新型コロナワクチンは“変異種”にも有効か?

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新型コロナの変異種の登場で、新たな局面に入った感がある。
日本では変異種は検出されていないとのことだが、それはサンプリングの問題でもあって、まだ網にかかっていないだけと考えた方がよさそう。

前にも書いたが、ウイルスは数時間で世代交代していくので、1か月あれば200世代くらいが経過する。人間に置き換えると、平均30歳前後で子供を産むとしたら、200世代は6000年分である。その間にも少しずつ変異(というか、RNAまたはDNAのミスコピー)が頻繁に起き、そのうちの1つが生存に有利な変異だった場合に、変異種が大勢を占めることになる。

確認されているだけで、1000種あまりの変異があるという。
ウイルスは猛烈な勢いで進化をしているわけだ。
そんな変異種に対して、開発済みのワクチンは有効だろうという記事。

独ビオンテック“変異種にも有効の可能性”|日テレNEWS24

ドイツの医薬品会社・ビオンテックは22日、アメリカのファイザーと共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、イギリスなどで感染が急増している変異種にも有効である可能性が高いとの見解を示しました。

開発元としては、そういわざるをえない立場ではある。
ただ、当初いわれた有効性が98%とはいかないかもしれない。妥当なところで、インフルエンザと同等の20~60%(年齢などによって異なる)くらいに落ち着くのではないかな。

関連して、Nature Medicineのレポートを斜め読みしていたら、気になる報告が出ていた。

SARS-CoV-2の詳細な進化を明らかにした系統スーパーツリー

ORF1ab遺伝子は、コロナウイルスの全ゲノムの75%を占めており、ウイルスの複製と転写を促進する非構造タンパク質(nsp)をコードしている。ORF1abのアミノ酸配列に存在する変異は、スペイン、米国、中国からのSARS-CoV-2sに関与するA、B、C、DのD1、Eを含むほとんどのクラッドに存在するが、同一の変異部位は検出されなかった。その中で、ORF1abのプロリンからロイシンへの変異(P4715L)は、Nsp12上に位置していた。注目すべきは、Nsp12はレムデシビルのようなヌクレオチドアナログ抗ウイルス剤の主要な標的と考えられていることである。したがって、この変異(P4715L)は、抗コロナウイルス治療の効果を低下させる可能性がある。

下線を引いた部分。
ヌクレオチドアナログ抗ウイルス剤の効果が低下する可能性があるという。
レムデシビルは治療薬の代用品ではあるが、それが効きにくいとなると、治療現場は難しい対応をすることになりそう。

ただし、レムデシビルはCOVID-19に対して効果はないとの報告もある。

レムデシビルなど4薬効果なし コロナ入院患者に―WHO(2020年10月17日付)

世界保健機関(WHO)は、日本で新型コロナウイルスの治療薬として特例承認されている抗ウイルス薬「レムデシビル」を含む4薬について、WHOが主導する新型コロナ治療薬の国際的な治験では、入院中の患者への効果が「ほとんどないか、全くなかった」と暫定的な研究結果を発表した。

レムデシビル

とはいうものの、治療薬として使われている。
ほかに治療を期待できる薬がないからだろう。ただ、前述のレポートから推察すると、同系統の薬は変異種には効かない可能性がある。

それにしても、日本ではワクチン接種が3月頃からになるというのは遅いね。
欧米では接種が始まっているのに、なぜ日本は承認にそんなに時間がかかるのか?
おそらく、流行のピークは1〜2月になるだろうから、3月では手遅れだと思うのだが……。

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