耐性ゴキブリが地球を支配する日

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嫌われ者の昆虫といえば、ゴキブリ。
蜂や蚊のように、直接的に人体を刺したりして害を及ぼすわけではないが、間接的に健康被害を及ぼす可能性がある。
実害よりも、見た目の不快さによる不快害虫の側面が大きいように思う。

しぶといことがゴキブリの特性でもあるが、最近では殺虫剤に対する耐性も身につけているという。

あらゆる殺虫剤に耐性を持つゴキブリが激増中 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

<ゴキブリが耐性をもたない殺虫材を使って駆除実験したところ、ゴキブリはわずか一世代で耐性を付け、個体数も増やし始めた。驚異の生命力に、近い将来殺虫剤では殺せなくなるかもしれないと、研究者は警告する>

(中略)

一種類の殺虫剤だけを用いた実験では、使用した薬剤に対する耐性が低かったため、ほとんど完全に駆除できた。だが同じように1種類の殺虫剤を使って別の実験を行うと、ゴキブリの耐性が上がり、最終的には個体数が増加したのだ。

 

シャーフによると、この実験で生き延びたゴキブリは、同じタイプの殺虫剤が「基本的に効かなくなる」だけでなく、そのゴキブリの子孫にも耐性が受け継がれる。さらに驚くべきことに、これらのゴキブリには、「それまでに散布されたことがなく耐性も持っていない」はずのほかの殺虫剤も効かなくなってしまうという。

「たった一世代で、耐性が4倍から6倍に上昇することが確認された。これほどのスピードでこのような現象がなぜ起きるのか、理由は全くわからない」とシャーフは述べた。

ゴキブリの生命力、すごいな。
うちには、ゴキブリがいない。ほんとにいないんだ。もう何年も見たことがない。

ちなみに、ゴキブリの害とは……

ゴキブリを知る|害虫を知る|アース害虫駆除なんでも事典

ゴキブリの害

  • 病原菌の運搬(サルモネラ菌、赤痢菌、小児麻痺ウィルス)。
  • 糞(フン)、死骸などがアレルゲンになる。
  • 見た目、突然の出没、不潔さなどによる不快感。
  • 食品を食べ、書籍を汚す。電気系統の障害(ショート)を引き起こす。

菌やウイルスを媒介するのは、ゴキブリが保菌者なのではなく、生息する環境が不衛生なために運び屋になってしまうだけである。そこはドブネズミとは違うところ。

人間はゴキブリを駆除しようとして、ゴキブリの進化を促進しているようなもの。
強化ボディを進化させていくゴキブリは、人類が絶滅しても生き残りそう。
そして、人間という天敵がいなくなると、ゴキブリは巨大化を始め、やがて脳が発達して知能が芽生えてくる……

というのは、「テラフォーマーズ」みたいな話になってしまう(^_^)。

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ゴキブリが進化して人型になる必然性はないのだが、昆虫型の知的生命体というのはありえる。
ほ乳類よりも早くから地球に出現していながら、知能を獲得するまで進化しなかったのが不思議なくらい。

外骨格の体は、小さいから使えるシステムではある。それでも、かつては翼長1メートル近いトンボや、体長3メートルにもなるムカデがいた時代もあったから、必ずしも巨大化できないわけでもなさそう。ただ、構造的に難しそうだから、人間のように6500万年では無理だろう。

恐竜の時代、恐竜の足元をうろちょろする小さな汚いネズミが、やがて地球を支配する人間になるなんて、当時の支配者だった恐竜は想像もしていなかっただろう。余談だが、恐竜絶滅の引き金となった巨大隕石の落下がなければ、小形恐竜が進化して、恐竜型知的種族が誕生していた可能性もあった。

同じことがゴキブリにもいえる。
ただし、数億年の時間は必要なのかな?
その間、進化を阻害する天敵がいないことが条件だとすれば、かなり厳しいとは思う。

しかし、人間が引き起こすかもしれない第6の絶滅は、ゴキブリにとってチャンスだろう。
温暖化と環境汚染で、天敵になりうる大多数の種が絶滅すれば、ゴキブリの天国になる。早い段階で大型化して、食物連鎖の頂点になれれば、進化を邪魔されることはない。

1億年後——。
地球にはゴキブリを先祖とする、昆虫人が文明を築いている。
かつて、人間によって強固な耐性を身につけ、それは子孫にも受け継がれ、昆虫人となった彼らは、宇宙のような過酷な環境にも適応できるようになった。

人類がなしえなかった、火星への移民、太陽系外への進出を成し遂げる。
外骨格の体は、宇宙服にもなったのだ。
真空中でも即死しないゴキブリは、宇宙に出て行くには好都合な特性を持っているともいえる。

耐性ゴキブリが地球を支配する日……は、可能性の未来かもしれない。

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