4Kテレビを家庭に普及させるには

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テレビメーカーの不振が顕著になって、撤退するメーカーと再起をかけるメーカーがある。
しかし、再起するための方向性は従来通りで、スペックを上げることに注力されている。

テレビ関連については、前々から書いているが、単純により高性能、よりハイスペックにしても再起は難しい。なぜなら、テレビは10年に1度買い換えるかどうかくらいのスパンなので、地デジ化で大部分の人たちはテレビを買い換えたから、壊れない限り新しいものは必要としていない。現状のハイビジョンでなんの不自由・不都合を感じていない。

それでもなお、メーカーはハイスペックのテレビを突破口としたいようだ。

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」:1年ぶりのプレミアム画質、ソニー「KDL-55HX950」が見せたコントラスト表現の素晴らしさ (1/2) – ITmedia LifeStyle

 先頃、ベルリンの「IFA 2012」で初お目見えしたソニー製84V型4Kテレビ。その試作機をチェックする機会があったが、なるほどその大画面の迫力は一瞬ことばを失うほどだった。ぼくはふだん自室で110インチのスクリーンにプロジェクターの映像を投写して映画のBlu-ray Discを楽しんでいるが、やはり直視型ディスプレイがここまで大きくなると、スクリーン映像とはまた違った感興が得られるのだなあと実感した。

(中略)

しかし、この巨大な84V型ディスプレイをどうやって家庭の中に持ち込ませるか。そして4Kディスプレイの1.5H近接視聴の面白さをいかにアピールするか。マーケティング面でのメーカーの課題は多い。普段、使わないときはスクリーンを巻き上げておけるプロジェクター導入とはまた違った難しさがあるのは間違いないだろう。

ソニーがIFA 2012で披露した84V型4Kテレビ

ソニーがIFA 2012で披露した84V型4Kテレビ

一般的な日本の家の大きさからいえば、84型なんていう巨大なテレビは置き場所がない。部屋の作りは6畳が基本だろうから、6畳程度の広さに84型はいらない。55型でも大きいくらいだ。

わが家は40インチを置いてあるが、それでもけっこうな場所を取る。
豪邸に住んでる人向けにはいいかもしれないが、それでは需要は限られてしまう。

大型テレビを普及させたいと思うのなら、家の造りそのものを変えないとだめだろう。一般的なマンションの3LDKの作りで、84型を入れる場所があるような部屋の造りを提案する必要がある。

つまり、テレビメーカーだけが頑張ってもだめだということ。
住宅メーカーとタッグを組んで、新しい住環境、新しいスタンダードを作っていく。

3LDKでも84型を組み込む場所がある。
それは「壁」だ。

壁の中に、84型を組み込めるようにする。壁掛けテレビという方法が現在でもあるが、それは文字通り壁に掛けているから、テレビが壁から出っ張っている。それが邪魔になる。薄くなったといっても、薄いのは液晶部分だけで、電源部などの厚みはある。

そのテレビを、壁の面の内側にはめ込んでしまえば、壁の一部、あるいは窓のような感覚で、邪魔な感じがなくなる。テレビを部屋のなかに溶け込ませてしまう方法。

大きな窓があっても、それを「邪魔」だと思う人はいない。窓は空間的な広がりを感じさせ、部屋を広く見せる。大型テレビを窓のようにしてしまうのだ。テレビとしての存在感を消し、部屋の空間に転換する。番組を見ていないときは、ライブカメラ(もちろん4K画質)の富士山でも映していれば、「仮想窓」になる。「窓コンテンツ」として、風景を配信するのもありだろう。それをSONYがやる。

テレビ単体ではなく、住環境の中の一部としてテレビを再定義する必要があると思う。

テレビはハイスペックを追求しているのに、リモコンは相変わらず旧態依然だ。
リモコンはテレビのインターフェースである。

このリモコンを革新するという発想が、どうして出てこないのかと思う。ボタンがズラズラと並んだだけのリモコンなんて、使いたくないんだよね(^_^)。スマホ時代には時代遅れだろう。

これについては、過去記事を参照。
「テレビ」の未来形を考える(1)
「テレビ」の未来形を考える(2)
「テレビ」の未来形を考える(3)

……と、このネタの続きを書いて(描いて)ないね(^^;)
いずれそのうち。

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