何度か取り上げているが、「エコ」の関心が高まり、エコを謳った製品や企業活動が社会の風潮になっている。
 エコ=環境にいいこと……という図式だが、疑問点も多い。
 前にも書いた、紙のリサイクルの「R100」が、 CO2の排出に関してはエコにならないというのも、エコといいながらエコにならない一例だ。

 身近なところでは、ペットボトルのリサイクルがある。
 最近ではほとんどのスーパーの店頭に、ペットボトルの回収用ボックスが置かれている。多くの人がエコを意識して、ここにペットボトルを投入している。
 そのペットボトルのリサイクルに関する記事が以下。
どうなっているの?ペットボトル – 環境goo

1997年4月、「容器包装リサイクル法」がペットボトルに適用され、本格的なリサイクル活動が開始された。
コンビニやスーパーを始め各市町村でも回収を行なったため回収量は飛躍的に増え、一時的に再生処理能力が回収量に対処しきれない事態も生じた。
しかし、東京ペットボトルリサイクル株式会社が2000年4月からペットボトルの再生処理を開始したこともあり、処理能力は大幅にアップ。2004年には食品安全委員会より「化学分解法による再生PET食品容器包装については従来のPET(石油由来のPET)と同様の用途内で仕様可能である」との見解から、帝人ファイバー株式会社のボトルtoボトルプラントの稼動など、再商品化施設の数は増加し、現在、日本は先進国の中でも最高水準の回収率となっている。
ペットボトルの再生品としては、フリースや卵パック等で広く認知されているが、回収、処理されたペットボトルはリサイクルされてどのように生まれ変わっているのだろうか。気になる「その後」を追ってみた。

 このページのリンク先をたどれば、リサイクルの現状の概略を知ることができる。
 なるほど、リサイクル率はかなり高いようである。
 がしかし、ちょっと待て。
 ペットボトルをリサイクルして、フリースや卵パックを作るのはいいが、2次生産された製品はどこへ行くのだろうか?
 ペットボトルの回収箱はあるが、フリースや卵パックの回収箱は見かけない。ということは、2次生産されたものはゴミとして捨てられているのではないか? 卵パックに関しては、リサイクルする会社もあるので、一部は再利用されているようだ。だが、フリースなどの衣類は、まったく対象になっていない。
 エコ、リサイクルといいながらも、ゴミになる過程が、1サイクル伸びただけで、結局ペットボトルの行き着く先はゴミ捨て場ということではないのか?
 これで「エコ」といえるのか?
 完全に循環して、ペットボトルが再びペットボトルになるのなら、総量はあまり増えることなく資源の節約になるだろう。だが、形を変えてゴミになるのなら、エコとは言い難いように思う。

 もうひとつ、CO2問題でクローズアップされている、植物由来のエタノール燃料も矛盾点を抱えている。
 その記事が以下。
WIRED VISION / Autopia / エタノール普及は「水」にも影響:米国穀倉地帯で深刻な水不足

農地を、食糧を作る場から燃料を作る場へ変えることの影響について議論が続くなか、新たに水資源の確保という問題が浮上している。

それが特に顕著なのは、カンザス州やネブラスカ州などの穀倉地帯だ。どちらの州も昨今のエタノール燃料ブームの恩恵を受けているが、もともと干ばつの多い地域でもある。

エタノールの原料になるトウモロコシの栽培にはたくさんの水が必要だ。さらに、エタノール製造工場も水を大量に使用する。

約19万キロリットルのエタノールを製造するのには、約57万キロリットルの水を使う。これは小さな町の水の消費量より多い。

カンザス州とネブラスカ州の農地の多くは、水に関しては、リパブリカン川と、両州が共有する地下水層に頼っている。どちらの水資源も急速に枯渇しつつあることが判明しており、すでに利用制限がかけられている。

 エタノール燃料を作るために水が不足し、干ばつを招く。その干ばつは、農地だけではなく周囲の環境にも影響するだろう。それで森が消え、砂漠化を加速するとしたら、なんのためのエコだがわからなくなってしまう。

 エネルギーとしての電気も矛盾をはらんでいる。
 電力会社は、オール電化でエコを謳うが、その根拠となっているのが、原子力発電所の存在だ。原子力発電はCO2を排出しないため、温暖化に関しては大きなメリットがある。
 だが、CO2は排出しなくても、放射性廃棄物は出てくる。その問題は棚に上げて、クリーンであるかのように装うのはどうかと思う。温暖化の問題をクリアするための数値目標を達成するために、原子力で帳尻を合わせようとしているだけではないのか? 温暖化が深刻になるのは、100年、200年先だといわれているが、放射性廃棄物が大量に漏れ出せば、数日のうちに致命的な問題となる。
 どちらのリスクを優先するのか?……という選択である。

 エコ……というかけ声で、いろいろな製品や計画が登場しているが、プラス面とマイナス面が必ずあるはずだ。プラス面ばかりが報じられるが、マイナス面も同時に検証すべきなのだ。

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