世の中、ほとんどの場合「偶然」が物事を左右する。
悲劇の事故も、感激のニュースも。
毎日、いろんな偶然に遭遇しているわけだが、そのことをあまり意識することはない。
以下のニュースも、偶然がいい方に転んだ結果だ。
絶滅寸前のミゾゴイだった…埼玉で保護、沖縄へ (読売新聞) – Yahoo!ニュース
さいたま市の民家で10月、読売新聞販売店パート、原島真理さん(47)(さいたま市緑区)が保護した鳥が、絶滅寸前の渡り鳥・ミゾゴイと分かり、全日空機で21日、越冬地の沖縄に運ばれることになった。
保護されたのは、全長約40センチの雌の成鳥。原島さんが10月24日、新聞代金の集金に訪れた民家の玄関脇で見つけた。自力で飛べず、埼玉県川口市の動物病院「池谷 犬猫鳥の病院」に運んだ。
院長の池谷奉文さん(68)は環境問題の調査・研究を行う「日本生態系協会」の会長で、鳥にも詳しい。のど元の黒い線や茶色の羽毛などから、都心ではまず見られないミゾゴイと気づいた。左脚を骨折していたが、治療を受け、高さ2メートルの棚に飛び乗れるまで回復した。
たまたま傷ついた鳥に出会ったのが、この人だったからよかった。
普通、道端で鳥がケガをしているからと、保護して病院に連れていったりはしないだろう。
連れて行った先の病院の先生が、環境問題の専門家で鳥にも詳しいなんて、普通はありえない。
この幸運な偶然がなければ、この鳥はのたれ死にしていたかもしれない。
私は以前、交通事故に遭った直後の犬に遭遇したことがある。
そばにいたのは犬の散歩をさせていた子どもと、通りかかったおばさんだった。
出血し、倒れている犬を前に、ふたりはおろおろしていた。
ひき逃げだったのだ。
そこに、私が通りかかった。
事情を察した私は、おばさんのママチャリを借りて、犬を抱きかかえ、私の猫たちがかかりつけの病院まで運んだ。
ママチャリは私の体格には小さく、乗りにくかったが、歩いて運ぶよりは早い。
自転車で5分ほどの病院に着いて、顔なじみの先生に事情を話して治療してもらった。
その時点では、飼い主が誰かなんてわからない。
そんなことより、命を救うことが先だったからだ。
もし、飼い主が現れなかったら、治療費は自腹を切るつもりだった。
幸いにも、犬は一命を取り留め、飼い主も現れて、一件落着。
あのとき、私が通りかからなかったら、あの犬は死んでいたかもしれない。
幸運な偶然に救われたわけだ。