NHKスペシャル「体感 首都直下地震」の中の、ドラマ「パラレル東京」は地震発生から4日間を描いたドラマだった。
ネット上の評判は、リアリティがあるというものからB級映画というものまで、両極端のようだ。

NHKスペシャル | シリーズ 体感 首都直下地震DAY1 あなたを襲う震度7の衝撃

シリーズの「DAY1」から「DAY4」の4本は、私たちが暮らす東京とは別の架空の東京=“パラレル東京”でM7.3の首都直下地震が発生した様子を、VFXを駆使して描くドラマ「パラレル東京」を軸に、ほぼリアルタイムで進行していく。“発災”時刻は12月2日午後4時4分。震源は都心南部…。

Nスペの番組そのものは1時間枠だが、ドラマは約半分の30分くらいしかない。それが4話だから、合計2時間のドラマということになる。
ドラマの前後には、ゲストたちのトークがあったが、これはいらないね。ドラマで1時間みっちりやれよといいたい。

評価できる点としては、VFXを駆使した空撮のシーンかな。
逃げ惑う群衆、崩壊するビル、炎上する街……などは、なかなか迫力があった。

一方、ドラマの部分は架空のテレビ局が舞台となっているため、屋内から出ることがなく、視野として狭くなっていた。スタッフが取材に出ているシーンや、レスキュー隊のシーンなどは、中継映像を通してのシーンのため、緊迫感が乏しい。

テレビ局を舞台にしたというのは、制作スタッフにとってはもっとも身近でもあるわけだが、なぜか嘘っぽく見えた。
少々過剰に演出しているのかもしれないが、君たちはそんな風にニュース番組を作っているのか?
あんなに激情的に振る舞ってるのか?
あのクソみたいなディレクターがいるのか?
それがリアルだというのなら、放送局のあり方が問われるぞ(^_^)b

ストーリーとしては、建物に閉じ込められた女子高生の救出にかなりの時間を割いていて、その救出劇で盛り上がる展開だった。
お涙ちょうだいのエピソードがあってもいいが、このドラマのテーマは来たるべき首都直下地震を体感させることではなかったか?
被害想定では、数万人の人が救出されることなく命を落とす。
ひとりの幸運な少女にスポットを当てるだけでなく、なすすべもなく亡くなる大多数の人にも光を当てることはできなかったか。

テレビ局は様々な情報や映像が集まることから、災害の様子を見せるには都合が良かったかもしれない。
反面、それらはカメラを通してのシーンであり、傍観者の視点になってしまった。
客観的でもあるが、当事者意識は薄れる。
それはリアリティを薄れさせることにもなった。

このNスペに連動して、他の番組でも首都直下地震に関連した特集を組んでいた。
それらの番組中で度々話題になるのが、スマホのアプリを使った対策だ。
安否確認や避難経路の確認に、アプリを使うという方法。
だが、これらが有効になるには、通信インフラが生きていることが前提だ。

ドラマ中では2日目に“広域通信ダウン”として、スマホが使えなくなる設定だった。
基地局のバッテリーが1日くらいしか保たないためだが、これほどの地震が起こると、もっと早い段階で通信インフラはダウンする可能性がある。

各所にある基地局は有線で交換局とつながっている。その有線が断線すれば通信はダウンする。地震そのものによる断線はもとより、火災による断線、浸水による断線もありうる。
スマホが使える前提の対策は、楽観的すぎる。
もしスマホが使えなくなったら……という対策は提案されていないのだ。

ドラマの賛否はいろいろだが、考えるきっかけにはなりそうだ。
アニメのレビュー式に採点すれば、このドラマは★3つかな。
VFXは○だが、シナリオは×

ともあれ、首都直下地震はいずれ起こる。
来年のオリンピック前に起こると、オリンピックは中止だ。
そうならないことを祈るしかないね。

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