レジ袋の有料化はスケープゴートか?

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スーパーやコンビニで買い物すると、商品を「レジ袋」に入れてくれる。
このレジ袋の使用量を減らすことで、二酸化炭素の排出量削減になるとか、プラスチックの環境汚染を減らせるとして、有料化されている。

買い物に行く人は、レジ袋を使わなくていいように、マイバッグ(エコバッグ)を持参するようにいわれる。
いちおう、私もマイバックは常に持っているが、それを使うことによる実質的な効果というのには疑問を感じる。

で、レジ袋の有料化は地域差があるとのことで、全国一律に規制するらしい。

なぜレジ袋を全国一律で有料化? レジ袋規制の新方針に“納得できない人”が相次ぐ理由 / ねとらぼ

 原田義昭環境大臣が2月26日の会見で、全国一律でレジ袋有料化を義務付ける方針を明らかに―― このような報道に、ネット上では「なぜレジ袋ばかりが、やり玉に上がるのか」「意味があるのか」などの声があがっています。

(中略)

すでに述べた通り、レジ袋規制自体は新しい取り組みではありません。現在でも有料で購入している人、使わないようにしている人は珍しくないでしょう。しかし、まだ「もっと国民の理解が必要だ」といわれているような状況で、簡単に進められる問題でないことは明らかです。

“生活必需品”として捉える人も少なくない一方、「プラスチック資源循環戦略(案)」へのパブリックコメントを見ると「有料化ではなく禁止」とさらに厳しい対応を求める声もあり、国内で意見が分裂していることが伺えます。

この手の問題は、なにかひとつの対象をスケープゴートにして、あたかも問題を解決したかのように錯覚してしまう、おきまりのパターンでないかと思う。

ストローも問題になって、プラスチック製以外のストローにしてみたり。
ペットボトルの蓋だけ集めて、リサイクルしつつ募金にしてみたり。
缶ジュース等のプルトップだけ集めさせてみたり。
牛乳パックだけ集めて、リサイクルだといってみたり。
再生紙だと表示していたのが、嘘だったり。

そうした運動や活動の実態を調べてみると、じつはリサイクルになっていなかったり、インチキだったり、効果は軽微だったりする。
「エコをやってるつもり」の活動なんだよね。

レジ袋は、目立つから標的にされているだけな気がする。
その心理は、タバコが目の仇にされているのと同じだな。

環境汚染としてのプラスチックを問題にするのなら、レジ袋よりも生鮮食品の包装に使うトレーやラップの方が、量としては圧倒的に多い。家庭から出るプラゴミの大部分が、この包装材だからだ。

スーパーでその日の食材の買い物をすると、レジ袋を使わずとも、エコバッグに入れる食材のほとんどにトレーが使われているため、少なくても2〜3枚、多ければ5〜6枚のトレーがある。

レジ袋の質量は、No.8号と呼ばれるサイズ(厚み0.015mm、260×350mm)で、2.2g。
食品トレーは、147×100×30mmの大きさで、約2g。
単品としては、それほど違わない。

しかし、前述したように、レジ袋は1つで足りても、食品トレーはいくつもある。
レジ袋は持参する袋としての再利用や、ゴミ袋にも使えるが、食品トレーは再利用する場面がほとんどない。だから、食品トレーは捨てる。

量的な問題からいえば、食品トレーの方が問題なはず。

レジ袋に使われる素材は、高密度ポリエチレン。
食品トレーは、ポリスチレン。
……なんだそうだ。

資料→ プラスチックと容器包装 – 経済産業省

……と、上図の生産量では、高密度ポリエチレンよりもポリスチレンの方が多い。
つまり、単純に考えても、レジ袋より食品トレーの方が減らすべき対象ということだ。

レジ袋規制は、エコをやってますのパフォーマンス的な意味合いが強い。
記事の結論にもあるように、本気でプラスチックの環境汚染を心配するのなら、「禁止」するしかないだろう。少なくとも消費量の多い食品の包装材として使われるプラスチックは禁止するくらいの規制をしなければ、焼け石に水だと思うよ。

 

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