都知事選では、本来の選挙活動とは別のところで話題が盛り上がっていた。
YouTubeにアップロードされた、政見放送だ。
過激な発言が面白がられ、パロディがいくつも作られていた。
そのいくつかを見ていたが、なかなかの快作もあった(^_^)
で、選管はこれにクレームを付けた。
公平ではないという理由だ。
それに関する記事。
動画共有サイトの政見放送は「不公平」か?【コラム】?インターネット-最新ニュース:IT-PLUS
■ネット時代の「公平」とは何か
「政治パロディ」とも呼べる動画の内容と得票数の評価はさておき、今回の一件は政見放送のあり方に一石を投じた。東京都選挙管理委員会は、YouTubeに対して削除要請を行ったが、その理由は「政見放送は公職選挙法で回数が定められていて、特定候補者の映像がいつでも視聴可能になっているのは公平性が保てない」というものだったという。
そうだとすれば、公平性とは何かが問題となる。政見放送は時間帯が決められており、忙しい有権者が生で見ることは難しい。動画共有サイトであれば、関心を持ったときに「いつでも」見ることができる。あらかじめ録画する必要もない。
選管が言うように、特定候補の映像だけ見られるのが問題なのであれば、動画共有サイトに選管の特設ページを作ってすべての候補の政見放送をアップするようにすれば良い。表示に公平性を持たせたければ、一定期間で表示位置をローテーションすることもできる。公平性のみならず、どちらが有権者に役立つかは言うまでもないだろう。
そもそも「公平」とは、誰にとっての公平なのか?
候補者にとっての公平か、有権者にとっての公平か?
少なくとも、有権者にとっての公平ではない。そもそも政見放送を、とんでもない時間に放送していて、見られない人の方が多い。つまり、見る人が少ないとわかっていて放送しているわけだ。それが公平なのだろうか?
候補者にとって公平なのか?……といえば、政見放送そのものは時間も回数も同じかもしれないが、他の番組に呼ばれる人と呼ばれない人がいるわけで、ぜんぜん公平ではない。選管は、それに対してクレームをつけないのはなぜか?
もともと知名度のある人と新人では、最初からハンデがある。ならば、ゴルフなどのようにハンデをつけてもいいのではないか?
前提となる公平の、基準が公平ではない。
ともあれ、YouTubeで政見放送を流したことは、見たいときに見られるという、有権者の公平にはなったように思う。
それにしても、せっせとパロディを作っていた人たちの、労力には脱帽だった(^_^)