことではないのだ。

日本人監督だから、ガラパゴス化するというのも、根拠の乏しい因果関係だ。強豪国の多くは、自国出身の監督だが、フランスやドイツがガラパゴス化しているとはいわない。むしろ、W杯で優勝するのは、自国監督のチームというジンクスがある。

代表選手は国籍ルールが厳密に課せられているが、監督については国籍を問わないのは不自然だと思う。日本代表チームなのに、監督が外国人というのは、そもそもおかしいだろう? 監督の国籍も選手同様に限定すると、なにか問題があるのだろうか?

フランスのサッカー、ドイツのサッカー、ブラジルのサッカー……といった、国それぞれのスタイルがあるのは、それぞれの国で独自進化した結果なのだ。独自進化とは、ガラパゴス化でもある。それゆえ、日本のサッカーというスタイルを確立するためには、ガラパゴス化は必要だともいえる。

余談だが、クールジャパンとしてもてはやされる、、和食、伝統芸能、伝統工芸などは、ガラパゴス化の産物だ。ガラパゴス化はネガティブなことばかりではない。世界に通用するガラパゴス化を目指せばいいのだ。

杉山氏はさらに、「監督候補は無数に存在する」「世の中には候補者はごまんといる」と書いているが、誰でも監督になれるという意味では無数にいるのは間違いない。その中に杉山氏自身も含まれている。代表監督に求められるA級ライセンスは、絶対条件ではなく、候補を絞るための要件のひとつにすぎず、杉山氏が代表監督になれないわけではない。

杉山氏が、
「オレが監督になれば、オレのサッカー理論で代表をW杯8強突破できるチームにしてみせる」
と、JFAが納得するプレゼンをすれば、ライセンスなどなくても監督に採用される可能性がある。ついでに、年俸は500万円でよいと、コストパフォーマンスもよいことを付け加えるとよい。つまり、金は問題じゃない、金は若手の育成に使ってくれと進言するのだ。

とはいえ、現実的には日本代表の監督になってくれる外国人監督候補は、数人だろう。
ベンゲルが噂に出ていたりしたが、JFAが出せる3億円の年俸では来てくれない。10億出せれば可能性はあったかもしれないが、ない袖は振れない。

日本に来てくれる監督は、ほかに行くところがなくて来てくれるのが関の山。しょせん、極東のサッカー弱小国だからね。欧州の監督にしてみれば、遠い極東は都落ちなのだ。そのリスクを冒してまで来てくれる外国人監督は限られる。

「監督候補は無数に存在する」といいながらも、ひとりも候補を挙げていないのはなぜ?……と言いたくなってしまう。
長年スポーツライターをやってるのだから、日本に呼べる可能性のある監督の情報はあるのではないか? そのリストを列挙すれば、この記事のクオリティは高まったに違いない。「無数に」といいつつ、ひとりも挙げていないことで説得力がなくなってしまう。

「一歩間違えば、暗黒時代に突入する危険さえある。」などと、あおることを書いているが、私はそれほど心配はしていない。

なぜなら、日本は鎖国しているわけではなく、海外移籍する選手はいるし、海外から日本に移籍してくる外国人選手もいる。Jリーグは来年にも、外国人枠を撤廃する方向だというし、そうなれば外国人選手は増えるだろう。

つまり、日本はガラパゴスにはなれない環境にあるということだ。監督が日本人であっても、選手が海外チームに所属していれば、海外サッカーの経験やノウハウを持ち込む。代表選手をJリーグからしか選ばないのであれば、ガラパゴス化はあるかもしれないが、半数以上は海外組になるのだから、そうはならない。

森保氏が、代表監督として適任かどうかは、やらせてみるしかない。
失敗も経験なのだから、まずはやってみる。
それでうまくいかないのなら、また別の方法を試せばよいのだ。
最初から「正解」があるわけじゃない。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア