昨晩、プロフェッショナル 仕事の流儀「ラスト・ミッション 本田圭佑のすべて」 を見た。
その所感など。
プロフェッショナル 仕事の流儀「ラスト・ミッション 本田圭佑のすべて」 – NHK
W杯開幕まで1か月、本田圭佑が登場!エースとして君臨した日本代表からの「落選」。イタリアからメキシコへの「都落ち」。『本田は終わった』とささやかれるなか、本田はひとり、W杯出場、そして悲願の世界一をあきらめていなかった。標高2400mで繰り広げられていた「極秘トレーニング」。どん底におちた男の孤独な闘いに独占密着。本田圭佑の「すべて」に迫る。
最初に断っておくが、私はアンチ本田ではないし、シンパでもない。
サッカー選手として、日本代表に必要かどうか、戦力になるかどうかを見ているだけ。南ア大会の前には、本田と松井を起用しろと、プッシュしていたのだから(笑)。
彼の生き方は素晴らしいと思う。
愚直というか、頑固というか、なかなかあそこまで突っ張っていくのは、並の人間にはできない。
たいていは、どこかで「妥協」するものだ。
その方が楽だからだし、強がりは疲れてしまうんだ。
本田は、いまだに中二病なんだな……と思った。
いい意味での中二病だ。
「オレにできないことはない」
「オレは無敵だ」
「オレがヒーローだ」
「オレは、みんなとは違う」
……という、全能感に浸れる中二病だ。
私にもそういう時期があった(笑)。
高校生の頃まで引きずっていたかな。
しかし、社会に出て現実にぶつかると、自分の非力さ、できることの限界を知って、中二病の牙城は崩れ去った。
私とはスケールが違うものの、本田は中二病をただの妄想ではなく、実現させようとして、いくつかは実現して見せた。
だから、彼の中二病の牙城は健在なのだろう。
それは、うらやましいことでもある。
高地トレーニングのために、メキシコのパチューカに移籍したという本田。
過酷な環境でのトレーニングで、心肺機能の向上を目指した。
それはW杯のため。
しかし、ハリル監督との戦い方の違いに、異論を唱える。
「ハリルのやるサッカーに全てを服従して選ばれていく、そのことのほうが僕は恥ずかしいと思っている。自分を貫いた自分に誇りを持っている」
その信念はわかるが、大事な視点が抜けている。
W杯で勝てる可能性があるのは、ハリルのサッカーか?
それとも、本田のサッカーか?
それを証明するはずだったのが、ウクライナ戦(2018/3/27)ではなかったのか?
しかし、この日の本田は、シュート0、アシストもなし、結果は1-2の負け。
彼は中盤でボールを保持して、パスで回そうとしていたが、遅攻になることで、ことごとく跳ね返されていた。メキシコでパワーアップしたはずの身体能力は、効果的に発揮されることなく、進化した本田を見せることにはならなかった。
私の見方は、
本田のサッカーは、ウクライナ相手にすら通用しなかった。
格上の、コロンビア、セネガル、ポーランドには、さらに通用しないだろう。
これが現実だ。
彼はそのことを認めたくはないのだと思う。
「次はできる」と。
ハリルの縦に速いサッカーを嫌っていたのに、パチューカでの戦い方はめちゃくちゃ縦に速いサッカーをしていたように見えた。前線に飛び出す本田に向けて、中盤からロングパス1本で本田が駆け上がってゴーーーーール!。
それこそが、ハリルの求めていた得点方法だ。
パチューカでそれができているのに、なぜ日本代表ではやらないのか?
そこが大きな疑問。
結局のところ、ハリルとの相性がよくなかったというか、レギュラーから外されるようになったことが気に入らなかったのかな?……という印象。
ハリルのサッカーがどこまで通用したかの証明はできなくなった。
残されたのは、本田のサッカーが通用するかどうかの証明だ。
それをW杯では見せてもらおう。