日本産文化の輸出では、アニメやマンガが筆頭にあげられる昨今。
アニメ業界の末端で仕事をしていたことのある私にしてみれば、恐ろしく低賃金で劣悪な労働環境の中で、若さと時間と体力をつぎ込んできた多くの人たちがいてこそ、
アニメは成立していた。現在は、37年前に比べれば、いくぶんかは改善されているものの、アニメにかかわる大半の人たちの年収は300万円以下の低所得者である。
▼過去ログ参照
「日本製アニメの光と陰」
「アニメーターでは食えなかった」
日本製アニメは、製作される本数も多く活況のようにも見えるが、制作費は安く、仕事としては貧しいのも事実。
注目されるのはいいことだが、表の顔と比べて、裏の実態はみじめである。
アニメに続いて、音楽のビジュアル系が注目されているという。
アニメの次は…ビジュアル系バンド! 欧米で人気|エンタメ|カルチャー|Sankei WEB
アニメの次は「Visual Kei」。日本のビジュアル系バンドが欧米で人気を集めている。化粧をするなどした中性的な美形男性バンドのことだが、フランスでは大手ファッション誌が特集を組み、米国では日本のバンドによる公演が超満員に。ドイツからはブームの源流を探ろうと、ドキュメンタリー番組の撮影クルーが来日した。日本のアニメのファンが人気を支えており、関係者は「人気はさらに拡大する」とみている。(岡田敏一)
「ドイツでビジュアル系が話題になり始めたのは約1年前です。『美少女戦士セーラームーン』以来、日本のアニメがブームになっていて、そのファンがビジュアル系に着目した」 なるほど、アニメつながりでビジュアル系なのかと思った。
しかし、当のビジュアル系の彼らがアニメファンとは限らないようだが……?ビジュアル系のもとを辿れば、1970年代前半のT.Rex (マーク・ボラン)、デヴィッド・ボウイに代表されるグラム・ロックあたりが原点だろう。ビジュアルをより極端にしたのが、KISSだった。KISSのメイクは、歌舞伎からイメージされたものだったから、日本的な影響があったといえる。
その後、パンクへと変遷し、メタルへと分化することになった。メタルからは、さらにラウド、エモなどと、細分化していったが、このへんの区別はわかりにくい。その手のCDは好んで買うのだが、別にジャンルで買っているわけではなく、試聴して気に入ったものを買っているだけなのだ。
日本のビジュアル系の音は、メタル系の影響が強いようだ。つまり、欧米からの影響を受けて、日本的な変化とビジュアルを加味して、欧米に逆輸入されているという感じだ。そのビジュアルも、ヨーロッパ中世風だ。
ぐるぐる巡っているということだろうね。