衝撃的だった“尖閣ビデオ”の流出。
出るべくして出てきたという感じだが、これが意図的なリークなのか、不本意な流出なのか、今のところはっきりしない。
それに関する記事のひとつ。
Business Media 誠:ネット上に尖閣映像が流れ……メディアが揺れている
4日夜にネットに流出、5日朝にテレビ・新聞で大きく取り上げられた衝突映像。6日早朝のテレビ番組「新・週刊フジテレビ批評」(土曜午前5時、関東地区)は、いち早く「“尖閣ビデオ”流出 テレビに与えた波紋」のタイトルで緊急特集を組んだ。
番組の福原伸治プロデューサー(46)は、5日午前1時前にツイッターで流出を知り、すぐに出演者の手配に動いた。「ネットとテレビメディアを考える上で非常に大きな意味がある」。そう思った背景には、ネットで強まる「反マスコミ」の空気があった。
下線を引いたところが皮肉で、結局、テレビの人たちもネットによって動いている(動かされている)というのが現実。
テレビ番組でも、ネット上の動画を拾い集めただけの企画があったりして、ネットに対抗するはずのテレビは、ネットを使ってネタを集めている始末。
そういうのを見ると、「安直になったね」と思う。
テレビの独自性は、どこにいったのやら……。
“尖閣ビデオ”は公開する機会を逸してしまって、見せるの、見せないの……ともめているうちに「流出」だ。
最初、これはうまい方法だと思った。
政府が自主的に公開すると、中国の反発は必至だが、「不本意に流出してしまった」ということになれば、事件・事故として扱うことができる。
「日本は情報管理が甘いのだ」と自虐的に説明すれば、見せられないビデオを堂々と公開できる。
まぁ、そこまで考えられた流出なのかどうかはわからないが、そういうシナリオを書いた人がいたとしたら、これはなかなかの演出だろう。
とはいえ、テレビの対応は後追いだ。
テレビ側からこの問題をメディア論的に検証し、真摯(しんし)に受け止めているというメッセージを発信する必要があると思った
……ということだが、結局、なにをやったかというと、検証とはいってもビデオに出ているものが全てであり、見ればわかることばかり。
つまるところ、You Tubeの映像をテレビに「コピペ」しただけなのだ。
本来なら、テレビの記者が非公開になっていたビデオを入手して、スクープとして公開するのが、やるべきことだった。
それができなかった。
いや、中国問題だけに、できなかったというべきなのか?
流出させた人が、正義感からか悪意からかはともかく、テレビを差し置いてスクープしてしまった。
もし、この問題の日中の立場が逆転していたら、流出させた人はヒーロー扱いだよ。あの突っ込み船長ですら、英雄扱いなんだから。
テレビがやるべきことをできなかった(しなかった)。
そこが問題。
テレビが報道メディアとして衰えていることを、如実に示してしまったのが、今回の流出事件だと思う。
尖閣ビデオを見た人の中に、率直に反中感情を抱いた人が多数いたとしても不思議ではない。
それほど、中国船の行動は極めて悪質であった。赤い中国のために国民に対して隠蔽し続けてきた赤い菅・仙谷政権は信用できない。
民主党支持率は、今年中に確実に20%台になる。
守秘義務違反のようではあるが尖閣ビデオを国民に公開した石垣海上保安部の関係者(?)に最大の感謝をしたい。