「似ている」という理由で、啓発ポスターの使用が中止されたようだ。
いわゆるパクリやトレスとは違っていたようで、作風が似ていることが問題だったらしい。それって、どこで線引きするんだろうね。
性暴力の啓発ポスター使用中止に 内閣府、別作品と類似 | 共同通信
内閣府は18日夜、若者の性暴力被害予防を啓発するポスターについて、別のイラストレーターの作品と類似しているとの指摘を受け、使用を中止したと発表した。製作は凸版印刷(東京)が請け負った。内閣府の担当者は19日、記者会見し「不適切な点があったことは極めて遺憾で、イラストレーターに深くおわびする」と陳謝した。
(中略)
内閣府によると、イラストレーターの、たなかみさきさんの作品と似ているとの指摘があった。凸版印刷に確認したところ、同社から「作品を参考にした。類似性のチェックが不十分だった」との報告があったという。
で、どこが似ていたのかの例が挙げられていないので、判断しようがない。
そのまんま構図やポーズをパクったわけではなく、作風の類似が指摘されたとのこと。
たなかみさき氏の書籍があったので、それを参考にすると……
というわけで、似てるというか、真似ているのはわかるが、パクリの範疇には入らないように思う。
似たような画風・作風のイラストやマンガ・アニメは、腐るほどあるぞ(^_^)b。
無名のイラストレーターには、「●●さんの絵に似せた絵にして」という注文はよくある。テクニックがあれば、似せることは簡単だ。そもそも絵描きは、模倣から始めるので、誰かの作風に似るものだ。
たなかみさき氏の作風で作りたいと思ったアートディレクターが、たなかみさき氏に依頼すれば済む話だったはず。
そこをケチって、無名のイラストレーターに安く発注したのだろう。たぶん、ギャラ(原稿料)は10分の1くらいで抑えて、浮いた分を自分(自社)の懐に入れたとか、そんなことだ。よくある中抜きの手法である。
仕事を請け負った凸版印刷にしても、おそらく自社ではなく下請けに出しただろうから、下請けに回った時点で制作費はかなり削られているはず。そうなると下請けは高いギャラを払えないから、無名イラストレーターに「似たのを描いて」と注文するのだ。
制作費はどのくらいかかっているかというと……
内閣府、性暴力防止の啓発用ポスター取りやめ 「作品が酷似」と指摘:朝日新聞デジタル
ポスターや動画作製の費用は約1100万円で、凸版印刷に返還請求が可能か検討する。
……ということで、1100万円。
報道するなら、その内訳も追及して欲しいね。イラスト料としていくらだったのか。100万円ということは考えにくいから、無名イラストレーターには2点で10万円くらいかな。もっと安いかもしれない。
担当イラストレーターの名前は出ていないが、こういう炎上案件になると、その人が気の毒になってしまう。いつものように仕事しただけだろうからね。
私だったら、イラスト込みのポスターデザインまで含めて、100万円で請け負うよ(^_^)。作風を似せたいなら、ヘタウマからスーパーリアルまで、なんでも可能だ。
経費削減したければ、フリーランスの個人に発注すると、大手に発注するより10分の1で済むぜ。